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今観える世界を。

緑内障の診断が出た。
もはや、失われた視界は戻らない。あとは眼圧を下げる治療をしつつ、どこまでこの視界を守るかということになる。
平均では失明まで20-30年と言う。あくまで平均の話だ。ちょうど今日お会いした方の知り合いは、50代前半で緑内障の治療が遅く、片目がほぼ失明してるという。それでも仕事は出来ている。人間には五感がある。
僕は画家だ。目が見えなくなることは致命的。教えることも出来なくなるだろう。それでも、かつてモネが最後まで絵を描き続けたように、視界だけではなく、命そのものをぶつけながら、描き続け、教え続けることはできるはずだ。
子供の成人まで、どれほどの視界が残っているかはわからない。それでも、今を生きる。この瞬間、見える世界を愛おしむ。
見上げた空が美しすぎて、涙がでた。そう、忘れない景色がある。大切なものは、今ここにある。

感情で、今を疎かにすることなかれ。
禅の教えで、こういう例えがある。

ある仙人が子供に説いた。
誰しも二つの虎が戦っている。
「善」(慈しみ、思いやり、優しさなど)の心を持った虎と、「悪」(嫉妬、妬み、絶望、ネガティブ)の心を持った虎だ。
子供は聞く。「どちらが勝つの?」
仙人は答える。「餌をやったほうだよ」。

僕は、餌を与える方を、しっかりと見極める。

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