3分の5x+1=Dの喜劇⑮ 文化祭

文化祭。
学年でひとクラスだけ飲食の模擬店を出すことが許されるのだが、その権利を1年C組が引き当てた。
1年C組は和風喫茶をやることになった。
教室の床に畳を引き、浴衣の女子生徒が注文を取る。音楽はなぜか流行の若者音楽で、詰めの甘さはいかにも高校生だった。
私は、特に何もせず、だらだらと裏側で小曾根らと話していた。
さすがに申し訳ないな…と思い、多少掃除をし出す。
布巾で机を拭いていると、斉木と数人が何かを見ながらこそこそと話していることに気が付いた。彼らの視線の先に目をやる。中江さんがいた。
中江さんは浴衣で畳を乾拭きしている。浴衣からは中江さんの胸がちらちらと見えていた。
私も思わず硬直してしまった。あの白いものはブラだろうか。どきどきした。

掃除もそこそこに私もこっそり中江さんの胸元を覗き見することに精を出し始めた。
いいなぁ。
中江さんの胸は小さいが、何となく中江さんらしい感じがした。

文化祭の記憶は、ほぼ中江さんの胸で埋め尽くされてしまった。

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