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[南イタリア周遊記vol.3]

バジリカータ州の州都ポテンツァから車で30分南に行った所にあるアブリオーラが次の目的地


途中、牛やヤギが放牧されていて普通に道を歩いています。
この丘陵地帯にはポドリコ種と言う牛がいて
良質なミルクを産出します。
このミルクで作ったカチョカヴァロが特に美味しいのです。
ポドリコ種の仔牛がイタリアの語源になったと言う話を聞いた事があったので、目の当たりして大興奮!
濃いミルクを出す為に、めっちゃ痩せていたのにはビックリしましたが。
今の僕なら登りたくなるような岩陵にヤギが登って草を食べています。
仄々として良いですね。


ここには手打ちパスタ名人のマンマがいます。


同じパスタと言っても北と南では別の物で、
北イタリアのパスタは主に卵麺で小麦粉はgrano tenero(軟質小麦)が使われます。
南イタリアのパスタは水とgrano duro(硬質小麦)所謂セモリナ粉で作られます。
乾麺も生麺も基本このスタイルです。

昔、料理の勉強会で、南イタリアの手打ちパスタを作ってみよう!って言って
レシピを見ながら手打ちパスタを作ったのですが、
上手いこといかずに情け無い思いをした事があります。
手打ちパスタと言えば北イタリアっしょ。
みたいな北寄りな偏狭が招いた結果でした。
恥ずかしい限りです。

なのでここに来るのを本当に楽しみにしていました。


早速、マンマが僕らに南イタリアの手打ちパスタを教えてくれました。

このエリアの井戸水はイタリアでは珍しく軟水で、
マンマ曰く、パスタに練り込む水は硬水よりも軟水良いらしいです。
茹でるのは硬水のほうがいいのに、これは眼から鱗でした。

使う硬質小麦粉は近くの村、アンツィ産
これに限るらしいです。
確かにかなり良い粉です。
日本で手に入らないのが残念。

山に盛った小麦粉に水を加え練ります。

一つに纏めて捏ね、
収穫の感謝を込めて生地に十字を刻み
ボールを被せて30分ねかせます。

素晴らしい手際で再び捏ね始め
そこから色々なパスタを作り出します。

Cavateli un dito. due dita. tre dita. quattro dita.
otto dia. Sanguitella. Strascinati.
Fusilli. Cordelle. Orecchiette.

まるで魔法のように色々なパスタが出来上がります。

ソースは毎年夏に家で仕込むトマトの瓶詰めで作るトマトソース。

冷蔵庫がない時代は
収穫のない冬は保存食しかありませんんでした。

トマトの瓶詰めはその代表的な物で、
ほぼトマトソースが続く日が続いたそうです。
そんな中でもマンマは家族が食事に飽きないように
色々と工夫して生み出されたのが、
今の多種多様なパスタの形状なのです。

パスタ名人のマンマは
私は1ヶ月別のパスタを出せるわよ。
同じトマトソースでね。

パスタの形状はマンマの家族への愛の形なんですね!

技術もそうなのですが、パスタの心を学びました。
僕が勉強会で失敗したパスタは
技術どころか心も足りていなかったのだと思います。

マンマの作る料理はその優しさが体の隅々にまで染み渡ります。
遥々遠くから来た日本人を受け入れてる抱擁感のある幸せになれる料理です。


パスタの食感も素晴らしいく
口の中で踊っています。

そんな師匠に出会えたアブリオーラは僕にとって大切な場所になりました。

次回は プーリア州 マルティーナフランカ

バジリカータ州の州都ポテンツァから車で30分南に行った所にあるアブリオーラが次の目的地


途中、牛やヤギが放牧されていて普通に道を歩いています。
この丘陵地帯にはポドリコ種と言う牛がいて
良質なミルクを産出します。
このミルクで作ったカチョカヴァロが特に美味しいのです。
ポドリコ種の仔牛がイタリアの語源になったと言う話を聞いた事があったので、目の当たりして大興奮!
濃いミルクを出す為に、めっちゃ痩せていたのにはビックリしましたが。
今の僕なら登りたくなるような岩陵にヤギが登って草を食べています。
仄々として良いですね。


ここには手打ちパスタ名人のマンマがいます。


同じパスタと言っても北と南では別の物で、
北イタリアのパスタは主に卵麺で小麦粉はgrano tenero(軟質小麦)が使われます。
南イタリアのパスタは水とgrano duro(硬質小麦)所謂セモリナ粉で作られます。
乾麺も生麺も基本このスタイルです。

昔、料理の勉強会で、南イタリアの手打ちパスタを作ってみよう!って言って
レシピを見ながら手打ちパスタを作ったのですが、
上手いこといかずに情け無い思いをした事があります。
手打ちパスタと言えば北イタリアっしょ。
みたいな北寄りな偏狭が招いた結果でした。
恥ずかしい限りです。

なのでここに来るのを本当に楽しみにしていました。


早速、マンマが僕らに南イタリアの手打ちパスタを教えてくれました。

このエリアの井戸水はイタリアでは珍しく軟水で、
マンマ曰く、パスタに練り込む水は硬水よりも軟水良いらしいです。
茹でるのは硬水のほうがいいのに、これは眼から鱗でした。

使う硬質小麦粉は近くの村、アンツィ産
これに限るらしいです。
確かにかなり良い粉です。
日本で手に入らないのが残念。

山に盛った小麦粉に水を加え練ります。

一つに纏めて捏ね、
収穫の感謝を込めて生地に十字を刻み
ボールを被せて30分ねかせます。

素晴らしい手際で再び捏ね始め
そこから色々なパスタを作り出します。

Cavateli un dito. due dita. tre dita. quattro dita.
otto dia. Sanguitella. Strascinati.
Fusilli. Cordelle. Orecchiette.

まるで魔法のように色々なパスタが出来上がります。

ソースは毎年夏に家で仕込むトマトの瓶詰めで作るトマトソース。

冷蔵庫がない時代は
収穫のない冬は保存食しかありませんんでした。

トマトの瓶詰めはその代表的な物で、
ほぼトマトソースが続く日が続いたそうです。
そんな中でもマンマは家族が食事に飽きないように
色々と工夫して生み出されたのが、
今の多種多様なパスタの形状なのです。

パスタ名人のマンマは
私は1ヶ月別のパスタを出せるわよ。
同じトマトソースでね。

パスタの形状はマンマの家族への愛の形なんですね!

技術もそうなのですが、パスタの心を学びました。
僕が勉強会で失敗したパスタは
技術どころか心も足りていなかったのだと思います。

マンマの作る料理はその優しさが体の隅々にまで染み渡ります。
遥々遠くから来た日本人を受け入れてる抱擁感のある幸せになれる料理です。


パスタの食感も素晴らしいく
口の中で踊っています。

そんな師匠に出会えたアブリオーラは僕にとって大切な場所になりました。

次回は プーリア州 マルティーナフランカ


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