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美しい小都市や田舎を訪ねる。

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イタリアの小都市や田舎は、きちんと整えられて、花が飾られていて、住民同士の絆が深くて、自然と、歴史と、人が、ゆったりと時のなかに身を置いています。豊かさってなんだろうって、考えて…
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#アート

トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.2

n.1では、カーゾリ村の心温まる村里アルバム壁画などを紹介しましたが、今回は彼らの知られざる歴史から村に近づきます。 海と村と、気球。カーゾリ村の壁は、歴史も語る。左から右に連なる連作。 最初の一枚。日傘を差した2人の女性が描かれている背後の建物。Grand Caffe (グラン・カフェ)と書かれている。どこかで見た。どこだったろうと、記憶を辿り思い出した。海岸沿いのヴィアレッジョという街のメインストリートにいまも建っている、あの建物だ。 1900年代初期は、ヴィアレッ

トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.1

海岸沿いからほど近い村にて、お肉を調達していた時のこと。ショーケースに並ぶお肉をあれこれ物色しているときも、おしゃべりが絶えることのないイタリア。 会話に出てきたカーゾリという村。店の息子さんはここから通っているそうだ。 「面白い村だから、行ってきたらいいよ。」 その一言につられ、なんの予備知識もなく訪れたカーゾリ村。前回の投稿からずっと彷徨っている村である。 Casoli - カーゾリ村下界からは空の彼方に霞んでみえた山の頂上が、目の前に立ちはだかり、迫ってくるよう

カッラーラ山は、宝の山よ。

フィレンツェから高速道路に乗り、海沿いに向かって行くと、夏でも真っ白い山々が現れます。これが、カッラーラ山。 前回案内したサンミニアートアルモンテ教会の白い部分も、ルネッサンス時代を代表するフィレンツェの大聖堂の白い部分も、ミケランジェロ作のダヴィデ像も、ぜーんぶ、カッラーラの大理石。 いざ、カッラーラ山へ何トンもある大きな塊の大理石を乗せたトラックが、行き交うカッラーラ街。すれ違うだけで、迫力。採石場に行く道は何本もあり、まるで迷路のよう。 カッラーラ山の大理石は、世

うまうまラードのコロンナータ村

大理石の山の続編です。 大理石の山にある小さな村カッラーラ山の採石場のすぐ傍にあるコロンナータ村。標高532メートルにあり、雪が降り積もったような白い山が目の前に迫ります。 村人の生活に結びついた大理石山を、崇めるかのように、高台に広場があり、そこに建つ教会。外観はそんなんでもないけど、内部の装飾は、当然というべきか、すべて大理石。 前回案内した、山から石を切りだすカヴァトーレ(Cavatore)と、彼らを加護するマリア様。 洗礼をするヨハネ聖人も、もちろんカッラーラ

聖なる石の街に、恋する芸術家たち

大理石シリーズ最終編3部目です。 カッラーラ街から30キロほど海沿いに南下したところ。その名を「聖なる石の街」、イタリア語で「ピエトラサンタ」と言う。「大」をいくつ付けても足りないほど大好きなところ。 街名から察するように、ここも、やっぱり大理石とともに生活している街。工房があり、博物館があり、芸術家も、住んでいる。 この街に恋し移り住んだ代表的な芸術家に、コロンビア出身のフェルナンド・ボテロがいます。 ポテっと小太りの可愛らしい絵や彫刻が特徴。メインストリートに面す

クレモナで、聴いて、食べて、感動して。Part.2

バイオリン編でもクレモナが登場しましたが、前後編に分けてクレモナの街歩きをご案内します。バイオリンだけじゃない、小さくて偉大なクレモナ。見どころが、ギュっと濃縮されている、美しい街です。 Part.1 クレモナの街歩き 食べても楽しい、クレモナ。 Part.2 バイオリン博物館クレモナは、バイオリンだけの街じゃないといっても、やはりアントニオ・ストラディヴァリは、街に欠かせない存在。彼の名の広場には、モダンな彼の銅像があります。 こちらにも、彼の銅像があります。ここは

アレッツォ紀行 (音の美しさ 番外編) 

「音の美しさ」のパート2は、ただいま準備中なので、今回は、番外編として、前回登場したアレッツォの街を、ご案内します。いつもは文章多めですが、今回は写真が中心です。 グイド僧の背後に、遠く見えるのが、アレッツォの大聖堂です。尖塔が空に向かってスっと伸びています。 高台にある大聖堂までの、ゆるやかな坂道。 街の中心にある、大きな広場大きな広場と呼ばれるピアッツァ・グランデ。毎月第1週目の日曜日には、骨董市が開催されます。 傾斜に沿って作られている。ゆえに、広場も斜め。イタ

緑の中に村が点在する、トスカーナの田舎。その2。 *エノガストロノミア&アトリエ n.6*

『フード&デザイン』をテーマに、アトリエや工房を見学しつつ、「ワインを飲みながら、食事も楽しみましょう!」という、あちらも、こちらも、どちらも楽しそうなイベント。 イタリアの、田舎風ラーメンに出会う。 *エノガストロノミア&アトリエ n.1* 匠が集い、匠を知る、スクオーラ・ディフーザ 。 エノガストロノミア&アトリエ n.2 自然と共存する、銅版職人。エノガストロノミア&アトリエ n.3 熱き革細工師が語る、イタリアのモノづくり。そして育成。エノガストロノミア&アト