今更、映画「無伴奏」をみた。(一応ネタバレ)

学生運動の時代の二人の女子高生と二人暮らしの大学生男子の話。

青春は恋と革命。そんな時代の、そんな季節の、青臭く幼い燻り。
訳も分からず全てに向かってひりひりしていた少女の心が、恋をして個人的な革命に向かう。

個人的な革命って、個人的なくせに大袈裟。でも、個人的なことはとてもロマンチックだ。

青春の権化のような男の子たちは、自分たちのとてもとても個人的な愛情や自己憐憫にめちゃくちゃに女の子たちを巻き込んで、自分も人も傷付けて、取り返しのつかないどん詰まりまで向かう。現実ではここまでのどん詰まりまで行くことはなかなかないけれど、青春のただ中の幼く無知で純粋な心はしばしばそういう罪と罰を犯す。

そして、自分のみっともなさも、人を好きになる喜びや悲しみも、あらゆることへの割り切れなさも、青春は少女に教え、通り過ぎ、少女を大人にする。

ウエストサイドストーリー、チェーホフのはつ恋、ロミオとジュリエットを彷彿とさせる、人生のある季節のお話。

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