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My Strawberry Fields

今朝、従兄から電話。
なんでも、ハワイ生まれの祖母の生家であるホテルが、
来月、取り壊されてしまうのだと言う。

考えればオーナーも曽祖父から変わってるし、
100年以上も経っているのだから、
取り壊しもやむをえなし、とは思うのだけれど、
何となく胸の中に、ぽかんと大きな穴が開いてしまったような・・・

そんな気分。

幼い頃からの夢だった。
どこまでも広大なさとうきび畑の話や、
盛大なヒナ・パーティーの話や揺れるブーゲンビリアや、
メイドに盗られてしまったエメラルドのブローチの話とか。

そんな、夢物語のような話を聞きながら、
いつかおばあちゃんの生まれた家に行ってみたい、
おばあちゃんの手を引いて行くんだ!と、そう決めていた。


だが、結局、行ったことはない。

今となっては行きたいかどうかもわからない。
ただ、それは遠い場所にあって、
常に手の届かない憧憬の場所でありつづけていた。


上手く言えないけれど・・・祖母が
いつか、あなたを連れて行ってあげたいわ、と言ったその場所は、
多分、現実には無かった場所なのではないかと思うんだ。


ちょうど、ジョン・レノンが「Strawberry Fields Forever」の中の、
彼が行きたいと言った苺畑が、現実の孤児院の中の庭ではなく、
彼の心の中にあるストロベリー・フィールズで、
nothing is realな場所であったのと同じように、
祖母が私を連れて行ってやりたいと言ったその場所は多分、
彼女の「夢」の中なの、一番美しい風景ではなかったのかと思うの。
https://www.youtube.com/watch?v=HtUH9z_Oey8


確かに、その場所がなくなるのは、何となく物悲しい。

でも、目を閉じれば祖母と二人、
どこまで続く青い空と、果てしなく緑の波が広がるその場所に、
いつでも、手を繋いで行く事ができるのである。