広告分析 「東京メトロ × 東京マラソン」
kbrtです。
都内で広告のデザインをしています。
広告のデザインと聞くと華々しい世界のように思われがちですがそんなこともなく、特に「バウハウスやスイスなどのシンプルなモダンデザインが好きだ!」という気持ちで大学時代を過ごして入ってみると、「そんなものは手抜きだ」と言わんばかりのダメ出しを食らうこともあります。
それが悪いことでは全くなく、むしろモダンデザインこそがデザインだと一辺倒に教え込まれすぎだったのかもしれないと思うこともあります。
そこで勉強のため街の広告を作者がどういう意図を持ってそのデザインにしたのかということを自分なりに分析したいと思います。チョイスは僕の好き嫌いではなく、なるべく幅広くいけたらなと思っています。なんせ広告ですからいたるところにネタは転がっています。制作にも活かせるように継続してこの分析をやっていきたいなと思っています。
最初は東京メトロ丸ノ内線に貼られていた東京マラソンとのコラボ広告です。
構成としては左に俯瞰図、右に人物のフォーカス。
同じシーンをただズームするのではなく、表情違いのシーンを使うことで感情の高ぶりや、高揚感を表現しています。
また、ポスターという本来止まった媒体の中に中に時間軸を生みだし、より印象に残るものとなります。
全体を通してランナーは一度も登場せず観客のみが写っているというマラソン広告らしからぬ画です。
それはこの広告を見るほとんどの人がランナーではないということが重要になると思います。
広告を見る人側の目線になることで、見た人にとって身近に感じられるのではないかと思います。
全体に観客の服など賑やかな色合いで楽しいイベントであることが感覚的に伝わってきます。
find my tokyo marathonのコピーは軽やかで弾むような書体。楽しい雰囲気づくりに一役買っているのではないでしょうか。
「一生懸命走る人は、みんなが応援したくなる人。」という手書き風のコピーは温かみや優しさを感じますし、また人の手による身近さも感じます。
今回は鉄道広告の大型ポスターでしたが、ウェブバナーやチラシ、カタログ、新聞広告、パッケージデザインなど幅広く分析できればと思います。