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幸運の毛

今朝、リビングに向かうと、息子の左顔にあざのような血がついていた。妻に聞くと、鼻血を自分で顔につけて得意げになってるらしい。
僕がウェットテッシュで拭き取ると、息子は大激怒!床で地団駄踏んで泣き出した。「せっかく鼻血つけたのに!」と。めんどくさいこと極まりない。

そこで息子にこんな話をした。
ーー
パパが中学生の時にね。ほっぺたから一本の毛が生えてきたんだ。それはどんどん長くなった。おばあちゃんは「それは幸運の毛だ」と言ってたよ。良いことがあるんだって。だからパパはそのままにして、大事にしてたんだ。
ある日、パパの友達がね、その毛をみて「ねぇ、なんかついてるよ」って言って、ブチって引き抜いたんだよ。パパはショックでね。友達に怒った。なんてことをしてくれたんだって。そして口を聞かなかった。1日だけだけどね。
あれから30年経つけど、パパはそのことを今も後悔してるんだよ。 
ねぇ、君が鼻血をつけてるのと同じことだと思わないかい?
ーーーー
息子は全然納得しなかった(笑)。そりゃそうだろう。パパあっちいけ!とまで言われた。
妻だけが横で爆笑していた。

そんな朝だ。
実にめんどくさい息子である。そして僕の血をひいている。

おしまい。

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