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I/O

何故か忙しい毎日

 今日は描きかけになっていたイラストを開いてみました。
 するとイラストがこんなことを言ってる気がするのです。
「まだ描けるでしょ?」
 一からやり直しと思っていたのですが、作品がそう言うんじゃ仕方ありません。あれこれやっているうちにたしかにイケそうな感じがしてきました。そうなると俄然やる気が出てきます。
 ボクが手描きでなくデジタルをやってるのは「やり直しが可能」だからです。
 以前だったら、スケッチブックなんてあっという間に「らくがき帳」化してました。勿体ないと言う意識はあるので裏も表もありません。もう白い隙間を見つけると描くし、裏の絵が透けて見えていればトレースしてみたりもします。
「本番は一体いつなの?」と自分でもわからない状態。
 それでもスケッチブックはまだいい方です。油絵なんか描こうものなら延々描き続け、描いていた絵も段々変わっていきます。

 イラストの制作は、ほぼAdobe Illustratorですが、noteを始めてからPhotoshopElementsを併用してます。ストックフォトやクラウドソーシングなどの仕事はできる限りシンプルにデータを仕上げます。noteは審査とか制約がないので今まであまりやって来なかった冒険が出来るのです。
 お客さまからの要望が優先ではなく制作者の意図が優先出来るので自由度が高いからです。

 以前、勤めていた頃にも何度か言われていたのです。
「芸術作品じゃないんだから簡単でいいよ。」
 ボクはこの言葉が嫌いでした。ボクにしてみれば必要最低限のことをやっているのに過剰だと言う判断です。しかも「簡単でいい」って言う意味が解りません。シンプルに仕上げることこそが難しいのです。

 noteではそのリミッターを解除することが出来ます。過剰かどうか判断するのは自分自身です。熱が入るのも無理はありません。何度でも何度でもやり直し、イメージに近づけて行くことが出来ます。やがて描きかけになっていたイラストもやっと納得出来る感じになったので公開。
 既にヘトヘトです。

 ところが、今度は桜の花が気になります。
 もう散り始めたと言う話も聞こえてきます。幸い天候は晴れ時々薄曇り。桜の花の撮影には最高のコンディションです。
 近所の撮影なら自転車の方が小回りが利くのでデイパックを背負い、肩からカメラバッグを下げて撮影に出かけました。近所の桜は先日少し撮ったので小高い山へ出かけました。桜まつりの会場にもなっています。
 桜の花はちょうど良い咲き加減でした。ウグイスなどの鳥の声が聴こえて、風にも甘い花の薫りが混じっています。

 桜の花の写真を撮る時に気に入っているのは日中シンクロと言う手法です。
 現在、OLYMPUS E-620にOMアダプターMF-1を使用し、フィルムカメラで使用していたマクロ用のレンズを装着しています。ストロボはカメラ内蔵のストロボだけなので近距離や補助光程度にしか使えません。ところが日中シンクロで使用するにはいい感じなのです。

少し加工してありますが、作品はこんな感じになります。
【桜 2014.04.22】

 イメージとしては太陽光線の状態とカメラの内蔵ストロボの明るさがほぼ均一になる状態です。こうすると暗くなりがちな花の中央部が浮き立って明瞭に撮影出来るようになります。しかも、マニュアルレンズなのでピントは手動。狙いは桜の花の中央。めしべの先端です。ググっと寄って息を止め、風の動きを読みながらシャッターチャンスを待ちます。
…まぁ、何度かは失敗します。露出もマニュアルなので勘が間違っていたり、風で揺れてブレていたり、ピンぼけだったり…。でもありがたいことにデジタルなので現場で確認して削除!削除!削除!
 めしべの先端にピントがばっちりでおしべの花粉の粒まで解るくらいに撮れると「良しっ!」となります。コツが掴めてくれば、あとは枝振りとか花のつき方とか、太陽光線の具合とか…刻々と時間が過ぎるので一度撮影した桜の花も陽射しが変われば違った表情を見せます。結果、露出も変わるので日が陰る近くまで繰り返し繰り返し撮影することが出来ます。
 そしてボクはまたヘトヘトに…。

 けれど、イラストにしても写真にしても充実感の残る心地よい疲労感です。誰も止めることはないので納得行くまで作品を追求出来ます。そしてnoteで公開することができる。InputとOutputの流れがとても良いのです。

 熱がなかなか冷めないのは当然ですね。

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