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File.20 深澤優希さん(ソプラノ)インタビュー

2024年2月4日(日)キッセイ文化ホールにて「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」が開催されました。これに先立ち、第一部「風景を描くドビュッシーと日本の四季」にご出演いただいた深澤優希さんにお話を伺いました。

――現在の活動内容を教えてください。

今は、企画・制作の仕事をしながら、コンサート出演など演奏をメインに活動をしています。

――声楽を始めたきっかけはなんですか?

中学生のときに合唱部に入っていたことがきっかけです。
もともと歌うことは好きでしたが、小学生のときは伯父の楽器を譲り受けて金管バンドでトランペットを吹いていました。ピアノ教室にも通っていたので、クラス合唱のピアノの伴奏もしていましたが、ずっと歌いたいと思っていました。ですが、地元の中学校には合唱部がなく、歌を歌える合唱部に入るために中学を受験しました。
そして、中学2年生のときにもっと歌が上手くなりたいなと思い、レッスンに通ったのが始まりで、声楽の道に進んでいこうと決意しました。
歌うことのために、受験やレッスンを続けられたのは、家族のサポートがあったからこそだと思っています。大学卒業後は中学高校の音楽の教員として4年間勤めました。そのときは喉を酷使してしまい、声帯結節により音楽活動ができなくなってしまいました。それからは自分のために声帯を使おうと決心し、今の活動をしています。

――松代文化ホールで開催されるワンコインコンサート~スペインのメロディに載せて~(2月24日開催済)に出演されて、スペインの歌をメインに披露されるようですが、なぜスペインの歌を選ばれたのですか?

このテーマを決めた昨年の夏頃は、ちょうどボレロやジプシーの歌など、スペインにまつわる曲を歌っていたので決めました。テーマを決めた後でスペイン作曲家の作品を調べはじめて、今回初めてスペイン歌曲を歌います。
声楽を始めたての頃は大体イタリア歌曲から勉強を始めて、ドイツ、フランスと広げていく人が多いです。私は高校生のときに先生の歌うフランス歌曲に憧れて、大学に入ったらフランス歌曲を勉強しようと思っていたのですが、その先生に大学を卒業してからでも遅くないと言われたので、大学生のときはR.シュトラウスなどのドイツ歌曲を勉強して、卒業後にフランス歌曲を歌い始めました。
そのためこれまでスペインというテーマに触れることも少なかったのですが、調べ始めたらその特徴的なリズムや言葉のおもしろさなどがとても魅力的で、すっかりハマってしまいました。
いつもおもしろくて少し変な曲ばかり歌っているのですが、スペイン歌曲にもそういう曲が多くて、私のキャラクターにも合っていて、今後も私のレパートリーになりそうです。

――趣味はありますか?演奏に影響はありますか?

沖縄の離島が好きです。長野には海がないので憧れもあるのかもしれません。
鍾乳洞がすごく好きで、離島にケイビング(洞窟探検)に行きます。そのときに、三線と出会いました。八重山諸島、宮古諸島、大東諸島、沖縄本島の離島など、大体めぐりましたが、南大東島が一番気に入りました。音楽は八重山民謡が特に気に入ったので、八重山古典民謡を勉強しています。
旅行のときは、自転車でさとうきび畑の中を歌いながら走っています。
自然の中の開放的な場所で歌うことは、レッスン室と感じるものが違い、新しい感覚で歌えたり、違う角度からの歌詞の解釈も浮かんできたり、活動にも活きています。
大きな本番の前は離島に渡って新しい感覚を得たり、パワーをチャージしたりしています。
長野に鍾乳洞はなくて残念ですが、空が広くて星がとてもきれいなところが好きです。

「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」 出演時

――nextに登録したきっかけを教えてください。

大学卒業後に、同じ長野出身の大学の先輩から聞いて、登録しました。

――登録して良かったことはありますか。

直接的なものはまだありませんが、長野のアーティストさんを知るきっかけになりますし、長野で演奏会などに出演する際、共演の方が登録していると安心感につながります。

――nextに期待することはありますか?

明日出演するコンサートのような機会が、またあるといいなと思います。
コラボレーションや、全く違うジャンルの方と会うきっかけになり、とても良いと思います。
これから、交流や活動が活発になることを願っています。


「長野県ゆかりのアーティスト ステージ」 出演時

――最後に、これからの予定や目標を教えてください。

スペイン歌曲のお話しもしましたが、2月に松代のワンコインコンサートに出演します。
今年は唄三線を頑張る年と決めておりまして、夏頃にはまたコンクールにも挑戦したいと思っています。
また、2017年から隔年でリサイタルを開催しているので、来年の開催に向けて今年はレパートリーを増やす年にしたいです。

<略歴>
深澤 優希(ソプラノ)
長野市出身。信州大学教育学部附属長野中学校、長野県立長野高校、国立音楽大学音楽学部演奏学科声楽専修卒業。中学生のときに合唱部に所属していたことをきっかけに声楽をはじめる。
これまでに、鎌田滋子、下原千恵子、小島美穂子の各氏に師事。
大学卒業後、モーツァルテウム音楽大学夏期国際アカデミーほか国内外で故ダルトン・ボールドウィン氏のマスタークラスを受講。
オペラ「魔笛」パミーナ役、「フィガロの結婚」バルバリーナ役等で出演。
宗教曲のソリストや昭和歌謡アンサンブルなど幅広く活動をする。
第7回東京国際声楽コンクール入選(甲信大会金賞受賞)。
多摩フレッシュコンサート2021出演。2017年から隔年でリサイタルを開催。
沖縄離島好きが高じ近年は八重山古典民謡で唄三線も学んでいる。
第46回八重山古典民謡コンクール新人賞受賞。
現在は長野や東京で演奏活動を行う。

(取材:「信州art walk repo」取材部 柄澤志保・西村歩・竹村里香・保谷有美・伊藤羊子・清水康平・塚原夏樹・山田敦子・中村睦子)


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