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File.19 米窪怜さん(フルート)インタビュー

2024年2月4日(日)キッセイ文化ホールにて「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」が開催されました。これに先立ち、このステージの第二部「音と絵画が彩る世界のアンプル」にご出演いただく、米窪怜さんにお話を伺いました。

――現在の活動内容を教えてください。

演奏活動をしながら、フルートの講師の仕事をしています。
主な演奏活動は、楽器店に所属しており、その楽器店が浅間温泉と提携しているので、旅館で週一回程度演奏しています。その他、定期的にコンサートにも参加しています。

――フルートを始めたきっかけはなんですか?

はじめたときの記憶は、はっきりしていないのですが、母が音楽好きで、何かやらせたいという思いがあったみたいです。従妹がバイオリンを弾いていたので、その他の楽器が良いなと思っていた際、母が偶然行ったコンサートでフルートを聴いてこれだと思ったようです。そして、姉は2年先にフルートをはじめていて、私も真似をするように3歳のときにフルートをはじめました。その後は妹も吹き始め、3姉妹でフルートを演奏していました。はじめは、母にやらされたという感じでしたが、嫌になることもなく、気づいたら毎日吹いていました。そして、将来フルートを吹いているんだろうなと思っていて、自然な流れで音大に入学しました。

――演奏をする上で大切にしていることはありますか?

ありきたりではありますが、一番は楽しむことです。
そして色々想像するのが好きで、この曲だったらこの感情をのせてと考えながら演奏をしています。嬉しい気持ちや悲しい気持ちを込めて演奏すると、音色にも表れてお客様に伝わるのでは・・・と想像しながら演奏しています。想像するきっかけはなく、メロディーを聴いて自然に出てきた感情を大切にして、表現しています。これで音色も変わればいいな・・・と思って演奏しています。

――音楽以外で趣味などはありますか?

中学生のころから日本史にはまっています。一人思い立って、京都に日帰りで行ってしまうこともあるほど、一つはまると追及してしまうタイプです。演奏に影響するとかではなく、音楽を忘れるための趣味です。フルートを家において旅行に行って、リセットしています。

――nextに登録したきっかけを教えてください。

恩師の先生が松本市にいらっしゃって、活動の幅を広げるなら何でもやりなさいと、登録を促されてnextの存在を知り、登録しました。

――登録して良かったことはありますか。

まだ登録して日が浅い方だとは思いますが、演奏会の仲介をしていただいたり、今回のように美術の方とのコラボレーションの演奏会の機会を提供していただいたりして、とても嬉しく思っています。
色々な楽器と一緒に演奏することはあっても、美術とのコラボレーションは明日のコンサートが初めてのことで、とても楽しみです。先程、絵を見させていただいたのですが、創造していたものより壮大(4メートルを超える作品)で、これが津田さんの世界観なのかと圧倒されました。津田さんからは華やかな曲を要望されていますので、絵ばかりが注目されないよう、負けないように演奏を頑張りたいと思っています。

――nextに期待することはありますか?

定期的にnext定期演奏会を開けたら、おもしろそうだと思っています。
今回のように美術とのコラボレーションや、まだまだ知らない他のジャンルの方が登録されていると思いますので、ジャンルを超えた未知の経験をしてみたいと思っています。作曲家の登録者がいるなら、フルート二重奏などで作曲していただき演奏してみたいです。そして、いろいろな演奏家が登録してるので、オーケストラもできるのではないかとも思っていて、他の楽器の方ともコミュニケーションが取れるとうれしいなと思います。

「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」 出演時(インタビュー後)

――姉妹での演奏と通常で、違うことはありますか。

姉と2015年にフルートデュオユニット、ムジカ・エルマーナ(米窪 怜×米窪 麻美)を結成しました。基本的に違うということはないです。姉との演奏のときも曲の方向性が違うときには、とことん話し合って、意見をお互いのみこんで、どうするのかを考えるので喧嘩にはなりません。ただ…妹なので、事務作業を全部私がやっているので、そこは不満です(笑)。
現在姉は東京に居て、私は安曇野市で生活していたり、いろいろな環境の影響があったりと、姉とステージに立つのはとても久しぶりです。明日の本番は地元で開催できるため、とても嬉しく思います。そして普段は一人での活動が多いので、いつも以上に気合が入っています。

「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」 出演時(インタビュー後)

――最後に、これからの目標を教えてください。

自分主催のリサイタルの開催です。
大学卒業後に、姉とリサイタルを開催したこともありますが、今後はソロのリサイタルを開催したいと思っています。そして、最終的にはファミリーコンサートの開催です。
今回一緒に出演する飯田糸音(ピアノ)も従姉です。家族でいろいろな楽器を演奏していますので、将来的な夢としてファミリーコンサートも実現したいです。

<略歴>
米窪 怜(フルート)
安曇野市出身。3歳よりフルートを始める。東京藝術大学卒業。2002年にスズキ・メソードのテン・チルドレンに選ばれ、ベルリンなどドイツ各地で演奏。
第64回全日本学生音楽コンクール東京大会第1位。全国大会出場。第20回日本クラシック音楽コンクール全国大会第2位 (1位なし)。
これまでにフルートを桂綾子、居石ひとみ、故・金昌国、小池郁江、高木綾子、萩原貴子、斎藤和志の各氏に師事。
現在は演奏活動を行う傍ら、後進の指導にあたる。
また、自身の姉と「ムジカ・エルマーナ(※)」というフルートデュオユニットを結成し、アンサンブルの演奏活動も行っている。
※ムジカ・エルマーナ(米窪 怜×米窪 麻美)
姉妹で結成したフルートデュオユニット。姉である麻美が東京音楽大学科目履修を、妹の怜が東京芸術大学を卒業した
2015年に結成。ムジカ・エルマーナとはスペイン語で「音楽姉妹」という意味。地元である安曇野市で2回、東京で1回リサイタルを行う。クラシックから聴き馴染みのある曲まで、幅広いレパートリーをもち、それぞれの個性が重なり合った、姉妹ならではの息の合った演奏を楽しめる。安曇野市や東京を中心に、演奏活動を行っている。

(取材:「信州art walk repo」取材部 柄澤志保・西村歩・竹村里香・
保谷有美・伊藤羊子・清水康平・塚原夏樹・山田敦子・中村睦子)


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