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[アルテシンポジオオープン秘話vol.5]

最近やたら起きる時間が早いのは、不規則なスケジュールのせいで、歳のせいでは無いと思い込もうとしている荻堂です。

イタリアから帰り、早速お店作りに取り掛かります。

イタリアに行ってる間、特に後半は業者さんと密に打ち合わせや状況報告のやりとりをしていたので、
造作は思った通りのものに仕上がっています。

こだわりのテラコッタや柱のアーチ、セラーもいい感じです。

厨房の設計も順調にやり取りしていたのですが、僕がイタリアに廻ってる間に、窯が欲しいと言い出したせいで、細かい打ち合わせは帰国後となりました。

南イタリアで特に印象に残ったのが、窯焼きです。
薪の香りが素材に移ると美味しいんです。
原始のDNAを刺激されました。

魚や肉や野菜を焼くために窯が欲しかったのです。
オーブンでは出来無い料理を作りたかったんです。

無理言って作ってもらいました。
行ったばかりの南イタリアにかぶれてましたね。

元々北イタリア色が強かった僕に南の色が足されたので
もう一度、お店のコンセプトを練り直します。
北イタリアでの経験か、南イタリアで見てきた物を伝えたい気持ち
どちらにするか悩んだ末。

ま、イタリア全土でいっか!

マーケティング戦略のかけらもありません。
若かったですしなんでも、やってみたかったんだと思います。


お店の名前を考えます。
オープンが決まってから、ずっと考えてはいたので、
候補が二つありました。
どうしても選べません。

アルテとシンポジオです。

はい、そうです。

これも、アルテシンポジオでいっか!

ってなりました。

ただこれには訳がありまして、
オープンしたてのお店ですし、知名度がありませんので、
ネットで検索をしたときに、アルテやシンポジオだと他の情報が上位に出てきます。

でもアルテシンポジオだとウチしか上がらないんですよ。
考えたでしょ。
奥さんのアドバイスですけど。。

店名の意味は
アルテは芸術・・美味しい料理は芸術であると言う言葉から
シンポジオは饗宴・・古代ローマの饗宴(シンポジア)のイタリア語

良い名前だと思うのですが、
お客様に名前覚えてもらうのにかなり時間はかかりました。


そんな感じでなんとか2003年8月11日に無事アルテシンポジオをオープンしました。

オープン当初と比べて料理スタイルも今は全然違いますし、
あれだけこだわってた作った窯は今はありません。

その時代その時代でお客様が喜んでもらえる事を探していたら、気がつけば別の形になってしまいました。
僕はそれで良いと思います。

このコロナ禍で色んな習慣や常識が覆されました。

みんなは口を揃えて言います。
もう元の世界には戻らないね。

その通りだと思います。
だから僕はまた新しいアルテシンポジオのスタイルを作り出していきたいと思います。

僕のワクワクを皆さまに伝え共有出来ることが、
何より嬉しいことですから。

さあ何から始めましょうか?
また窯が欲しいなって思ってたりしてます。
17年経ってもまだ子供なんですね、僕は。

アルテシンポジオオープン秘話、
長くなってしまいましたがお付き合いありがとうございました。

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