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「人間観察」 身体というエンターテイメント

人間を観察するのは面白い。そして「人間こそがエンターテイメント」だと、前回のこの記事で書いた。

オレは昔から『人間観察』が好きだ。もちろん、創作活動をしたり、人の「心」を扱うような仕事もしているので、その観察はある意味“仕事の一部”とも言えるが、子供の頃から好きだったのだ。だから、子供の頃から好きだったものが、そのまま大人になって役立っているということだ。

「人間は人間を観るのが1番面白い」と、ディヴィッド・バーンが「アメリカンユートピア」で語っていた通り、人間はとかく面白い。

もちろん、特異な人、奇異な人、良かれ悪かれ特徴的な人は面白いのは間違いないが、一見なんでもない、普通の(何を持って普通とするか…)人でも、よくよく観察してると面白いものだ。

電車やら待ち合わせ場所や喫煙所なんかにいると、じっとしている人がたくさんいる。人は動いてなくても、その立ち姿、表情、何気ない振る舞いや動作など、どれもこれも、見ていて飽きない。

試しにあなたも人の多いところでサングラスでもして、じっと人を見てみるといい。オレもよく電車の中でやったが、一人の人間をじっと観察しているだけで、とても興味深く面白い。じっとしているようで、人間一人を見てるだけでツッコミどころ満載なのである。

(しかし、その行為自体はかなり怪しいし、下手すりゃあ犯罪もんだから、男は、他人の若い女性を観察しない方がいいだろうw)

その人の行動や声、言葉となるとさらに面白味があるけど、そうでなくても“人の身体”というものが本当に面白いと思う。顔はもちろん十人十色なのは周知の事実だろうが、実は身体も同じように、色んな身体がある。

背丈、肩幅、腰の位置、背中の角度、首の位置、胸板、胸元、二の腕、肘から下の長さ、手の形や大きさ、お腹、ウエスト、お尻、太もも、脛、足。

人相もあれば、『体相』もあり、体つきに、その“人となり”が現れている。

温泉や銭湯などで、裸を観るとこれまた面白い。尻の形や、ちん〇の形や皮の被り具合や色合いなど、普段見れない部分までよく見える(無論、そんなもの見たくもないのだが)。

もちろん、女性も、衣服を脱いで裸になってみると、実にこれ人それぞれな…。

いや、その話はまたいずれ詳しく語ろう(笑)

とにかく、体のいうもののは実によくできているものだ。
裸体でなくとも、街ゆく人の体を眺めていると、その機能性と、構造美に目を見張る。その美しさと、そして同時に喜劇とも悲劇とも取れる珍妙さに、時に驚愕する。

もちろんその内部の見えない部分に、生命機能を司るシステムがある。内臓、神経、血液、リンパ液、免疫、筋肉、骨、髄、腱…。

どんな美女の中にも、腸の中にはクソがあり、胃の中には胃液と共に、食べたものがドロドロに溶けて入っていて、膀胱には尿がある。それを体の外に出すと、ゲロだのクソだのになるが、内にある分は誰も気にならないから面白いものである。

そんな不可思議な人間の身体が作る「動作」というのも実に面白い。

さっと他者を観察できる動きとして「歩く」という行為は、最も身近かもしれない。街中でぼうっとしていたり、都会のカフェのテラス席でも、スーパーの中でも、イオンとかそういうショッピングモールでもいい。実に自分以外のたくさんの人が歩いているだろう。

そこを観察するのだ。

実にいろんな歩き方がある。O脚、内股、ガニ股、猫背、小股、大股。ヨタヨタ。ひょこひょこ。こそこそ。そろりそろり。つかつか。ガシガシ。どっしり。しっとり。しとやか。たおやか…。いろんな描写ができるし、歩き方でその人の人間性が表現されている。

東洋思想に、歩き方について、いくつか分類されているので紹介しておこう。

雀行(じゃっこう)

・雀のようにひょいひょいと跳ねるように歩く。かかとが浮いているような感じ。決断力に欠け、才能があっても、それを発揮する知恵に欠ける。

蛇行(だこう)

・蛇が這うように、腰に力が入っていなくて、左右に揺れているような感じ。善良そうに見えても油断のできないところのある人間。

鵞行(がこう)

・鵞鳥(がちょう)、つまりアヒルの足のように、ヨタヨタぺたぺたと歩く。孤独で卑しい人物と言われる。

孤行(ここう)

・早足で前後左右に気を配る。人を陥れ、盗みを働くと言われる。

狼行(ろうこう)

・歩いては立ち止まり、周りを見渡す。ひねくれたタイプ。

などなど、それぞれに、人格的な内容まで書かれている。しかもかなり辛辣だ(笑)

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