【統合と解釈の全体文】【雛形】

統合と解釈,
私の定義は,
「退院計画を達成するために初期評価から治療プログラムを立案するまでの思考過程」
です.

①情報収集,
②理学療法初期評価,
③予後予測,
④目標設定,
⑤問題点の抽出,
⑥治療プログラムの立案,

実際の臨床場面でもこの順番の過程で思考し,
何をするかを決めますが,
統合と解釈は,
この思考過程を文章化することだと考えています.

統合と解釈を文章化する際の注意点は,
・「因果関係を述べない」
・「記述レベルを揃える」
・「ごちゃ混ぜにしない」
ことだと考えています.

少し書いてみます.

今回は脳卒中分野における統合と解釈について述べます.運動器疾患などについて希望があればコメント下さい.
(ちなみに頚部骨折などの統合と解釈は全く違う思考過程です.)

統合と解釈の文章:予後予測と目標設定.
 本症例は,〇〇領域の脳梗塞を発症し,右上下肢の運動麻痺を呈した○代の女性である.本人の主訴は気持ちが悪い,希望は家に帰りたい,娘様の希望はポータブルトイレでのトイレ自立,難しければ社会サービスを利用し部分的に自宅での生活を行いたい,だった.
 まず本症例の予後予測は,二木立の予後予測より動作予後は〇〇の獲得が可能と考えた.また初診時NIHSS/MAS/BBSの点数より,〇〇の獲得は可能と考えた.
 以上の予後予測より,最終転記先は自宅が可能であり,回復期リハビリテーション病棟での2から3ヶ月のリハビリテーション加療によって,ご家族の希望する生活が獲得可能と考えた.

 ここでは,患者や家族の希望と予後予測をもとに,ADL・動作・機能予後を明確にし,どの程度の期間で,どこに,どのレベルで退院できるかを示します,

統合と解釈の文章:理学療法初期評価
 本症例に対して理学療法初期評価を実施した.問題点は,機能障害は右SIAS-mが○○○○○,MMTは上肢○,下肢○動作は寝返りが○○○,起居動作○○○,座位保持○○○,移乗・立位・歩行は○○○だった.ADLはトイレ動作は○○○で看護師の介助にて何とか可能だった.
 本症例の問題点は,トイレ動作時に〇〇であり,介助量が多く自宅退院後のご家族の負担が大きいことだった.理学療法初期評価より,運動麻痺,筋力低下が原因であると考えられた.

ここの記載が最も混乱します.
大切なことは,
まずは機能障害-動作障害-ADL障害の順に評価結果を記載しましょう.
そしてそこで挙げられた問題点全てが目標を阻害する因子になります.

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