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喜びも悲しびも みんな生きたい

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口には出せなかったけれど  心が折れそうな危うさの中で 私たちは 同じ風景を眺めた 青い海を見ているの?  白いカモメを眺めているの?  あの日 ここに私たちがいた  そのこと…
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2023年2月の記事一覧

黒侘助

モラトリアムな季節 アプローチの脇に侘助椿を植えたのはいつ頃だったろう。 そう言えば昔、通っていた大学の、かつての市電通りを挟んで西側に、「わびすけ」という名の薄暗い喫茶店があった。 授業をサボってはよく足を運んだ場所だった。 入り口横の大きめの窓には町屋の雰囲気が漂う格子が取り付けられていた。 ちょうど店の前には市電の停車場があって、窓からは学生たちが頻回に乗り降りする光景が見えた。 私は窓辺の席に座って、訪ね来ぬ友を待つように、行き交う学生たちのシルエットを眺