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美しさとは

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美しさの定義って、難しい。その時代に生きた人の価値観とともに、変わるのかもしれない。いや、まったく変わらないものなのかもしれない。美しさってなんだろう。自分に問いかけて、考えたこ…
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#一度は行きたいあの場所

高貴で冷々たる美しさを、我が手中に。

スペーコラ博物館 鉱物セクション Museo Specola - Mineralogia メディチ家コレクションメディチ家のコレクションは絵画や彫刻のみならず、貨幣、甲冑、植物、陶器と、さまざまな分野に広げていきましたが、鉱物もそのひとつ。 ヴェッキオ橋を渡り、かつてメディチ家の邸宅だったピッティ宮殿を通り過ぎ、さらに南へと進んでいくと、最近リニューアルオープンしたばかりのスペーコラという博物館があります。 ここには昆虫から大型動物までのありとあらゆる生き物の剥製が

ステンドグラスと葡萄組合。

今回はイタリアを飛び出して、フランスのランスへとご案内します。2019年春にパリとランスに訪れていました。ランスと言えば、シャンパンの里。 ステンドグラスが発展したフランスらしく、シャンパンの里にあるランスのノートルダム大聖堂には、葡萄からシャンパンになるまでの工程が、ガラス窓に描かれています。 こちらにも大聖堂のステンドグラスを1枚だけ載せています。 丹念に眺めると、ひとつひとつの工程が細かく描かれていて漫画みたい。製作されたのは1954年なので比較的新しい作品です。

空間の美しさとは? Part.1

空間を知るって、どういうことなんでしょう。 紙面に縦線と横線を引けば、水平と垂直はすぐに描けるけど、奥行きはどう表現する? まずは、絵画から探ってみよう。古代ローマや、中世時代は、数学的な根拠のないまま、なんとなく奥行きがあるっぽく、こんな感じかなーと、表現していた。 なんとなくの奥行きでも、ぐっと、深みがでてくる、1300年代の絵。 マリア様と幼子キリストが座っている玉座の後ろに、聖人を重ねて描くことで、二人の背後に、聖人がいるんだなぁ。と、感覚的に空間をつかめる作

空間の美しさとは? Part.2

フィリッポなくして、フィレンツェは形成せず。 フィリッポ・ブルネレスキが、遠近法を発明したのが1416年頃。2年後にクーポラのコンクールが行われ、彼の案が採用されます。 両手放しで、喜ぶことはできない条件はあるけども、とりあえず、現場監督として、1420年からクーポラの建設が始まります。 こちらが、ブルネレスキの建築記。 中世の面影を残すフィレンツェの街に、ダイナミックでシンプルな建造物が、自己主張することなく溶け込み、新しい時代へと繋いでいきます。フィリッポ・ブルネレ

世界は音に包まれている Part.4

『音の美しさ』の続編です。 世界は音に包まれている Part.1 世界は音に包まれている Part.2 世界は音に包まれている Part.3 音楽は、音色が流れるように続く、時のなかでの美しさ。 建築は、建物にリズム感を与える、空間のなかでの美しさ。 この二つに共通する調和。それは、算数や幾何学が出会う場でもあります。 中世時代の美しさは、床面も柱も、幾何学から割り出されていましたが、ルネッサンス時代になると「数字」が重要になってきます。 音楽と建築。ブルネレスキのあ