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フリッツ・ラング Fritz Lang (1890年-1976年) の誕生日 (12月5日) 独米 映画監督・脚本家・プロデューサー


フリッツ・ラング Fritz Lang (1890年12月5日 - 1976年8月2日) ドイツ・アメリカの映画監督・脚本家・プロデューサー・俳優 (オーストリア出身)。

もっとも優れた映画監督 ラングとブニュエル 

アルフレッド・ヒッチコックは映画史上最も優れた監督はルイス・ブニュエルであると語り、
ルキノ・ヴィスコンティも同様の発言を述べています。

そして、ルイス・ブニュエル自身は最も影響を受けた映画監督としてフリッツ・ラングを挙げました。

私は以前、一番優れた映画監督はフリッツ・ラングで、その次にルイス・ブニュエル、アルフレッド・ヒッチコックが来るだろうと書いたことがありますが
私の見立ても、この方々と肩を並べるレベルでしょうか?

🔍 Sergio RodríguezさんのTweet. フリッツ・ラング (左) とルイス・ブニュエル (右隣)  


ニーベルンゲン  Die Niebelungen (第一部 ジークフリート Siegfried 1924年ドイツ) 


🔍 Silent Movie GIFs Tweet.  「ジークフリート」(1924年独 フリッツ・ラング監督)  


メトロポリス  Metropolis  1927年ドイツ


🔍 Retro Horror Tweet.  「メトロポリス」(1927年独 フリッツ・ラング監督) 
世が乱れ、教会の《七つの大罪》像が歩き出す場面。

🔍 Pinterest.「メトロポリス」ヒロインに化けたロボット (ブリギッテ・ヘルム演) の踊りに煽られ興奮する紳士たちの場面。表情も構図も面白い!

 


ドクトル・マブゼ  Dr.Mabuse  1922年ドイツ


🔍 Galera Tweet. 「ドクトル・マブゼ」(1922年独 フリッツ・ラング監督) 
『降霊術』の場面。


マン・ハント  ManHunt  1941年アメリカ 


🔍 Movie Riot Tweet.  「マン・ハント」(1941年米 フリッツ・ラング監督)


死刑執行人もまた死す  Hangmen Also Die!  1943年アメリカ


📔 本ブログ記事「ベルトルト・ブレヒト」(下に貼出) に書いたコメントより /『人間の視点をも超える感じの、色々なレベルでの常識を覆される疎外感は、( 私が史上最高の映画監督と見ているフリッツ・ラング独自の
闊達で創意溢れる演出効果でもあるでしょうが ) ブレヒトが関わっていたと聞くとああそうかもしれないと納得してしまう感じもします。ただ、その感覚はラングの他の映画からも受けますが、この映画では特に効果を上げている印象です。
クネクネとくつろいだ様子でニヤニヤ笑っていたり突然怒鳴り出したり、横柄で自意識過剰な言動などを繰り返すナチスの軍人たちの「悪の自覚、客観性の不在」の不気味さ。
民衆が、同胞に対しても次々と疑心暗鬼になっていく感じ。
また、レジスタンスも多少の犠牲は仕方ないと思い詰めて行くところ。
(この辺りの、レジスタンスが「持続」する展開が史実とは、やや異なるようですが。)
対ナチ協力者 ( ブレヒト演劇にも出演した名優ジーン・ロックハート扮 ) が、「権力」にすり寄ってもかえってスケープゴートにされ、疑われて
ナチスとレジスタンス双方から追い詰められて行く「奇妙」な展開、
破滅の場面の悪夢的な描き方。
流麗で活劇的な演出・演技でありながら、音声や光、カットの繋がり方など複数のファクターが、無骨なくらいぶつかり合う、(ブニュエルなどのシュルレアリスム映画や、ヌーベルバーグ映画に見られるがごとき) 前衛性も備える、ほとんど人間離れした感覚の映画で、はじめ見た時は、「こんな時代もあったのか」との想いも含めて呆然となりました。』

🔍 Judy CohenさんのTweet. 「死刑執行人もまた死す」(1943年米 フリッツ・ラング監督) 

🔍 フレにゃあさんのTweet.


スカーレット・ストリート  ScarletStreet  1945年アメリカ


🔍 Albert Galera Tweet.  「スカーレット・ストリート」(1945年米 フリッツ・ラング監督。エドワード・G・ロビンソン、ジョーン・ベネット主演) のラスト・シークェンス。

作品リスト 

監督映画 
[ドイツ時代]🔸 Halbblut (1919) フィルム消失 🔸 Der Herr der Liebe (1919) 兼出演。フィルム消失 🔸ハラキリ Harakiri (1919) 🔸蜘蛛 第一部 黄金の湖  Die Spinnen – Der goldene See (1919) 🔸蜘蛛 第二部 ダイヤの船  Die Spinnen – Das Brillantenschiff (1919) 🔸Das wandernde Bild (1920) 🔸 Kämpfende Herzen (Die Vier um die Frau) (1921) 🔸死滅の谷 Der mude Tod (1921) 🔸ドクトル・マブゼ 第一部 Dr. Mabuse, der Spieler Teil 1: Der große Spieler – Ein Bild unserer Zeit  (1922) 🔸ドクトル・マブゼ 第二部 Dr. Mabuse, der Spieler Teil 2: Inferno – Ein Spiel von Menschen unserer Zeit  (1922) 🔸ニーベルンゲン 第一部 ジークフリート Die Nibelungen: Siegfried (1924) 🔸ニーベルンゲン 第二部 クリームヒルトの復讐 Die Nibelungen: Kriemhilds Rache (1924) 🔸メトロポリス Metropolis (1927 /ユネスコ「世界の記憶」♦️註1.) 🔸スピオーネ Spione (1928) 🔸月世界の女 Frau im Mond (1928) 🔸M [独語題同じ] (1931 ♦️ラング監督初のトーキー作品) 🔸怪人マブゼ博士 Das Testament des Dr. Mabuse (1933) 
/[フランス時代]🔸リリオム Liliom (1934)
/[アメリカ時代]🔸激怒 Fury (1936) 🔸暗黒街の弾痕 You Only Live Once (1937) 🔸真人間 You and Me (1938) 🔸地獄への逆襲 The Return of Frank James (1940) 🔸西部魂 Western Union (1941) 🔸マン・ハント Man Hunt (1941) 🔸死刑執行人もまた死す Hangmen Also Die! (1943) 🔸恐怖省 Ministry of Fear (1944) 🔸飾窓の女 The Woman in the Window (1944) 🔸スカーレット・ストリート Scarlet Street (1945) 🔸外套と短剣 Cloak and Dagger (1946) 🔸扉の蔭の秘密 Secret Beyond the Door (1948) 🔸House by the River (1950) 🔸無頼の谷 Rancho Notorious (1952) 🔸熱い夜の疼き Clash by Night (1952) 🔸The Blue Gardenia (1953) 🔸復讐は俺に任せろ The Big Heat (1953) 🔸仕組まれた罠 Human Desire (1954) 🔸ムーンフリート Moonfleet (1955) 🔸口紅殺人事件 While the City Sleeps (1956) 🔸条理ある疑いの彼方に Beyond a Reasonable Doubt (1956)
/[第二次ドイツ時代]🔸大いなる神秘 第一部 王城の掟 Der Tiger von Eschnapur (The Tiger of Eschnapur) (1958) 🔸大いなる神秘 第二部 情炎の砂漠 Das indische Grabmal (The Indian Tomb) (1958) 🔸怪人マブゼ博士 Die 1000 Augen des Dr. Mabuse (1960) / 

晩期の3本も含めてドイツ時代、フランス時代の現存するラング監督映画は全て見ました。



🌎 Wikipedia (英語版)「フリッツ・ラング作品リスト」

🌏 Wikipedia (日本語版)「フリッツ・ラング作品リスト」 

♦️註 1.  (映画初の世界記憶遺産はラング監督作品。2件目はブニュエル監督映画)

このフリッツ・ラング監督「メトロポリス」(1927年公開・2001年復元版公開) が映画作品としては初めての、ユネスコ「世界の記憶」(世界記憶遺産・世界記録遺産) への指定 (2001年)。 2件目はルイス・ブニュエル監督「忘れられた人々」(1950年公開。2003年指定)。 

🔍 NPO法人映画保存協会公式ページ 

🔍 UNESCO公式ページ "Memory of the World" の (ウェイバックマシン  Wayback Machine [米の非営利団体インターネットアーカイブ運営の検索ツール] による) アーカイヴ https://web.archive.org/web/20161020173118/http://portal.unesco.org/ci/en/ev.php-URL_ID=23221&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html /
/🔍 上と同じ▷    

/ UNESCO公式ページ "Memory of the World"
( https://www.unesco.org/en/memory-world ) からはリストが出せませんでした。

🔍 The Cinema Archives記事 "The21st Best Director of All-Time : Fritz Lang"

(上記事一部の試訳) 「ラングは初期の巨匠であり、1920年代で4番目、1930年代で3番目に優れた作品を残した。『メトロポリス』と『M』に続く3本目の大作がないため、当初はラングを見過ごしていたように思う。少なくとも当面は、彼の残りの作品群(アーカイブ可能な合計22作品)、特にフィルム・ノワールにおける彼の素晴らしい仕事(そしてそのジャンル全体をもたらした部分的な功績)は、この枠には十分であり、3本目の傑作の代理として機能するという結論に達した。他の多くの偉大なサイレント映画監督とは異なり、ラングには第2幕があり、それが重要な違いだったと思う(彼はそれぞれの年代のトップ100に9本入っており、これは歴代9位タイである)。彼の2つの巨大な傑作を組み合わせれば、誰もがトップ100(そしておそらくトップ50)に入れるはずだ。」
📝 英語記事は書き方が体系的具体的で明確 !

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(2023年,2024年2月[作品リスト,世界の記憶について],更新)

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