見出し画像

なぜ日本では新築(マンション)が人気なのか?日本人のマインドに深く根ざす視点から考察してみた

興味があること、気になったことを考えて、頭の整理を兼ねて書き出してみたいと思います、歩く架け橋です。
最近興味があるトピックの一つにマンションがあります。自分も分譲マンションに住んでいて、住み替えが必要になったことから、これまでに新築マンションを二度購入したことがあります。
今回は日本においてなぜ新築志向が強いのか、マンションを対象に考えてみました。

日本における新築志向

日本では新しいものが好まれる傾向が強く、より高額な(人生で最も高い買い物の一つの)住宅購入においては、その傾向が顕著で、ウェブサイトを検索すると「新築至上主義」なる言葉を目にします。
下のSBIエステートファイナンスさんのウェブサイトの情報にあるように、

日本では新築が好まれる傾向が他の国に比べて明らかに高い事がわかります。ただ、その理由が「何となく」という感覚的なものが強く、明確に「要因はこれです!」と理解しやすいものは少ないように思っています。
実際に自分も奥深くにあるなんとも感覚的な部分で、「誰も使ってない新築(未使用)が良いな」と考えています。

自分が興味をもっているマンション市場(一都三県)にフォーカスすると、近年は様々な要因から新築分譲マンション価格が高騰して、大きく下がる気配は感じない状況です。
自然と(そして、その他の要因も相まって)中古マンション市場が注目され、取引が活発になると個人的には予想していますが、新築が良いというある種の呪縛の背景を理解して、戦略的に買い手が動く事は、より良い納得感のある住まいの確保において大切ではないかと考えてこの文章を書いてみました。

なぜ日本では新築が人気なのか?に対する一つの考察

『逆説の日本史』でも有名な井沢元彦さんの『日本史真髄』を読んだことで、なぜ日本では新築が好まれるのか?に対する答えに一つの示唆を得ました。

この本では、日本人の真相に根ざす穢れ(ケガレ)という概念が、日本人の思考や行動を呪縛し、歴史を動かしてきたと記載されています(今回は新築が良いという内容を説明するために、あまりにざっくりと切り取ってしまいました。この本の真髄を表せてないので、ぜひ本を手にとって本質を読み取っていただけると幸いです🙏)

ケガレというものは、以下のように辞書では記載されていて、本著では 清潔なのに何となく感じる汚さ とも記載されています。

井沢元彦さんの著書 日本史真髄より

藤原京以前は、天皇が代替わりするたびに都を遷都し変えていました(確かに日本史を勉強していたとき、いつからか遷都がなくなったような…)。この遷都がなぜ必要だったかという理由として、著者の井沢さんは、天皇の死により都が穢れてしまったと日本人が信じていたためではないかと考えておられます。

新築至上主義を検索して引っかかるウェブサイトを調べると「スクラップ&ビルド」という言葉がよく出てきます。戦後の経済発展に後押しされたり、住宅建設が裾野の広い産業という理由も確かにあるとは感じますが、まさに井沢さんの主張されるケガレを恐れたことを背景とする遷都という歴史の縮図が新築vs中古にもあるのではないかと考えました。

この何となく新築が良いという感覚は、日本語を話し、日本で育ち、その文化的な背景を持つと逃れられない感覚なのかなと感じました。

所感

新築の価格高騰で中古マンションへのニーズや中古市場のポジションは高まり、これまでにも増して注目されると予想しますが、新築が良い理由にある感覚的な部分の要因の一つを理解して住まい探しをすることで、意思決定に役立つ部分も多少はあるのではないかと考えて、今回この考察を行なってみました。

素敵なマンションが新築、中古問わず活発にやり取りされることで、住まいという生命の営みの三大要素の一つが、賃貸、購入、戸建、マンション、新築、中古など色々な観点で良い意味で経済活動を下支えしながら、界隈が引き継ぎ盛り上がると良いなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?