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Vol.30【ロンセスバージェス到着】スペイン巡礼おばさん奮闘記

「フランス人の道」スペイン側の起点である

ロンセスバージェス

ピレネー越えで疲れきった巡礼者達を癒してくれる最初の集落です。フランスとスペインの国境を過ぎて、Roldán(ロルダン)の泉を通り過ぎ1430mのレポエデール峠の高台からスペインの大地が広がっているのを見た時には、すごく興奮しました。頑張って重い荷物を背負ってここまでよく歩いて来たなぁ、と、自分を褒めてあげたくなりました。

山の花々も高山植物らしく咲いています。
町が遠くに見えています。
気持ちの良い山歩き
まだまだずっと見ていたい景色です。
前を歩く人の姿があまり視界から外れない程度に歩きます。
ROLDWの石碑
ルートの説明などもあります
林の中を抜ける道は気持ちが良かったです。
最後のdangerルートに行かないように所々の分岐点では、地図で自信がない場合は、次に歩いて来る人を待って「このルートでいいんだよね?」と確認をとりながら歩きます。おかげで黄色い矢印を見過ごす事なく右手の安全ルートを辿ってゴールのロンセスバージェスまで歩くことができました。
巡礼事務所は多くの巡礼者で溢れていました。

見えてきた修道院の裏手から巡礼事務所に入ります。すごく大きなアルベルゲがありました。やっと着きました。

ロンセスバージェス

ベッド数は217もあるそうで、ほとんどの巡礼者はここで宿の手配をしてもらっていました。私はスタンプだけ頂いて、ホテルの部屋に入ってシャワーを浴び、バルでビールをひっかけたら、教会のミサの時間(20:00)になりました。ルルドスでミサの静粛さに感動していたので、ここでも参加させていただきました。
スペイン語で執り行われるので、またルルドスのフランス語のミサとはちょっと違いました。でも綺麗な歌声は同じです。教会という建物の構造上なのか、歌声が本当にのびやかに響き渡ります。ここではこれからサンティアゴデコンポステーラまでの安全を願うための巡礼者向けのミサも行われます。

汝の隣人を愛せよ

の掛け声と共に、参列者同士がハグをしあったり、握手をしたりで、これから歩き出す巡礼者同士の絆を作ってくれるようで心暖まる気分になりました。

教会の中は正面のステンドグラスをはじめ柱の太さや飾りにもひとつひとつ意味があるとかで、最後に英語での説明もしてくださいました。
右と左で柱の太さが違います。
英語の説明書
地下の様子

私は、日本での情報収集が足りてなくて、ホテルを予約してしまっていました。アルベルゲの方がずっと安い(10分の1位)しそちらが良かったかな。でも、部屋の当たり外れがあるみたいで、オリソンで一緒だったドイツ婦人は、4人部屋であとの3人は男性でイビキがうるさくてほとんど眠れなかったと次の朝嘆いていたので、ホテルに1人部屋でよかったです。ピレネー越えで疲れ果てた上に、イビキの応酬だったら気が滅入ってしまいますよね

広いベッドに大の字で寝る贅沢
シャワールームもトイレも綺麗です。こちらのホテルには必ずビデが付いています。バスタブが無いのが残念。
鏡の位置が高すぎて、ほとんど頭のてっぺんしか見えません。
高窓には雨音が激しく落ちてきて、雨の強さを感じられます。今日は夕方から雨が降り出して、かろうじて降り出す前に到着しましたが、後から着いた人達は全身ずぶ濡れになっていてかわいそうでした。
朝食も軽い方を頼んだのですが、搾りたてのオレンジジュースがなんとも言えず美味しかったので、ピッチャー全部飲み干してしまいました。

贅沢と言われようが、このホテルで熟睡できたおかげで、ピレネー越えの疲れが癒えて本当に良かったです。筋肉痛もありません。不思議な事に日本であんなに心配していた膝痛はまだ全然出ていなくて、重いザックのせいでの腰痛が少しあるくらいです。

しかし、ちょっと心配なことがあります。オリソンのホテルの水シャワーのせいか、喉が痛くなってきました。咳も少し出ます。風邪をひいてしまったのでしょうか?熱や頭痛はありませんが。

翌朝はまだ雨が残っていて、ここからカミーノに向かう巡礼者は、雨具の装備で大変そうでした。
私は、といえば、最初の計画通りピレネー越えで一旦カミーノは中止して、ログローニョのワインボデカ(倉庫)の見学などを挟んで、本格的に114km歩く支点となるサリアへバスや電車で向かおうと思います。
植物オルレヤも日本と一緒
雨が多いせいか、緑や小花がどこも綺麗です。
バス停には、朝からビール瓶片手にほろ酔い気分の巡礼者がいました。
32歳のドイツ人のJohnです。
同じドイツ婦人とよく話していたので知り合いかと思ったら、昨日の宿で一緒になっただけだそうです。若いのになんでバスに乗るのか聞いてみましたが、私の英語が通じなかったのかスルーされました。
彼は、なぜか瞳の色を気にして確認してきます。同じバスだったアジア系の70代ご夫婦にも、「目の色を見せてくれ」と言っています。自分の瞳の色はグリーンで、この色は全世界で7%位しか居ないと自慢(?)してきます。瞳の色なんてほとんど気にしたことが無かったので、ちょっと
カルチャーショックでした。
Johnに撮ってもらったドイツ婦人とのツーショット。糸島110kmウォークのボランティアでいただいたTシャツ、
わかりますか?

9:20発のパンプローナ行きのバス

バス停でまた一緒になったドイツ婦人。名前は聞いたのですが、発音がちょっと難しくて覚えきれませんでした。

明るい彼女もあまり英語はできないようですが、擬音や身振り手振りでいろんな国の人に話しかけています。私が荷物をからおうとしていると「手伝ってあげる」と持ち上げようとして、「こんな重いの持って歩いちゃダメよ」と気にかけてくれました。彼女は荷物配送サービスをしっかり使っているので、昨日までのピレネー歩きの時は軽いザック一つで身軽に歩いていました。私がフラフラと荷物に揺られながら歩く姿を見て、後ろから来た人が心配そうに声をかけてくれます。皆さん優しい人ばかりです。

ここまでで、カミーノ第一弾は終了です。

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