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AWS Cloud Questを触ってみた

概要

AWS Cloud Questをプレイしてみた所感について書いてみたい。

AWS Cloud Questとは

AWSクラウドクエストをプレイして、AWSクラウドスキルの構築を楽しんでください。AWS Cloud Questは、需要の高いAWSCloudスキルの構築を支援する最初で唯一のロールプレイングゲームです。ライブAWS環境内で実際のソリューションを構築しながら、宝石を集めてポイントを獲得してください。

https://www.youtube.com/watch?v=lcmVvIeiFGc

公式のコメントの通り、ゲームをしながらAWSクラウドサービスのスキルを学ぶことができるサービス。「ゲーミフィケーション」という言葉があるが、正にそれだと思う。あくまで「ゲーム」ではなく、実際に手を動かすところはAWSサービスをそのまま使い、実務作業を学ぶことができる。
現在は日本語対応はされていないため翻訳ツールなどが適宜必要になる。

やってみた

1つクエストやってみた感じ、ゲームの流れは恐らく以下の通り。

1.クエストを受ける(困っている人に話しかける)
2.クエスト内容の把握
3.幾つかのステップに沿って解決手順を進める
4.課題を提出し、クエストを完了する


クエストを受けるのもゲーム上で自分のアバターを操作して困っている人に話しかけて受けるスタイルなので見た目は本当にゲームをやっているような感じになる。

話しかけると下の絵のような表示になり、会話を交わし、課題をヒアリングする。

クエスト受注画面

何やらS3を利用して静的ホスティングのWebサービスを構築したいというクエストだった。
会話の下の方には「何が学べるか」ゲーム内の「お金」「アイテム」「経験値」のようなものが報酬としてもらえる表示がされており、単にAWSサービスを触らせる窓口ではなくちゃんとゲームとして成り立たせるUIなども自然ではあるが工夫されているのが意外だった。

クエスト内容のガイド

クエストを受ける際にガイドがあり、困っている人のシステム的な課題や解決への道筋を視覚的に表示してくれる。また「VIDEO CONCEPTS」から、今回の対応に役立つようなAWSサービスの説明動画が見られる。この動画は、理解の手助けになるようアニメーションが作り込まれており、かなりクオリティが高い印象だった。英語が聞き取れる人にはかなり良い教材と思われる。

クエストを受注すると実際にAWSアカウントを使って対応していく。

クエスト対応中。どこを操作すればよいか多数のステップで教えてくれる。

実際に必要なアカウントは、買い物をするAmazonのアカウントは必要になるが、AWSのアカウントはAWS Cloud Quest側で勝手に用意してくれるため準備は不要。
AWS操作用の画面は別タブで開き、ACQのレクチャ画面を見ながら操作を行うことが可能なため基本的に迷うことが無い。

はずだったが、バケットのポリシーの設定でレクチャにある通りに進めたがエラーとなり先に進めなくなった。

バケットのポリシーの設定

面倒になって辞めたくなったが公式のドキュメントを参考に設定してエラーを回避した。

ステップ 2: バケットポリシーを追加する
ドキュメントを見ながら再設定

その後の課題の方も特にガイドは無かったがwaves.htmlへリネームしてアクセスできるようにと仰せつかっていたのでS3上で名前を変更。

index.htmlの名前を変更

テストの検証(VALIDATE)ボタンを押し、クエスト条件を満たしているかチェック。問題無ければクエストクリアとなる。

クエスト対応の検証
クエスト完了表示

成功報酬として街に灯台を追加することになるが3種類から選べる。今回は下の絵のものを選択した。

灯台が建設された。なかなか凝っている。

自分のステータスや所有物としての報酬だけでなく、街の進化に自分の行動が関われるというのは地味だがとても面白い点を突いていると思う。

あとがき

教材としてどうかと考えると、英語というところを除いて40/100点くらいな印象。企画は良いが、サクサク進まない、ボタンが反応しない時がある、アバターやカメラの操作感が悪い、移動が遅い、街に放り出された感が強く馴染むプロセスが欲しい、などプレイ感として致命的なものが多く、継続してもらうのが難しいと感じる。

企画はめちゃくちゃ良いと思った。自分の街づくりという感じでシムシティを感じさせ、市長という設定があっても良かったかもしれない。市内の施設ネットワークを構築するなど現実なクエストがあったり、予算が足りません!と秘書に怒られてしょうがないからローエンドの仮想マシンにするか、もしくはリザーブドインスタンスにするかとか、Lamdaで必要十分なんじゃないかと学べたり。市の再建のために稼がねばと何らかネットワーク構成を組み上げる幾つもクエストをこなしたりして、ゲームに夢中になっているうちに、どんなサービスを組み合わせて基盤を作り、ログを取り、冗長性を持たせ回復性を高めるか、すぐに頭の中で組み立てられるようになったら・・とゲーム業界にいたせいもあり面白くしたくて色々と妄想してしまった。

オンライン教材としてMicrosoftもMicrosoft Learnというものを提供している。こちらは全くゲームではないが、レクチャありつつゲストアカウントで実サービスを触って学ぶ教材というところは共通している。資格取得に直結したカリキュラムとなっており、1カリキュラムの分量も大体30分〜1時間以内で学びやすく、なかなか良かった印象。一応あちらも経験値やレベル、バッジがありゲーミフィケーションは意識しているようだった。

ACQは単に教材としてみるとゲーム部分が余計でもあり、ACQとMS Learnの間にちょうど良いバランスがありそうだと思った。どちらにも共通して言えるのはうまく継続させるためにいかに「ハードルを下げられるか」と「モチベーションを上げられるか」が大事で、カリキュラムの内容以外の部分を上手くPDCA回して、より良いものを作っていってほしい。

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