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犬と暮らすということ


 犬と暮らすということ。

昨年から今年にかけてとても考えることだ。



2021年6月29日
かわいいアルは左眼を失った。

 
 その時、これ以上苦しい思いをさせたくない。

 そう想ったのに。

  何をやってんだ俺は。

 2022年1月23日
炬燵からお尻だけ出して寝ているアルを撫でていた時、違和感があった。慌てて病院に連れていくと、会陰えいんヘルニアだと言われた。

 会陰ヘルニアというのは、簡単にいうとお尻の筋肉が萎縮し、できた隙間から内蔵が脱出してしまう病気で、未去勢の老犬、且つ、雄犬がなりやすいらしい。

 手術は、お尻を切り、筋肉同士を縫合し隙間を塞ぐ。或いは、人工筋膜などを使って隙間に蓋をする。簡単にいうとそういうことだった。
15歳の老犬にとって手術することがどれだけのリスクを孕んでいるか。全身麻酔によるリスクも当然ある。

 「年齢を考えると手術しないという選択肢もある。けれど放置すれば、いずれ臓器不全などで苦しむことになる。その覚悟がありますか」



 これはエゴなのかもしれない。そうじゃないのかもしれない。それは俺には分からない。
分からないけれど、1日でも、1時間でも、1分でも1秒でも。
 長く一緒にいたい。

だから手術をお願いした。

けれど。


 
  5年程前に去勢は済んでいたものの、それが遅かったんじゃないか。
もっと若いうちに去勢しておけば、こんなことにはならなかったんじゃないか。
アルは15歳の老犬だ。
ただでさえ、病気のリスクは高くなっている。
そのリスクを低くすることが出来なかった。

 タラレバになってしまうけれど、俺がもっと気をつけていればこんなことにならなかったかもしれない。

 「早く気づいて良かった」

 動物病院の先生にはそう言って頂いたが、果たしてそうだろうか。
少なくともアルが痛い思いをしたことは間違いないことで、そういう思いをさせたのは俺の無知だ。若いうちに去勢をしておけば防げる病気はたくさんある。俺は、それを知らなかった。
幸いにして、内蔵の脱出などがなかったから手術はスムーズに済んだらしい。事前の説明だと、状況によっては開腹することになるかもしれない。そう言われた。内蔵の位置を元に戻さなけれればいけないということもある。そういう説明だった。
 
 結果的にそうはならなかったけれど、それでも知識を持っていれば、きっとそんな状況にはならなかったはずなんだよな。




 結果として、アルの頑張りで手術は上手くいった。
動物病院の先生、スタッフの皆さんがいてくださったからこそ上手くいったことだ。

 そのことに感謝し、反省をしながらアルの帰りを待とう。


そして、これまで以上に彼を愛し、大切にしよう。





 


 

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