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超能力③

私、“長篠麻也”と安岡美月はふとしたきっかけで親密な関係になり、付き合う事になってもう一年…私達は三年生になった。校内では私達の仲を知っていて、公認カップルとして認識されている。
そして私達には誰にも言えない秘密がある。それは…

“私と美月は超能力という力を使える能力者である”

ということなのだ。私達だけではない、私と美月の一家全員能力者一族だったりするのだが、それはさておき、三年生…いや校内最大イベントの“修学旅行”を控えている。休み時間の教室は修学旅行の話しで盛り上がっている。
ちなみに場所は…“ハワイ”だ!

『美月、自由行動日はどうする?』
『うーん…そうだなぁ、ハワイって言ったらアラモアナショッピングセンターだよね。免税店で色々安いからブランド品とか買いたいな。麻也はやっぱりスポーツ用品?麻也はアクティブ路線だしね。』
『いいの!私はハワイ限定のスニーカーがあるって聞いた事があるよ。だからそれが一番の目的かな。』
『あとはやっぱりさ…ハワイって言ったらさ海だよね!海で泳ぎたいな、勿論麻也と二人っきりで。』
『美月ったら大胆なんだから…じゃあさ、放課後、駅前のモールで買い物しようよ。』

峯岡台ショッピングモール…去年、私達が経験した大惨事、ショッピングモールビル火災に遭遇したあの建物だ。あの火災がきっかけで私達は付き合う事なった訳なのだが、一年経った今は火事の面影はすっかりない。初日にアクシデントを起こしたモールは返ってそれがネットで有名になってしまい、賑やかになっている。

放課後、私達はモールに入った。いつ来てもここは良い意味でも悪い意味でも印象的な場所だ。
私達はエレベーター18階に向かう…外の眺めは相変わらずな風景を見せてくれるのだがあの時の事を考えると少し複雑な気分になる。
18階はシーズンに合わせた店が並ぶ専門エリアでアウトドア系の店が多いし、火事で焼失した9階を改装し室内プール場にしたせいもあるのだが、オールシーズン水着を売っているのだ。

『また麻也は…全く。センスないなぁ。いい?ハワイってさ海に囲まれたところだから海で…とかハプニングとかあるかもしれないからさ、少し自分をもっとアピールしてグイグイと攻めた方が良いってば!』
『そうなんだけど…やっぱり控えめ路線でも良いかって。大胆なものは恥ずかしいよ…』

とまあ…こんなやりとりを美月としながらショッピングを楽しんだのだ。美月がグイグイと推してくるので水着は…ビキニだ。

さて待ちに待った修学旅行当日がやってきた。空港には現地集合というのもあって私は旭ヶ丘駅に向かった。美月とはここで合流する事になっているのだが、旭ヶ丘は複数の路線が交わる駅で旭ヶ丘から乗り換えて空港に向かう。飛行機は夜中に飛ぶので夕方が集合時間になる。夜中に飛んで、ハワイには時差の関係で朝方に到着する。つまり飛行機の中で一泊する事になる訳だ。

一時間程電車に乗ると空港ターミナル駅に着き、美月は手慣れた感じで私の手を握り引っ張る…美月の手は強く私の腕を掴んでいる。多分意識していて握っているのだ、いう感じが私の腕にも伝わっているのがわかる。空港には18時過ぎにに着いた。空港という場所は多種多様の人々が集まるので日本人だけでなく外国の人が沢山いる。そんな中で空港内は賑やかだったりする…

『お客様に連絡致します…22時発、ホノルル空港行きの搭乗手続きを開始致します、ゲート前にお集まりください…』

と、放送が入る。

『麻也、ゲート前に行くよ。荷物の検査をして飛行機の中に入るんだよ。あ、そうそう!麻也、例の物は持って来た?アレは機内に持ち込むから出しておいてね。』

私のSwitchはスプラトゥーン!

例の物…“ニンテンドースイッチ”だ。私達は意外とゲームが好きだったりする。ただ腕前は圧倒的に美月の方が上手い。

手荷物検査という手続きと言うのは凄く緊張する…引っかかってしまったらどうしよう、私…日本から出れない?とか色々考えてしまう。…のだが特に何もなく終了した。

『美月ってさ、海外とか良く行くの?』
『うん、ハワイは初めてだけどよく出かけてた。私のお父さん、貿易関係の仕事とかしてるから付き添いでね。』

道理で…しかもお金持ちのお嬢様だったんだ!私達は決められたシートに座る。窓側の列で私が窓側、美月が通路側だ。

“当機はまもなく離陸します。座席のシートベルトを着けて下さい”

と、機内放送が入る。カチャとシートベルトを締めた。その時ゆっくりと飛行機が動き出した。ライブ映像が前のモニターに映し出される。ゆっくり…ゆっくりて動き出してピタっと止まった瞬間、後ろの方からゴォーっと音がしだしたかと思うと、機体は急に加速する…どんどんスピードが上がり、機体がフワっと上がる!最初に言ったが私は飛行機初搭乗だ。心拍も上がってきているのがわかる。

『麻也、落ち着いて…大丈夫、大丈夫…』

美月は隣で私の手を握り、声をかける。機体の揺れが落ち着いたようだ。美月はクスっと笑い…

『麻也って海外とか初めてだったよね。麻也さ、髪の毛が乱れて逆立ってるよ。』

小声で美月が言う。

『あはは…ごめんね、美月。実はそうなんだよね…でも美月、下、下…』

美月はハッと我に返り足元を見ると下着が落ちており、しかも背中、ブラのホックが外れている。美月は座りながらモゾモゾと下着を直していた。ブラは私が背中から手を入れて直していた。

『びっくりした…全然気が付かなかったよ。私も初めて飛行機に乗った時もそうだった。極度の緊張や出来事が突発的に起きると力が制御できなくなるんだよ。私もよくやったなー。』

美月はそっと手を繋いだ。私は内心嬉しかった。去年のモールの火事も制御不可な力が発散したんだ、今と同じような、潜在能力?なのか。
それは置いといて、機内ではCAの人がカートを押しながら食事を配っている。“機内食”というやつで和洋どちらかを選べる。私は気分がすっかり良くなったので機内食も美味しく食べれたのだ。時々機体がグラッと揺れたのは流石に怖かったのだが隣で美月がギュッと手を握ってくれていた。

『乗客の皆様にお伝え申し上げます、当機はまもなく日付変更線上空を通過致します…』

日本とハワイのホノルルとは19時間の時間がある訳だから日付変更線を超えた時点で日本の前日に戻る。まるでタイムスリップしたみたいな感覚になる。隣の美月は私に寄り添いながら寝ている…私も睡魔に襲われて深い眠りに誘われたのだった…

ふと美月の寝息と周りの小声に目が覚めた私はふと窓の外を見た。空は澄み渡り、太陽が煌々と照らしていて雲が下に連なっている。中央のモニターでは日付変更線とハワイの中間地点を指している。隣では美月がスウスウと寝息を立てながら眠っている…相変わらず可愛な、美月って。私は美月の唇にキスをした。

“大好きだよ美月…”

一瞬美月の身体がピクっと動いたは気のせいかも。
さてそんな中…

『当機はまもなくホノルル国際空港に着陸します…乗客の皆様はシートベルトを着用してください。』

段々と高度が下がっているらしく少し揺れ出したが、あまり気にならない感じでモニターには滑走路が映し出されていて近くに迫ってきている。ゴウンと音と共に飛行機は地面に接地した。私達は日本を離れて外国に来たんだ!

ハワイの様子!

ハワイの様子は賑やか!空も雲一つない快晴!日本とは全然違う。空港で先生からの話があった後、バスに乗り空港からバスで大体30分くらいのところにお世話になる“ヒルトンワイキキビーチホテル”だ。ヒルトンという単語は日本でも聞いたことがあるが、私のイメージでは豪華で特別な感じしかないので気分はMAXだったりする。

ヒルトンワイキキビーチホテル!派手で目立つ。
ホテルエントランス!綺麗だった…
客室内。スイートか、ってくらい広かった!

私達の部屋は運が良い事に高層階にあって外が見渡せる展望タイプの部屋で広くて実はスイートなのではないかって思うくらい。女の子二人で泊まるのには勿体ないくらい。私達は荷物を乱暴に置いて窓間際に駆け寄った。ワイキキのビーチが一望できる。開放的な気分だ。そんな神秘的な時間に浸っていたところ、制服のスカートがズルっと落ちた。美月だ!

『美月!折角ハワイの景気を堪能していたのに!』
『ごめんね…だってさ、麻也ったら全然私のこと構ってくれないから。麻也の下着…可愛いよ。』

私は恥ずかしくなってしまった。

『麻也、久しぶりに…する?』

美月は構えた。私も受けてたつ。
部屋の周りがカタカタと音を立てだす。私達の真ん中で念が溜まり始める…指をくいっと動かした瞬間、二人のスカートがズルっと下がった…と、同時に履いていた下着も。私は水色、美月は相変わらず…黒だ。と微かではあるが下の部屋から悲鳴が聴こえてきた。

“きゃーっ!なんでまた?”

あ…しまった…
またやっちゃった。私達の下の部屋は担任の安西先生の部屋だったのか!

『美月の力…何か強くなってない?』
『麻也だって!』

私達の力がこんなに?私達は呆気に取られていたが、肝心な事を忘れていた。二人共“下半身は裸”だという事を。いそいそと二人で服を着たのだった。美月の身体、綺麗だったな…さすがお嬢様だけあるよ。

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