Bali島へ
25年ぶりくらいで久しぶりにバリ島に行きました。
バリ島に毎年行くヨガの生徒さんから、「バリはどんどん変わっていく」という話を何年も聞いていたので、なかなか行く勇気が出ませんでした。
わたしが今まで旅をした場所の中で、一番好きだったバリ島・・・
椰子の木より高い建物を建ててはいけないという法律があり、夜は裸電球の暗い灯りが灯る集会場で、素晴らしいガムランの演奏やワヤンクリ、ケチャックダンスが繰り広げられる。
村に電話は一台だけ。
島の人たちは腰に美しいサロンを巻き、朝早くからお花とお香を供えてお祈りをする。その姿の美しさ。
田んぼの真ん中にぽつんとあるガラス窓のないカフェで飲んだレモングラスティー。
静かで暗い夜。
そんな25年前のバリ島とは全く変わってしまったという話を聞く度に、寂しい気持ちが押し寄せてきました。
今の日本も含む、先進国と言われるような国に住む人たちが、自分達の生活スタイルを勝手に持ち込み、自分達の価値観を押し付けていく・・・
それがわたしは子供の頃から苦手でした。
日本も同じように、どんどん西洋化されてしまったけれど、変な世界だなと思うのです。
人間は何がしたいんだろう?
例えば、元々その地に住んでいたアメリカ先住民が、白人によって居留地に押し込められ、自由を奪われたように、ハワイの先住民が、やはり白人に虐げられてきたように・・・
他にも、そういう話はたくさんあるけれど・・・
最近わたしの頭に浮かんでくる言葉は、
「心の貧しいお金持ちが美しいものを壊していく」
という言葉。
その土地に昔から住む現地の人たちや、その土地に、何のリスペクトもない傲慢な生き方。
バリ島も、外国人が外国風のコンクリートの家を建て、おしゃれなカフェやレストランを建て、大きな音で音楽をかけて、街並みも変わってしまったと・・・
そう聞くたびに、胸が締め付けられるようでした。
もちろん、わたしはバリ人ではないから、本当のことは何もわからないのですが。
でも、バリ島に行こう!
少し前に
やっとそう思えて行ってきました。
少し勇気がいりました。
一昨日帰ってきたばかりです。
素敵な出会いもありました。素敵な景色もたくさん見たし、美味しいものもたくさん食べました。たくさんお世話になったし、バイクの後ろに乗せてもらって、色々なところに連れて行ってもらいました。
少しだけ話せるインドネシア語を駆使して、現地の人たちと言葉を交わす楽しいひととき、いつも笑顔で内側から幸せが溢れているようなバリの人たちを見ていると、とても複雑な感情が湧いてきます。
あるお店で働いていた、バリ人の若い女性と話す機会があったので、少し質問をしてみました。
「バリはどんどん変わっているでしょ?外国人がたくさん大きな家を建てて、田んぼが無くなって、この通りもまだまだ建設中の建物だらけだけど、あなたはどう思ってる?何を感じているの?」
そう聞いてみました。
彼女は、最初は淡々と話していましたが、途中から私たちに心を開いてくれたのか、涙を浮かべ、本音を話し始めてくれました。
「この島には食べ物もたくさんあるし、私たちは何もなくても幸せに生きられる。こんなの必要じゃない。どんどん変わってしまう。どうにもできない。美しい場所がどんどん無くなっていく。もうやめてほしい。」
そう言いながら泣いていました。
ある日、わたしはカフェでコーヒーを飲みながら、いつものように人間観察をしていたのですが、そのカフェのお客さんは全員わたしも含め外国人。
値段も地元の人の生活水準とは違う外国人料金です。
そこにいる外国人たちは、全員手にスマホ。
ラップトップをテーブルに広げ、眉間に皺を寄せている。
耳にはイヤフォン。
思わず聞きたくなるわたし。
「ここで何してるの?なんでここにいるの?」と。
愚痴を言ってもしかたありませんが、こうやって無意識な行動が、美しい世界、美しい地球を壊し続けてきたんだな・・・と思います。
でももうそんな世界はおしまい!
おしまいにならないと人類は滅亡するだけだと思います。
地球は、一振りで人類を一掃することなんてできるから。
今までも何度もそういう時代があったわけですし。
それなのに、今人間は、地球を守るとか、環境破壊や気候変動を止めないととか、声を上げてなんとかしようとしています。
全部自分ではなく、まるで誰かのせいだと言うように。
自分が変わらない限り、自分の内側が変わらない限り、自分自身が本当に幸せで満たされていない限り、外の世界は良くならないということに気づけない私たち人間。
自分のことを棚に上げて何を言っているんだろう?
バリの人たちを見ていたら、何かをきっと感じるはず。
「どうして彼らはいつも笑っているの?」
「どうしてどんな時も幸せそうなの?」
「なんでそんなに楽しそうで、みんな仲良しなの?」
まぁ、日本も他人事ではありません。
外国人に土地をどんどん買われているし、企業も買われています。
治安が悪くなって、森がなくなって、外国人だらけになったら、わたしも涙を流しながら「もうやめてほしい」とあの彼女のように言うでしょう。
実際、子供の頃、そう感じて泣いたことがあります。
日本に帰国して、電車の窓から外の景色を眺めながら、「あ〜この安全で美しい綺麗な日本がなくなったら寂しいな」
そう感じてちょっと苦しくなりました。
一人一人の内側が満たされ、幸せで、自分であることに満足できたら、人の土地や物を奪おうとか、お金で何もかも買おうとか、自分の思い通りにしようとか、人と比べるとか、闘おうとか、そんなことは思いもしないでしょう。
だから地球環境を守るより、貧しい人を救うより、それより前に、自分自身を癒し、許し、愛することをしないといけないよ・・・とわたしはこの小さなヨガのコミュニティで教え続けているのです。
小さな力だけど、何もやらないよりはいい。
小さな力だけど、じわじわと私が蒔いた光のタネは世界中に広がっていくかもしれないから。
そう信じてはいるけれど、切なさがなかなか消えないこともある。
人間としてこの世界で生きるのは、なかなか大変です。
今は大きな過渡期。
世界が二つに分かれていくと言われていますが、それは、一人ひとりが選択する道ですから、しっかりと意識の目を開いて、自分で選んで行くしかありませんから、
まずは、まだ今の所、扉の開いているその鳥籠の中から、勇気を持って飛び立たないと。
自分の翼を広げて、本当の自由の世界へ飛び出していくには、少し覚悟と勇気とタフさが必要です。
わたしはわたしの魂がこの世界で体験しようと決めてきたこの道を、笑顔で進んでいきたいと思っています。
この夢のような世界の中で、今あなたは何を見て、何を感じて生きているのでしょうか?
深刻になりすぎず、でも意識はしっかりと開いて、本当の自分と繋がって、今を豊かに軽やかに生きていたいですね。
今回の旅でお世話になった方々、出会えた人たち。
皆さんありがとうございました!
特に、わたしをバイクの後ろに乗せて、ガタガタ道をどこまでも楽しそうに走ってくれたあの人に、いちばんの感謝と愛を送ります❤️
それではきょうはこの辺で・・・
テリマカシー
私の本もぜひ読んでみてください↑
旅のお供にもいいと思います。
あなたにいただいた温かいサポートは、この先も絵本を作ったり、作詞をしたり、ヨガを教えることを続けていくために、クリエイターとしての活動費として大切に使わせていただきます!