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“読も” 2022年7月度 第31回|松田規男[ART HOUSE 店長]

最後のブログ

7/31のブログを俺に託してくれた昇平さんの気持ちを考えると、このブログに誠心誠意俺の気持ちを詰め込まないとこのプレッシャーには勝てんなと思っています。

しっかりART HOUSE閉店に際しての自分の気持ちを書き残します。
 
 
 
ART HOUSEに初めてバンドで出演したのは2013年頃。

ART HOUSEのスタッフになったのは2014年頃。

アートハウスの店長になったのは2021年の10月頃。

全部曖昧。

俺にとっては”いつからアートハウスに出演してるか”とか”いつからアートハウスのスタッフやってるか”とかはどうでも良い。

『昨日の〇〇はええライブしてたなぁ。打ち上げは大荒れやったなー。』

『今日は〇〇が出演する日か。今日はPAとしてこういう音作りにしてみよう!今日も終わったら打ち上げやな。』

『明日〇〇が出演やん!楽しみや。終わったら打ち上げ行きたいな。でもあの人達お酒飲んだらややこしいからなぁ。。朝までは行かずに帰りたいなぁ、、。』

こんな感じで昨日から今日へ、今日から明日へを繰り返し、2022.7.30に辿り着いた俺はfolcaワンマンのPAを終えた今、一人静かな場所に移動しこのブログを書いてる。

Paparazzi Panicのボーカルとして一度閉店に際してのブログは投稿させてもらったけど、ART HOUSEの店長としての立場から投稿するブログは、どうしてもみんなのART HOUSEでの最後のライブを見届けてからじゃないと書く気になれんかった。

ART HOUSE最後の日である明日は、アルカラと大石さんというART HOUSEが誇るスーパースターのツーマンのはずやったけど、大石さんが体調不良により出演出来なくなった。

俺なんかではART HOUSE最後のステージに立てんくなった大石さんの悔しい気持ちなんて計り知れんけど、もう1人のスーパースターであるセイジさんがきっと大石さんの悔しさを背負ってアルカラとの素晴らしいツーマンを作ってくれるんやと思う。
 
 
 
この7月俺は一度も泣いていない。

もちろん普段通りではないけど、みんなのART HOUSEでの最後のライブをスタッフという立場で精一杯支えんとあかんなという気持ちの方が勝って、感傷に浸る暇がなかった。

きっと一お客さんとしてみんなの最後のライブを観ることが出来たら、人知れず何度も涙を流してたのかもしれん。いや、どうだろう。分からん。。

俺は全国数多あるライブハウスの中のごく一部しか知らない。

だから他のライブハウスと比較してART HOUSEがどうとかは偉そうに言わない。

ART HOUSEの30年近くの長い歴史のこともごく一部しか知らない。

でも昇平さんが『スタッフにならへんか?』と誘ってくれたから

ART HOUSEスタッフのみんなを信頼出来てるから

ART HOUSEに出演してくれてるミュージシャンのことが大好きやから

ART HOUSEを愛してくれるお客さんの温かさに救われてるから

毎日足りない人間性と頭をフル回転させて未だにART HOUSEで働き続けてるんやと思う。

ART HOUSEで出会った先輩には、俺の色んな失礼や無礼をちゃんと叱ってくれて、次会った時にはそれを笑いに変えてくれる懐の深い優しい人が沢山いる。

ART HOUSEで出会った後輩には、俺の色んな失礼や無礼をちゃんと受け入れて笑いに変えてくれる心の強い信頼出来る子達が沢山いる。

お客さんももちろん同じ。

色んな失礼や無礼をやめない俺の人間性はどうかしてると家族のみんなや、昇平さんや、スタッフのみんなにも散々言われてるけど、何故か気付けばART HOUSEの店長という重役に就いている。苦笑

これから少しでもまともな男になれるように頑張りますね。。苦笑

今までの人生で色々あって、あまり人の事を信用しない性格になった俺が、ART HOUSEを通して出会った人達の前では喜怒哀楽を全解放して心から笑えている。

それが俺がART HOUSEに居続けてる理由。

こんなに人間臭い人ばかりが集まる場所は、ライブハウスとかの枠組みを超えて今まで何処にもなかった。

それが俺がART HOUSEに居続けてる理由。
 
 
 
閉店のタイミングでART HOUSEに沢山の人が足を運んでくれた。

“ART HOUSEが閉店するなら最後に足を運ぼう”と思う人達はみんなART HOUSEが好きだという共通点を持っている。

昔からART HOUSEを知る人が偉いんじゃない。

ART HOUSEを好きだという気持ちを年数で捉えるのは絶対違う。

昔も今もART HOUSEを好きでいてくれる人達が、同じ愛の方向で、同じだけの愛の量でART HOUSEを支えてきてくれたから、30年近くも神戸のライブハウスの第一線を走り続けて来れたんだと思う。

ART HOUSE歴に関係なく、ART HOUSEが閉店した後は、みんな堂々と胸を張って『ART HOUSEが好きだった』と言って欲しい。

ART HOUSEというライブハウスがあったことを俺は死ぬまで絶対に忘れない。

絶対忘れない。
 
 
ART HOUSEへの最大級のリスペクトと感謝の気持ちを胸に、PADOMAという新しいライブハウスの歴史を店主昇平さんと頼もしい現スタッフのみんなと始めていきます。

絶対にART HOUSEを超えるライブハウスにする。

俺なんかが出来ることなんてほんの僅かしかないけど、自分にできる事は店長という立場としても、Paparazzi Panicとしても誠心誠意一生懸命やります。

みんなに愛してもらえるPADOMAを誠心誠意一生懸命作ります。

スタッフのみんなと、出演者のみんなと、お客さんと、PADOMAという新しいライブハウスの歴史を一緒に作っていけるのを楽しみにしています。

ART HOUSEを愛してくれたみなさん、

PADOMAというライブハウスをこれからよろしくお願い致します。
 
 
ART HOUSEという場所が、ART HOUSEで出逢ったみんなが、俺の人生にとって忘れられない宝物です。

ART HOUSEをこの先も愛してます。

本当に本当にありがとうございました。
 
 
俺の人生を輝かせてくれた史上最高のライブハウスART HOUSEへ愛を込めて
 
 
ART HOUSE 店長 のりおより

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