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2人の世界

こんばんは。

ねむるまえにです。

自分の好きな映画の中に、ウェスアンダーソン監督の『ファンタスティックMr.FOX』『犬ヶ島』などがありまして、今日は『ファンタスティックMr.FOX』の話を。
どちらもストップモーションアニメーションで作られました。
この作品は私にとって新しい作品ではないんだけれど、あの独特の世界観を持つウェスの原作に対する向き合い方を改めて観察しました。

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原作はロアルドダールの児童文学小説『すばらしき父さん狐』です。
110ページと読みやすく短いページ数で、ここからウェスは87分のストップモーション映画を作ったんです。

この写真の『ファンタスティックMr.FOX』の本はメイキング本で、制作の細かい裏側を覗けます。

その本の中には、"解釈者には2つのタイプがある。テクストに忠実な直解主義者とテスクトを自分ならではのものへとつくり変える詩人"
と記載があります。

ウェスは後者だと思うけど、生前ロアルドダールが暮らし、執筆していた家に行って、ご家族と話したり、アトリエではいくつもの手書き原稿を読んだり、ダールが眺めた景色を彼も眺めたり、ダール自身への理解を深めて、原作の世界観、ダールの作品にきちんと合うものをとだけ、まずは考えていたそうです。


原作の『すばらしき父さん狐』には主要キャラクターが人間3人と動物7匹だけど、『ファンタスティックMr.FOX』では時間の関係で動物がもっと増えるし、とぼけた性格で変なリアクションするモグラがいて、私はそのキャラが愛らしくて好きなんだけど、原作にはいない動物なんです。

他にもたくさん映画ならではのキャラクター、エピソードが出てくるんですが、ウェスが強く意識していた通りダール作品の雰囲気を壊すことなく、ウェスの独特な世界も感じられて、この拡大&変換の仕方が好きです。
世界観がある人って、素晴らしい強い個性があるけど、すごく汲み取ることもできる人なんだと思いました。

逆になんでこんな風にしたのかなと思う変換の仕方の作品があって、それは自分が好きな作品なだけにうーん…てなっちゃうから観てなかったんですが、この機会で観てみます。

おやすみなさい。








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