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意外と厳しい讃岐の一面

香川県には以前に一度来たことがあり、広がる平野、緩やかな山地、明るさを感じる気候など、穏やかな陽のイメージを持っていました。2度目の訪問でその印象は少し変わりました。
香川では北海道から引っ越した写真家Tさん宅にお世話になります。今回、四国から北上するプランを決めた理由の一つはTさんが歓迎してくれたからでもあるからです。Tさんは理知的な写真作品で北海道ではよく知られる作家で、Tさんとの写真談義も楽しみにしていました。

真紀は初めての四国、香川に来たならばまずはうどんでしょ!ということで讃岐うどん食べに連れて行ってもらいました。腰のある麺と出汁の効いた汁。入門編というところのお店のようですが、いやぁさすが。

好ましい佇まい

Tさんの案内で阿讃山脈の中に登って行きます。車一台通れるかというような農道のような山道をクネクネと進みます。棚田もできる場所もなくなりそうな谷あいになったところで目的地。そこは陶の立体作家の及川ミノルさんの自宅兼アトリエです。古民家を改装してここに住んで10年とか。
陶と言っても器ではなく等身大の人物像を作っている作家で、札幌でも展示をしているそうです。


そのアトリエの中にお邪魔すると。

等身大の人物像が迎えてくれました。これは実は陶なんです。陶の等身大は分割しているとはいえ、驚きです。
しかもまるでギャラリーのように置いてあって展示空間のようです。陶の制作をしているとは信じられないくらいきれいなアトリエなのです。
ご本人の様子やお話を聞いてもとてもまめできっちりしてて、私なんぞとても真似できないと思いました!

そのあと大窪寺に行きました。ここはお遍路の最終地とかでなかなか立派なところです。

Tさんのおすすめでここの奥の院へ行くことにしました。
以前(2002年ごろ)企画していた四畳半ギャラリーの名前が奥の院だったのでなんとなく親しみがあります。そんなのどかなことを思いながら登り始めました。
かなり急な階段です。蹴上が高く膝をかなり上げて登る感じです。斜度としては45度くらいの感覚。どこで坂道になるのかなと思ったら、ずっとそんな感じ。
階段も山肌削るというより岩場を削った感じ。

一休み

半分来たかな〜と思ったらまだ1/3位だったりで、段々無口になって登って行きます。なんと言ってもほとんど階段なのです。なんの修行ですかというくらい膝が笑います。
途中の展望広場で一休み。

こんだけ登って半分過ぎたくらい。
黙々と登り続けます。Tさんは私よりもだいぶ歳上なのですが、ペースを落とすことなく登って行きます。すごい。
息を切らして登り切って少し下ったところに奥の院がありました。

小さな社殿があるのかと思ったら、割と粗末な覆い堂があって、熊野のような岩窟的な祠がありその脇には民間信仰か原始宗教の祈祷所のような祠がありました。その背後には覆いかぶさるような岩壁が立っています。ここは空海(弘法大師)が修行した場所と伝えられる聖地なのです。その時の厳しい空気感を残すように整備することなく保っているように感じました。
大窪寺の後背のように聳え立つ女体山の絶壁も険しく、優美な讃岐平野の趣とは異なる厳しさは、讃岐や四国の気風と結びついているような気がしました。



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