歴史を紐解き結び続ける仕事 今回の記事は、ある学芸員さんとの思い出と、その方の仕事についての話です。関わりはコロナ禍になってからほとんどなかったので、最後にお会いしたのは5年ほど前でした。別の方の講演会ではありましたが、意見を求められ切れ味抜群のコメントを話されていました。 「文化財は現状のまま守り続けることで価値は増していく。言い換えれば、次世代に伝わることで価値を増すのだ。」という趣旨のことだったように記憶しています。 文化財のうち活用の方に舵を切られ、積極的に
評価の評価 今日はとある機関について自己評価されたことに対して、関係者がその適切さについて評価する評価委員会。評価の評価ってなんやねん、とツッコミたくなりますが、よくある話です。 自分たちのことをなんだかんだよくわかっているのは自分たち!という前提の元、自分たちの活動や事業を評価し、それを第三者の様々な方に適切に自分たちを把握していることを確認してもらうのです。 そうすることで、主体となっている機関では、自分たちがやっていることは正しい!と思ってしまうバイアスを解き
展示と人々 学芸員の仕事でいえば、展示をつくることは大きな意味があります。普段の研究の成果をみなさまに見てもらえるという側面もありますし、これまで光が当たらなかった資料に対して光を当て、社会の中に新たな価値を提示する、という側面もあります。 だがらきっとどこのミュージアムの学芸員さんであっても、展示には力を入れていると思います。まして、展覧会の評価やミュージアムの評価を、入館者数なので計るところだと、シビアだと思います。 私の職場はその点、人が来るかどうかについては
自己紹介 私は、人口10,000人以下のまちで学芸員をしています。専門は美術、、だったはずが、今となっては、産業史などにも携わっています。教育普及活動も日々取り組んでいます。 あれこれする「雑芸員」という人もいるかもしれませんが、すべての物事は何かしら繋がっていて、大学での研究のようにアカデミックに物事を紐解こうとしないで仕事に取り組めば、自然とこうなるだろうと思います。学芸員ってなんだろう?といえば、その土地の風土や状況、ミュージアムの状況にあわせて動く「場所の伴走