批評 『音の家』 サンガツ

・形態:展示
・場所:などや(東京都渋谷区)
・年:2021

・目的:家の中に鳴る様々な音を聴かせる。
・方法:様々な方法の混合。足湯、様々な集音・発音装置、香り、味と音楽の同時並行な体験、風船と扇風機、アンケート・監視カメラ等による体験のカスタマイズ等。

・目的の新規性:やや低い。サウンドスケープの分野では「音楽」以外の音に注目することの重要性が言われていたり、家の中の音を観察してそれに対応した色を家の平面図上に塗るというワークショップのアイデアを以前見たことがあったり、John Cage(1912-1992)のLiving Room Music(1940)において居間の様々な物体が発する音で作曲された音楽があったりするため。
・方法の新規性:やや高い。足湯や香り、味等の新たなメディアを使用しているため。それら自体が作品に使用されている例は見られるが、音と組み合わせて提示されることは新しいのではないか。

・目的-方法の合致性:高い。目的に対して、音を中心に据え、また音とそれ以外のメディアを様々に組み合わせることで表現している。

・社会的インパクト:普通。方法の新規性や目的-方法の合致性はやや高い一方で、1時間に1組のみが鑑賞できることによる限られた鑑賞者数がインパクトを低めているように思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?