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Vol.28【サンジャンピエドポー〜オリソン】スペイン巡礼おばさん奮闘記

11/06/2023

標高200mのサンジャンピエドポーを朝7:30に出発。まずは宿を出たところで右に行くか左に行くかでちょっと躊躇してしまいました。所々の分岐点でも、本当に間違っていないか?ガイド本や巡礼事務所で貰った

最新のルート地図の注意書き

がとても役に立ちます。

常に持ち歩いて、何度も確認してはバックにしまっては出しを繰り返したので、ヨレヨレ、ボロボロになってしまいました。写真と付き合わせて確認できるので、とてもわかりやすかったです。


自分の足で歩いてピレネー越えに向かう朝は気分も高まって少し興奮しています。私は山岳部を歩くナポレオンルートを選択。お天気が悪かったら無理をせず国道沿いのバルカルロスを経由するルートの方が安全らしいです。昨日のヨルは結構たくさん雨が降ったので心配しましたが、朝になるとすっかり雨も上がって絶好のカミーノ日和です。8km先のオリソンまでは、標高800mまで一気に登る事になります。

歩き出して5分ばかりの所で山に向かうか、国道沿いのに向かうかの目印の赤い屋根のお宅があります。世界各国からの巡礼者に配られる地図に載っているこのお宅はとっても有名でしょうね。お家が古くなってリフォームしたくても。壁や屋根の色を変えたりはできないかもと心配になりましたが、
バスク地方特有の白壁に赤い屋根ってのは条例かなんかで変更不可なのかもですね。
夜の雨で洗い流され、青空と緑がくっきりでとても気持ちの良い朝で、身体も軽いです。
最初に追い越されたこの自転車の二人組、フントからオリソンまでの急坂で相当苦労していました。だいぶ先を行っていたはずなのに、申し訳ないけれどオリソン手前で私が追い越してしまいました。

身体が軽いと書きましたが、決して荷物を減らしたわけではありません。本当は韓国のスーツケース女子の様に、大きな重いザックは

荷物配送サービス

を利用しようと思っていました。前日の夜に宿のオスピタレイロにいざ配送サービスの場所を聞こうとしていたまさにその時に、フランス人の🇫🇷巡礼おばさんがオスピタレイロに話しかけました。

フランス語はいっさいわかりません。でも、雰囲気で、どんな話をしているのかは大体察する事ができます。どうも、重い荷物を持たずに巡礼する人が多過ぎる!みたいな会話だと思います。

で、結局場所を教えてもらう勇気が出ず朝を迎えてしまいました。(泣)
日本を離れてまだ数日なので、気配を察する、空気を読むみたいな情けない感情を捨て去る事ができませんでした。

仕方なく、総重量8kg〜9kgにもなる重いザックをからってサンジャンの宿を出発しました。
羊さんが草を食べていたり

綺麗な景色と朝の清々しい空気が、背中の荷物の重さを感じさせませんでした。

最初のうちは・・・

すれ違う(追い越して行く)のは巡礼者ばかりです。「また2人、今度は1人か・・」などと何度も「ブエンカミーノ」を唱えつつ果たして何人に追い越されるか数えてみよう。7人、8人、二人組だから10人・・、でもさっき抜いてった人が休憩して追い抜いたんでやっぱり8人?

12人まで数えたところでやめました。

わざわざ巡礼道を歩きに遠い異国の地まで来たのは何故なのか?

だんだん日が昇ってきて、サングラスや日除の帽子が必要になって来ました。
景色が本当に綺麗。
オリソンまでの急登で会った動物は羊さんくらいです。
数字に惑わされるのは私の悪い癖。何時に出発して、ここが何キロ地点だから、何時頃に到着するとか・・・

日差しが左側から射すんで道路の右側に巡礼本などでよく見かける荷物を背負ってストックを持つ黒い影ができるようです。
黒い影の自分の姿と追いかけっこしながら、何も考えずに歩いてみようと、
無心で歩く事にしました。
そうしたら、目の前に可愛らしい
リフュージュ・オリソンが現れました。
オリソンのテラスには先に到着した巡礼者が10数人、コーラやビールを飲んだりしている人もいます。
まだ10:30を過ぎたところです。

今日中にロンセスバージェスに行く人達は重い腰を上げて先を急ぎます。
私は、予約客一番乗りだったので、好きなベッドを選んでいいとのことで、もちろん下の段のベッドを確保しました。

受付でクレデンシャルにスタンプを押してもらえました。2ヶ所目です。
一番乗りだったので左側の下の段を確保しました。混み出す前にとシャワーを浴びに行ったら(5分だけシャワーが出るコインを受付で渡されています)最初水しか出なくってとても焦りました。後からお湯も出てきますが、5分じゃ足りません。おかげで身体が全然温まらず、その状態で洗濯物が干したり、薄着でウロウロしていたら、ちょっと咳が出てきました。
ベッドを覆う不織布を渡されて敷いていますが、ここは夜はグッと気温が冷えるようです。持ってきた寝袋カバーだけではちょっと寒かったですが、あるのとないのとでは全然違います。
向かいに座っているアメリカ人24歳のGraceとは、最後にインスタ友になりました。おばさんと一緒に巡礼しているそうです。
テラスの脇に水汲み場がありました。ここから先はもう8〜10km先のロルダンの泉まで水汲み場が無いので、出発前に必ず汲んでおいた方がいいです。
この野菜スープ、優しい味でとても美味しかったです。向かいに座っているのはアダムと言うお父さんと下の娘さん。9歳だそうです。上の娘さんと奥さんの4人で巡礼しているそうです。アダムスファミリー、覚えやすかったです。
メインは豚肉、豆と野菜の煮た付け合わせにフランスパンです。そしてもちろんワインも🍷
最後のデザートはとても美味しかったのに、もうお腹がいっぱいで、3分の2ほど残してしまいました。
次の日の行動食として包んで持って帰れば良かったと、とても後悔しています。

オリソンでは、夕食後に宿泊者全員一言ずつの自己紹介時間があります。ワインを飲んでいい気持ちになって、「名前、どこから来たか。なぜ巡礼に来たのか?」の問いに、12名の宿泊者たちがそれぞれの理由を答えていました。
私の番になって、「スタンプをたくさん集めに来ました。」と言うと、ちょっとウケてみんなの笑顔をもらえたのは嬉しかったです。

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