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雨よ恋 2

次の日の日曜日、撮影に行く予定にしていた当時1年生が、車に乗り込んですぐに訴える「先生、先輩達が昨日行ってたところ面白そうですねぇ…」最近の部員は、LINEグループを作っているし、インスタストーリーに上げたモノを先輩後輩友達皆んなで観ていて情報の共有も早い。
結局、押し切られ、昨日のレンズキャップやフードを探しがてら、またも千畳敷へ…台風も通過したようだし…

雨こそ降っていなかったが、濃霧と強風は昨日のまま…先輩と同じく「ひゃあひゃあ」と風に踊っている1年生達。まぁ 来てよかった。紛失したモノも到着10分で見つかったのだから。その後、角島でエメラルドグリーンの海も観てご機嫌で帰って行った。
…が、ここで気づくのは、先輩の2年生達の方が、天候など状況を使って撮影するのが上手だと言う事。1年生は、まだ自分達同士で遊んでいるだけ、それもどこかヨソヨソしくインスタ映え記念写真の延長だ。撮る枚数も少ない。これはやはり先輩に一日の長があるように思う。1年生の秋頃で上手過ぎたりしない方がいい。枚数をノルマのように気にするのもナンセンスだ。本当に感動もしていないのに、無理やりシャッターを切る方が気持ち悪い。
感性とはシャッターを押す理由だ。他人が作るものでは決して無い。こうして、こんなところに来て野放しにされて、感じた事が増えていけばいずれ感性など育つ。
自らの意志で育てよ1年…こんなところから始めるのだ…。

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次の週、誰も風邪をひく事もなく、休みもせずホッとする。

そして、ここから全員そのまま、アメユジュ トテチテケンジャ…ドッドド ドドウド…と雨風の写真にハマり、怒涛の勢いで次年度写真甲子園に向けて、雨天撮影に励む…


…ンなわきゃない。そんな簡単じゃない。


                                 つづく


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