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エンジニアを目指す女子必見!世界を股にかける女性QCエンジニアに聞く!

国際的に働くというのはどういうことだろう?
将来、皆さんはどこで働き、どんな仕事についていると思いますか?

私は、世界中を飛び回りながら色々な人に会える仕事をしたいです。

実際にそんな働き方をしている女性にインタビューしました!

川島さんの紹介

日揮グローバル株式会社の川島実紗さんです!

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どんな仕事をしているの?

日揮グローバル株式会社で、品質管理エンジニア(Quality Control Engineer)という仕事をしています。

日揮という会社の主な仕事は石油精製や、ガス、火力発電所などのプラントを建てることです。(プラントは端から端まで歩いて何時間もかかるような非常に大きいものです。)

品質管理エンジニアはその中で設計・調達・建設がクライアント(日揮にプラント建設を依頼する顧客)の期待や要求に合うよう管理するのが仕事です。

プラント建設に必要な様々な部品を調達するときには、どの企業にお願いすれば予算内で、スケジュール通りに、日揮と顧客の求める基準をクリアした部品を作ってもらえるか調べたり、プラントの建設現場に部品を運び込む際に傷や不具合がないか、プラントの一部としての役割を果たせるか、品質がいいものなのかを調べます。

プラントを建設するときには検査計画を立てて、設計通りに安全に建設が進んでいるか確認したり、トラブル対応だけでなく、トラブルを予測して未然に防ぐようにします。

更にプラントが完成したときには、様々な基準をクリアしたクライアントの期待や要求通りのプラントなのか最終的に確認し、クライアントに引き渡せるのかを判断します。

現在はイラクのプロジェクトに関わっています。

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川島さんの毎日

実は、働き方は関わっているプロジェクトによって大きく異なります!大きく分けて、横浜にある日揮本社で勤務するか、外国に駐在するかの二つに分かれます。

今担当しているイラクのプロジェクトでは、部品調達の品質管理を担っているので日揮本社で勤務しています。プラントに必要な配管を買う際に、配管を製造しているインドや韓国などの企業と打ち合わせしたりします。

日本との時差が小さい国にある企業とのミーティングの場合、9時に出社して18時に帰るサラリーマンような生活です。ただし日本との時差が大きい国にある企業との打ち合わせがある日は夜9時や10時からミーティングを始めることもあります。

韓国に駐在していたときは、朝7時から出社して、1週間に6日勤務する生活でした。週6日で3ヶ月ほど働いて、2週間休みがあったので皆さんのような学生の生活に近かったかもしれません。

川島さんの仕事内容

〜部品調達の品質管理エンジニアの仕事の流れ〜

調達は、部品を製造する企業(メーカー)を決めるところから始まります。
設計部・調達部・品質部の3部署が協力して、メーカーを決めて部品を注文します。建設プロジェクトの設計や、国の法律・国際的なルールなどを踏まえ、製造に必要な条件をメーカーに指示します。

次にメーカーが製造した部品が、全て条件を満たしているか検査するために検査員を手配し、検査結果を日揮に報告してもらいます。トラブルが起こった場合などは、日揮の品質管理エンジニアがメーカーへ赴いて対応することもあります。

最後に、条件を満たしてプラント建設に用いることができる部品であることが確認できたら、部品を建設現場へ運び込んでもよいと判断できます。

今関わっているイラクのプロジェクトでは、メーカーを選ぶ段階にあります。プラント設計に基づいて、特殊な部品を作り品質基準を満たせるメーカーを選んでいます。

世界には部品を製造するメーカーは沢山あるので、単純にその中からは選ぶのはとても難しいです。そのため日揮が持つメーカーリストの中から候補を絞ります。値段、建設予定地からの距離、メーカーの過去の実績などを考慮して選びます。

リストから選んだ数社の候補メーカーから最終的には1社か2社まで絞り込みます。鉄のパイプはメーカーA、蛇口はメーカーB、など様々な種類の部品があるので、管理するメーカーの数は多くなります。

〜建設現場の品質管理エンジニアの仕事の流れ〜

建設現場に駐在して、プラント建設工事現場の品質を管理します!
プラント建設の検査計画を立案し、検査がスムーズにいくようにコーディネートしたり、溶接士の採用試験を行ったり、諸々のトラブルにも対応します。

現場での品質管理は顧客の信頼や期待に十分に応えられるプラントの品質を担保する最後の要となる仕事なので、とても慎重に行います。

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写真:川島さんが参加したプラント建設プロジェクトの船

国際的に働くメリットとは?

例えば、日本国内だけで働いていたなら、絶対に出会えなかった人と出会えます。そして世界中に仕事で一緒に頑張った仲間ができます。そうして出来た友達の一人からは「フィリピン来たら絶対うちに泊まりに来て!」と言ってもらったこともあります(笑)。

人と人との繋がりの重要性は日揮に来たからこそ実感できますし、自分自身のネットワークも広がりました。様々な価値観や考え方の人がいてすごく面白いと感じています。

国際的に働くデメリットとは?

一番は時差ですね。日本との時差の大きい国とのミーティングでは夜中にミーティングので疲れます(笑)。でも私は、この仕事が大好きなので特に大きなデメリットを感じていません。

国際的に働くあるある
チームにいろんな国の人がいるから、皆んなで食事に行こうとした時に「参加者全員が食事を楽しめるお店が見当たらない!」みたいな状況になる。宗教の食事の制限は難しいです。ヒンズー教徒の人は牛肉を食べられず、イスラム教徒の人は豚肉を食べられません。また、肉や魚を避けるベジタリアンの人もいます。

川島さんが大事にしていること

コミュニケーションが一番大事です。プラントを建てるには大勢の人が関わるので、小さなグループのコミュニケーションが仕事の成果に影響したり、プロジェクト全体に支障が出たりします。人に何か伝えたい時は、ちゃんと全員が理解できるように発信しているのか?と最近よく考えます。私はリーダーとしてはベテランではなく、まだ成長過程にいます。

また、リーダーは常に前を向き、絶対やり遂げるという姿勢をチームメンバーに見せることも大事です。失敗があってもどっしりと構えていられるリーダーになり、みんなのモチベーションを保てるように頑張ります。

現在のチャレンジ

今年で会社に入ってから5年目です。最近は指導員(経験の浅い社員の教育係)をやっています。人に教える立場になって、「自分のやり方をそのまま教えていいのか?」ということを考えます。人によってやり方は違うだろうし、私の知識・経験をそのまま教えてもいいのかと悩んでいます。

日揮に入社した直後は、私自身が多くのプロジェクトに参加し、何億・何兆円という大きなお金がかかったプラント建設を「自分が関わった結果」として積み上げていきたかったです。

今は日揮という組織の価値を高めるのに貢献したいと思うようになりました。具体的には、「どんな種類のプラントでも日揮になら安心して任せられる!」と思ってもらえるようにしたいです。様々な役割を担うたくさんの人・企業・物が関わるプラント建設プロジェクトを上手くリードできる良いマネージャーになりたい、同じような考えを持つ人を育てたいです。

川島さんの小さかった頃のお話
小さかった時:
なんでも見たい、触りたい、やってみたい、という思いが強かったです。興味が移るごとに衝動に駆られて動いていました。
最初は、動物が好きだったから夢は獣医さんになることでした。でも時間が経つと、動物は好きでも治療はしたくない(笑)ということに気づき、夢がイルカのトレーナーになることに移りました。
中学校・高校時代:
中学受験で中高一貫の学校に進学しました。当時はまだ動物への興味が強かったので生物部のある学校に行きました。結局は獣医さんになるとかいいながらなりませんでしたが(笑)。ちなみに、中高時代の生物部の友人の多くは獣医や医者になっています。
中高でロボットコンテスト(ロボコン)に興味が出て、ロボコン部がある大学へ進学しました。これが今の仕事にも繋がっています。

なぜこの仕事に

昔からのちょっとした「好き」が積み重なってここに繋がったと思っています。まず、大学のロボコンでの共同制作の体験も1つのきっかけです。ロボコン出場には、たくさんの人が関わります。

チームでロボットを作ると言っても、外側のフレームを作る人、電子回路を組む人、プログラミング担当の人などなど、色々な人と協力して勝つためのロボットを作ります。様々な役割を担う人という歯車が上手く噛み合って、大きな目的に向けて動いていくのが楽しいと思いました。

チームで何かしたくて、学生団体を作ったこともあります。博物館イベントを行う団体で、イベント開催当日までにいろんな関係者と頑張って作り上げていく、チームで動くのが楽しいと思っていました。

そういった経験から、就職は①ものづくりができること、②何かしらチームで関わることにしたいと思いました。

大学は機械工学科を専攻しました。顕微鏡の研究・開発で、大学院へも進学しました。顕微鏡を作るのは楽しかったけれど、せっかく作るなら大きいものがいい、と思って就職の条件を大きなものを作り、それをチームでできる仕事としました。

大きいものを作るといえば、皆さんは何を思い浮かべますか?私は就職する際に船、ロケット、飛行機など大きなものを作る企業を見に行きました。しかし、「私は30年間ずっと飛行機のタービンの部分を作ってきたんだ」といわれて驚きました。大きな会社だと、大勢のエンジニアたちがいて一人のエンジニアが仕事で見れる範囲がとても狭いんです。

自分で見れる範囲が狭いのは嫌だな、もっと広く自分自身が関与したいと思い、日揮にたどり着きました。当初は海外でも働くなんて思ってもいませんでした。

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写真:大学時代に学生団体でサイエンスコミュニケーターをしていた時

川島さんが今後行きたい国・今まで行った国

今は、イタリア駐在の先輩が羨ましいです!美味しそうな食べ物があり、歴史的価値がある建造物など見に行きたい場所がたくさんあります。

今まで行った国々はアメリカ、ヨーロッパ、中東、アジアなどにあります。その中で個人的にはインドが好きです。カレーが美味しくて、何度も食べに行ってしまいます(笑)。

どの国もそれぞれの魅力があるので、どこに行っても楽しむことができます。

海外にいる時は、食事が一番のチャレンジです。韓国に駐在していた時は、食堂のメニューが韓国語しかなくて、米か麺しか選択肢がありませんでした。毎回、韓国語が分かるメンバーに「辛くない方はどっち?!」と聞いてオーダーしましたが「辛くない方」のメニューも実は辛かったです。現地の食べ物は、現地のメンバーに聞いて試していくしかないですね。

小中高生へのメッセージ

中高生は本当になんでもできる年齢だと思っています。特に大人としては、こうして話を聞きに来てくれるとすごく嬉しいです。

勇気がいることでも、たくさんチャレンジをしてみてください。周りの大人意外と助けたいと思っている人が多いです。楽しいと思ったり、面白いと思ったことが将来の仕事に繋がっているので、失敗を恐れず取りあえず行動を起こしてみて欲しいです。

モットー

"気楽に楽しく。チームワークは仕事で一番重要だから、変に真面目だとみんな萎縮しちゃう。ポイントを押さえて頑張ろう!"

もし、失敗してしまった時は美味しいものを食べてリセットします。例えば、ちょっと高いお肉や、美味しいワインを買ってきたり。失敗の一番大事なところは次にどう繋げるかです。早めに切り替えるのことで失敗が大きくなりすぎないようにします。

さらに普段からチームに貢献する気持ちをもって仕事をしていると、チームメイトたちが助けてくれます。お互いに信頼して、必要なときには頼りあって仕事ができる関係を作って置くことを心がけています。

日揮グローバル株式会社で働きたい場合はどんな資格が必要なの?

日揮グローバル株式会社に入るには、特に特別な資格はいりません。
しかし、この会社にいる人は工学系の教科を専攻してきた人が多いです。

具体的にはメカニカルエンジニアリング(機械工学)やケミカルエンジニアリング(化学工学)を勉強してきた人たちがたくさんいます。会社の80%くらいが理系の人です。大学で理系の学科にいれば、日揮の新卒採用の募集要項を見ることがあるかもしれません。

まとめ

私は、興味が色々なところに移りやすいタイプの人間です。川島さんのお話を伺って、興味や好きなことを追いかけていくことで大好きな仕事にたどりつけると知れてワクワクしました。

また、自分自身を振り返るとか、チームに貢献するということはあまり意識したことがないので今日から「自分振り返りノート」をつけます。今日の分は書いたので3日坊主にならないようにします(笑)。

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