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逃亡者

自分の興味が
外に向かって走っているならば
制作の感性は熟成しない。
外とは 他の人のことだ

なぜなら
制作ではなく
批評に時間を費やすからだ。

人のことを 論(あげつら)っているだけなのに
自分の使命を果たしているかのように
愚かな錯覚を始める。
そんな馬鹿に
どんな制作が出来るというのだろうか。

絵画は
自分の内なるものの
探求であるはずなのに。

自分の欲望で一番に望むものが
深い闇の
どろどろしたもので
とにかく発散したい
一瞬の快楽
というようなものならば

豊かで
美しく
静寂が得られるような絵は
産まれ得ないだろう。

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しかし、この二つに
今の自分が合致しているとすれば
リトマス試験紙の色変化のごとく
明快な事実が判明する。

つまり
自分が 今 逃亡者であることだ。
自分が なすべきこと
自分の大切なものから
言い訳や置かれた状況のせいにして
逃げている
ということだ。

2007年6月5日 poem貴方への葉書に記述

独学の画家 香本博(コウモトヒロシ)です。北海道から沖縄まで約130回の個展を開催してきました。より多くの方に見て知っていただけるよう、絵本出版なども考えています。応援よろしくお願いします。