絵本制作は掛けがえのない創作の喜びと不思議な『魂の共時性』を体験できた。 雷無良寿
絵本が生まれる瞬間
虹を見つけるとつい写真を撮りたくなってしまう私です。これまでにも、ベストチャンスというような場面に出くわしたのに、カメラがなくて悔しい思いをしたことが何度もありました。しかしこの時はちゃんと持ってたんです。
晩秋の京都、雨が上がって夕刻近くの鴨川の河川敷に虹が二重に掛かったんです。私は夢中で何枚も高速シャッターを切っていました。しかし次の瞬間、俄かに風が巻き起こって、川沿いの散歩道は見るまに暗くなり、辺りのものや空気までも激しく攪拌し出したんです。