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洗練さ、繊細さ、そして、本質的なもの。

読書は、自分の人生に欠かせないもの、と俺は思っているから、常に本は読んでいる。本は人の心を豊かにすると思う。

俺自身も作家として、書籍を出したわけだが、

人間はどうしても「類は友〜」の法則通り、自然と同業種の人間同士集まる。故に、俺の友人にも「作家」という肩書きの人間は多い。しかし多くが“スピリチュアル”や“自己啓発”の部類に入るので、実用書、テキスト的な書籍が多い。

お世話になっている人の書籍は、応援も兼ねて目を通すことも多いが、残念ながら、それほど「おもしろい!」という気持ちでは読めない。勘違いしないで欲しいのだが、これはその本の情報が「良い・悪い」「面白くない」ではなくて、俺自身がその手の本は散々読み飽きたものだから、目新しさがないので、どうしても夢中になって読むことはできないのだ。そもそも、この手の書籍で人気になる本は「初心者向け」なので、今の俺には必要ないのだ。

さて、そんな中で、ちょっと一風変わった本を見つけた。

「奥平亜美衣」さんと言えば、スピリチュアルメソッドの、いわば「ど真ん中」の人気コンテンツである「引き寄せの法則」の、5、6年前からのブームを第一人者だ。多少なりともスピリチュアル関連の情報を知っていれば、彼女の名前を知らない人はいないだろう。

もちろん、俺も昔は彼女の「引き寄せ法則」関連の書籍を読み、色々と学ばなせてもらった。しかし、今は上記した通り、俺はその手の書籍を読むことはなくなった(スピリチュアル関連の書籍は読むが、もっと源流に近いものを好んで読み、学ぶ)。

共通の知人が多いので、奥平さんとの面識は何度かある。(本郷綜海さんの紹介で知り合った)。とても素敵な女性だ。こう言っては失礼になるかもしれないが、とても女性らしいのに、どこか「男っぷりが良い」というか、気っ風がいい印象がある。

さて、昨年末だ。俺も嫁さんも、とにもかくにも「本好き夫婦」なので、頻繁に書店には行く。そこで嫁さんが、奥平亜美衣さんが11月に出版した「探し物はすぐそこに」を立ち読みして「これは面白い!」と言い、すぐに購入。本全般、特にスピリチュアル系にはうるさい嫁さんが褒めるなんてよっぽどのことだ(笑)そして、その後俺も読んだが、本当に素晴らしい本だった!

俺はもともと「小説家」を目指していた。だから小説が大好きで、散々読んで、そして、自身でも書いていた。だから、実は文芸にはうるさい。文章にもこだわりがある。

音楽もそうで、自分の専門分野だから、どうしてもこちらが「受け手」としても、「クオリティ」に対する基準や水準ってある。いちリスナーとして、いち読者として。

亜美衣さんの「探し物はすぐそこに」は、小説として、文章は美しく、ストーリーの運びや、流れ、リズム、描写、どれもよかった。きっと、彼女自身、色んな本を読んできたのだろうなと想像がつく。

終わり方も、俺好みだった。物語によっては「完全完結」的に締めくくるタイプもあるが、俺は、あれくらいのテイストが好きだ。

驚くべきは、彼女の普段から伝えている「引き寄せ」や「スピリチュアル」のエッセンスが、ふんだんに散りばめられているにも関わらず、テンポのよい文章とともに(これが俺には一番重要だ)、ストーリーの中で進行されていくのが、なんとも心地よい。まったく押し付けがましくなく、自然な形で綴られている。

これ以上はネタバレになるので書かないが、ぜひお勧めしたい一冊です。スピリチュアル系作家・ブロガーから、一線を飛び出た作品です。正直、嫉妬と羨望を感じました(笑)

さて、これまでで本の良さは十分伝わると思うのが、ここからは、ちょっと個人的な話をさせていただく。

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