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『武器になる哲学』で得られた3つの学び

お疲れ様です!
なかじまです!

audibleで3回は聴きました。
学んだ3つのことを記していきます!

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

AudibleとKindle Unlimited対象です!(2023/04/23現在)

人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプトが50も紹介されています。

その中で僕が気になったもの3つに絞ってお伝えします。

「人」に関するキーコンセプト

人にフォーカスした哲学・資産のキーコンセプトです。人間関係はとても興味ありますね!

ロゴス・エトス・パトス

論理だけでは人は動かない
アリストテレス

人の行動を変えさせたい。

そんな時は、「説得よりは納得、納得よりは共感」が求められます。

人がうまく動いてくれない。それは、説得で人を動かそうとしているからかもしれません。

では人が真に納得して動くためには何が必要なのでしょう?

アリストテレスは本当の意味で人を説得して行動を変えさせるためには「ロゴス」「エトス」「パトス」の3つが必要だと説いています。


「ロゴス」とはロジックのことです。

論理だけで人を説得することは難しい。一方で論理的でないと人の賛同を得ることは難しい。


主張が理にかなっている。ということは、人を説得する上で重要なのです。


しかし、それだけで人は動きません。「論理」は必要条件であって十分条件ではないということです。


次に「エトス」です。
「エトス」とは、倫理のことです。

いくら理にかなっていても道徳的に正しくないと人は動きません。


人は、道徳的に正しいと思えること、社会的に価値があると思えるものに自らの才能と時間を使いたいと考えるものです。

その点を訴えて人の心を動かすことが有効です。

次に「パトス」ですが、
「パトス」とは情熱のことです。

本人が思い入れをもって熱っぽく語ることで初めて人は共感します。

手を胸に当てて想像してみてください。

もしシラけきった表情の坂本龍馬が、さもつまらなそうに維新の重要性を訴えたとしたら。あれだけの運動を起こすことができたでしょうか?
 

情熱(パトス)をもって未来を語ったからこそ、世界は今あるように変わりました。

人を動かすためには「ロゴス」「エトス」「パトス」の3つが必要なのです。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

AudibleとKindle Unlimited対象です!(2023/04/23現在)

ルサンチマン

あなたの「やっかみ」は私のビジネスチャンス
フリードリッヒ・ニーチェ


ルサンチマンをわかりやすく言えば「やっかみ」です。ニーチェが提示したルサンチマンという概念は、とても幅広いです。


私たちが「やっかみ」とは思わないような感情や行動までも含めます。

イソップ童話の「酸っぱいブドウ」です。

キツネが美味しそうなブドウを見つけますが、手が届かない。やがて、キツネは「あんなブドウは酸っぱいに違いない、誰が食べるものか」と言い捨てて去ってしまう。

こんなストーリーです。

これはルサンチマンに囚われた人が示す典型的な反応と言えます。


キツネは、手が届かないブドウに対して、単に悔しがるのではなく、「あのブドウは酸っぱい」と価値判断の転倒を行い、溜飲を下げます。

ニーチェが問題として取り上げるのはこの点です。本来の認識能力や判断能力が、ルサンチマンによって歪められてしまう可能性がある、ということです。


ルサンチマンを抱えた人は、その状況を飲み込むために次の2つの反応をします。

①ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する
②ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる


この2つの反応は、ともに私たちが自分らしい、豊かな人生を送るという点で、大きな阻害要因になることがあります。

1点目。ルサンチマンに囚われた人は、そのルサンチマンを生む原因となっている価値基準に隷属、服従した上で、それを解消しようとします。


言葉遣いが難しいですが、身近に感じたことのあることだと思います。

周囲のみんなが高級ブランドのバッグを持っているのに自分だけが持っていない。このような状況を想像します。


高級ブランドのバッグは、自分が本当に欲しいものではありません。自分のライフスタイルや価値観には合わないとして、そのブランドバッグを拒絶することもできます。


ですが、少なくない割合の人々は、同格のブランドバッグを購入することで抱えたルサンチマンを解消しようとします。


これはもちろんラグジュアリーブランドだけにか限りません。フェラーリなどの高級車や、リシャールミルなどの高級腕時計の世界でも同様に起きていると考えられます。

これらの、いわゆる高級品・ブランド品が市場にもたらしている価値は「ルサンチマンの解消」とも考えられます。

なので、自分が何かを欲しいとき、その欲求が「素の自分」による素直な欲求なのかを見極めます。

あるいは他者によってつくられた、ルサンチマンによって動かされているものなのかを見極めることが重要です。


ここまで「ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する」ことの危険性をお伝えしました。


次に二つ目の反応です。「ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる」ことの危険性についてです。

ニーチェによればルサンチマンを抱えた人々は、多くの場合、勇気や行動によって事態を好転させることを諦めてしまいます。

ルサンチマンを発生させる元となっている価値基準を転倒させたり、逆転した価値判断を主張したりして飲み込もうとします。

ニーチェはキリスト教を例にして挙げています。


ニーチェによれば、古代ローマの時代、ローマ帝国の支配下にあったユダヤ人はとても貧しかった。

富と権力をもつローマ人などの支配者を羨みながら、憎んでいました。

しかし現実を変えることは難しく、ローマ人より優位に立つことは難題です。そこで彼らは復讐のために神を創り出した、というのです。


つまり「ローマ人は豊かで、私たちは貧しく、苦しんでいる。でも、天国に行けるのは私たちの方だ。富者や権力者は神から嫌われていて、天国には行けないのだから」ということです。

神という、ローマ人より上位にある架空の概念を創造することによって「現実世界の強弱」を反転させ、心理的な復讐を果たした、というのがニーチェの説明です。

ルサンチマンの原因となっている劣等感。これを、努力や挑戦によって解消しようしません。

劣等感を感じる源の「強い他者」を否定する価値観を持つことで自己肯定をします。

こういう考えです。

このような主張は現在の日本でもよく見られます。


例えば「高級フレンチなんて行きたいと思わない、サイゼリヤで十分だ」というような意見がその典型例です。


素直に聞き流せば、それはそれで一つの意見だと思われるかもしれません。ここで見逃してはいけないのが、一般的な価値観です。

「高級フレンチは格上で、サイゼリヤは格下」という価値観を、わざわざ転倒させてやろうという意図が明確に含まれています。


そもそも「高級フレンチ」などというレストランは存在しません。イメージの世界にしか存在しないんです。

「高級フレンチは格式の高いレストランであり、そこに集う人は洗練された趣味と味覚を持っている」という一般的な価値観。

もっというと、「高級フレンチで食事をする人は成功者だ」という価値判断を転倒させたい、というルサンチマンがうごめいているからです。

「サイゼリヤよりも高級フレンチが好き」この発言は、前者を好む人たちよりも自分たちは優位にあるという主張がしたいのです。

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認知的不協和

人は、自分の行動を合理化するために、意識を変化させる生き物
レオン・フェスティンガー


誰かの思想・信条やイデオロギーを変えさせようとする。普通は反論を強く訴えて説明したり、あるいは拷問にかけたりしなければ難しいと考えがちです。

中国が実際にやったのは、全く違った行動です。

彼らは捕虜となった米兵に「共産主義にも良い点はある」という簡単なメモを書かせ、その褒賞としてタバコや菓子など、ごくわずかなものを渡していました。


たったこれだけのことで、米兵捕虜はパタパタと共産主義に寝返ってしまったのです。


この不可解なエピソードは認知的不協和理論によって説明することができます。


まず、自分はアメリカで生まれ育ち、共産主義は敵だと思っています。

ところが捕虜になってしまい、共産主義を擁護するメモを書いています。

この時、贅沢な褒賞が出ていれば、「贅沢な褒賞のために、仕方なくメモを書いた」ということで、「思想・信条に反するメモを書いた」というストレスは解消されることになります。

しかし、実際にもらったものはタバコやお菓子などの些細な褒賞でしかありません。


これでは「思想・信条に反するメモを書いた」というストレスは消化されません。

ストレスの元は「共産主義は敵である」という信条と「共産主義を擁護するメモを書いた」という行為のあいだに発生している「不協和」です。


ですから、この不協和を解消するためには、どちらかを変更しなくてはなりません。

「協賛者を擁護するメモを書いた」これは事実であって、これは変更できません。

変更できるとすれば「共産主義は敵である」という信条の方です。


こちらの信条を「共産主義は敵だが、いくつか良い点もある」と変更することで、「行為」と「信条」のあいだで発生している不協和のレベルは下げることができます。


私たちは「意思が行動を決める」と感じますが、実際の因果関係は逆転です。ということを認知的不協和理論は示唆します。


外部環境の影響によって行動が引き起こされ、その後の行動に合致するように意思は形成されます。

つまり人は、「合理的な生き物」なのではなく、後から「合理化する生き物」です。


というのがフェスティンガーの答えです。


本書のまとめ

ここまで、3つのことをお伝えしました。

①ロゴス・エトス・パトス
②ルサンチマン
③認知的不協和

ここで紹介した3つは本書のほんの一部です。もし、もっと知りたいという方は、ぜひ本書を手におとりください。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

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