見出し画像

PUSH UP!伝統芸能 ▷ 奄美のシマ唄の実力派唄者が挑んだ革命的CD "Amamism"

去る2022年6月19日、鹿児島県は奄美大島で、奄美シマ唄の唄者(うたしゃ)が決死の挑戦に挑みました。

唄者の名前は前山慎吾さん。シマ唄をこよなく愛し、シマ唄の未来にまっすぐな想いを抱く熱いひとです。

彼の発言からも唄からも、伝統的なシマ唄を心底敬愛し、先達が歌い継いできた唄をずっと歌い継ぎたいという想いがヒシヒシと伝わってきます。でも、趣味趣向も情報源も、メディアやツールも多様な今の時代、歌い継ぎ方だけ変わらないのはリスクにもなる。そんな危機感が彼を突き動かしたのだと思います。

彼が選んだ今の時代に合わせた歌い継ぎ方は、言わば、シマ唄に込められた心情や風景への彩色。でもギトギトのフルカラーではありません。いまを生きる人たちの目に、モノクロでも見慣れたフルカラーでもなく、モノクロの微妙なグラデーションや黒の深さも伝わるよう、緊張感漂わせながら施された彩色、というと実に近いかもしれません。

タッグを組んだのはギタリストの渥美幸裕さん。邦楽2.0と銘打って、邦楽の現在進行形を探求している知見豊かなミュージシャンです。

もうひとり、名前を挙げておきたいのは、尺八の小濱明人さん。
前山さんのシマ唄への敬愛を受けとめリスペクトして、同じくらいの敬愛をもってシマ唄に寄り添いながら朗々と歌い、すーっと聴衆の心に沁み渡って揺さぶる演奏でした。

劇場の中では、果敢な挑戦への温かいエールと敬意に満ちて、たくさんの心が共鳴し震えていたのが分かりました。

同じ日、世に出たのがCD"Amamism"。シマ唄にどんな色彩がほどこされたか、しっとりじっくり伝わってくる作品です。聞き終わったあと、元のモノクロのグラデーションの豊かな彩りに改めてハッとさせられることでしょう。まさに意図どおりの演出です。

こちらから視聴&楽曲購入可能です。

CDはあえての奄美販売店リンクを…!


ARTiLでは今後も、伝統のチカラをクリエイティブに昇華させ、いまを生きる私たちに届けてくれる国内外のアーティストたちを、応援していきます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?