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ジャンル:音楽

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クラシックからロックまで、音楽についてのレビューや紹介です。
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記事一覧

夫婦で紡ぐ音楽 -映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』の美しさ

私たちは普段、映画をフィクションと思って楽しんでいます。しかし、ドキュメンタリーでな…

異郷は力をくれる -ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』について

【金曜日は音楽の日】 新しい場所で、新しく何かを始めること。それは、作品に力を与えて…

魔力に浸る音楽 -名盤『レッド・ツェッペリンⅣ』の凄み

【金曜日は音楽の日】 ここではない、遠い場所からの力を感じること、それは音楽の醍醐味…

言葉をきらめかせる -ボブ・ディランの詩と音楽

私たちは文学と音楽を切り離して考えています。しかし、本来はこの二つは結構混ざっていたもの…

山の音楽の魅惑 -ブルックナー『交響曲第5番』について

【金曜日は音楽の日】 ブルックナーは、クラシックの中でも、不思議な立ち位置にいる作…

森の吟遊詩人たち -3人の美声ブリティッシュ・トラッド歌手

【金曜日は音楽の日】 私は時折、『ドラゴンクエスト』の影響はゲームだけでなく、ある種の心…

みんなの喜びで色づく音楽 -ハイドンの交響曲『時計』

【金曜日は音楽の日】 新しい場所でチャレンジすることは、新しい力を与えてくれます。 同じことを継続することは素晴らしいことだけど、環境を変えることで、今までになかった隠れていた面が出て、新鮮な作品になったりします。ハイドンの交響曲101番『時計』は、そんな作品の一つです。 ハイドンは、「交響曲の父」と呼ばれ、生涯に104曲の交響曲を残しています。モーツァルトは41曲、ベートーヴェンが9曲と考えれば、すごさが分かります。その中でも有名なのは、後期の交響曲101番、通称『時

魂が燃えて輝く -ライブ音楽名盤5選

音楽の魅力の一つに、ライブ演奏があります。勿論、録音スタジオで緻密に仕上げられた録音作…

灰色の朝に祈る -ジェズアルドの宗教音楽

以前、「人を殺したことのある大芸術家」として、画家カラヴァッジョを取り上げました。もう一…

陽光の中の回想 -モーツァルト『ピアノ協奏曲27番』の美しさ

よく、自分の葬式で流してほしい曲、というアンケートがあります。私の場合何かと考えると、ロ…

夜更けのロック名盤5選

以前、ジャズの名盤を、夜と昼に分けて紹介しました。歴史と関係なく主観的な選択でしたが、好…

明るく澄んだ舞踊曲 -ブラームス交響曲第2番の美しさ

音楽は目に見えないものだけど、強烈な雰囲気と力をもっていて、まるで色がついているかのよう…

夜風と流れ星が奏でる歌 -プッチーニの魅力【エッセイ#58】

『蝶々夫人』や、『トスカ』といったオペラで有名なプッチーニは、最もロマンチックな夜を描写…

アイロニーは世界を広げる -名盤『セイル・アウェイ』の面白さ【エッセイ#55】

アイロニー、皮肉というものは、非常に使い方が難しいものです。ちくちくと悪意を込めつつ、裏の意図も、相手に読み取らせないといけない。そして、世の中冗談が分かる人ばかりではないので、誤解ならまだしも、怒りを招く場合だってある。現在なら尚更、扱いを間違うと大変なことになります。 しかし、それは決してなくなっていいものでもない。私たちに知性と、幅広い見方を与えてくれます。 シンガー・ソングライターのランディ=ニューマンはそうしたアイロニーの使い手としてはロック界ではトップク