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映画「ザ・エレクトリカルパレーズ」を前知識ゼロで観た感想※ネタバレ

お笑い芸人ニューヨークのYouTubeチャンネルにアップされた映像作品「ザ・エレクトリカルパレーズ」を観ました。

ニューヨークのことはけいちょんチャンネルで知り、以来ちょこちょこ気になった動画を観ています。
ちなみに私はめちゃイケ世代のおばさんで、若手芸人界隈のことは全然わかりません。この映画に出ている芸人さんもニューヨーク以外は知りませんでした。

さてさて、そんな前知識ゼロの人間がこの芸人ドキュメンタリーを観ましたよ。

最初に結論。
はい、めっちゃおもしろかったです。

そして格言が降ってきました。
「人の青春を笑うな」

2時間ちょいの長尺なんですが、見終わった後に誰かと語り合いたくなるような余韻のある作品でした。

吉本興業の芸人養成所、通称NSCで10年くらい前(?)に起こった事象をニューヨークが掘り起こしていく、っていう内容なんですけど、観ればきっと誰もが青春時代のアレコレを思い出すと思います。
芸人界隈に疎くても全く問題なし!特に青春が思い出になった30代以降におすすめ!

私は大学のサークルで青春が花開いたクチなんですが、その頃の事を思い出しましたねー。

どこの学校、団体でも陽キャだの陰キャだの居ますよね。
このドキュメンタリーには陽キャ陰キャひっくるめて色んなスタンスの人達が「エレパレ」という当時あったグループの事を語ります。

登場人物は↓の5つのスタンスに分けられるかな。

①仲間とはしゃいで目立ってるヤツ
②目立つグループにすり寄ってくヤツ
③カースト上位が嫌いなのに逆らえないヤツ
④はしゃいでる陽キャが問答無用で嫌いなヤツ
⑤そんなヤツらを冷静に見てるちょっと大人なヤツ

エレパレのメンバーは、まさに①ですね。きっと当時はすごく楽しかったのでしょう。私も似たような思い出があります。歌やTシャツは作らなかったけど。

この話のキーマンである西村くんは②かな?
裏ボス説もあったけど、強い光に吸い寄せられた風見鶏っていう印象です。

③は元ゲオルギーの子。巻き込まれちゃったけどカースト上位に逆らえなくて陰で悪口言ってるタイプ。

オズワルドの眼鏡の子や遊佐くんは④だね。遠くから見てただけだろうに、めちゃくちゃディスってる!実害は(たぶん)無いのに、エレパレを完全に敵認定。

西村くんの元相方さんは⑤ですね。一番大人。冷静に評価して、自分に合わないからエレパレと距離を取ってた。好きじゃないけど不必要に悪く言うことも無い。

ガーリーレコードさん達は④かな?⑤かな?
もぐらくんはどうだろう?結構客観的に語ってた気がする。

あ、オズワルドの眼鏡かけていない子は、この中のどれでもないですね。きっとNSC外に自分の居場所があったのでしょう。NSCに所属しつつ、NSCという箱庭には囚われていなかった。

なんか年を重ねると、どの立ち位置の子の気持ちもわかるというか、自分も中高大、社会人とコミュニティーが変化していく中で、複数の立場を経験してきたなと思う。
だから、映画の最後の「みんなエレパレ」っていう結論はすごく納得した。
どんな立ち位置でも、こういう濃い人間関係こそが青春(=概念としてのエレパレ)だよね。

あの頃の自分、痛かったな。とか、いま思い出すと恥ずかしい思い出とか、みんなありますよね。
エレパレも排他的で周りが見えてなかった所が反感食らったんだろうけど、それでも、エレパレのメンバーが卒業後にイジリ倒されて悲しかったっていうのは可哀想だったな。
作中でも、侍スライスの2人にニューヨークがエレパレの歌を歌わせて爆笑している場面があるんだけど、私はあそこちょっと「え・・いじめ?」と思いましたよ。
あの歌、予備知識ゼロで聞くと「こんなちゃんとした歌作ってたんだ。すごい!」って感想だったので、そんなバカにしたように笑わなくても・・と思ったんです。

でも歌でゲラゲラ笑ってたニューヨークが、侍スライス、きょんくん、宮崎くん・・と、エレパレメンバーに話を聞いていくにつれて、「あ、エレパレってこいつらにとって大事な思い出なんだな」ってわかって来たのか、だんだん言葉に愛が感じらるようになっていきました。
今までイジリ倒して笑いものにしてたこと、取材を通して少し反省したのかな?笑
なんかそういうインタビュアーの感情の動きが感じられたのも生っぽくて良かった。

人の青春(エレパレ)をバカにしたりしちゃいけないんですよ。
自分だって、何かに熱くなったり、イタいことしちゃったり、迷惑かけたりしながら成長してきたんだから。
イジるなら愛を持ってやらないとね。黒歴史だって誰かの大事な人生の一部なんです。

後半、頑なにエレパレと線を引きたがる西村くんをニューヨークが詰めるのですが、ここではもう完全にニューヨークはエレパレに感情移入しちゃってましたね。「エレパレと楽しくやってたくせに、エレパレをバカにするな!」って感じかな。私もそう思った。
この詰め場面がちょっと長いんだけど、おかげで「みんなエレパレ」っていう納まりのいいオチがつきました。

最後に西村くんが着てたTシャツは、ちょっと作為的なニオイが感じられるのでよくわかりません。ミステリー風な味も出ていいんじゃないでしょうか。
この、最後にアレ?って思わせるやり方は「さよならテレビ」っていうドキュメンタリー映画を思い出しました。「さよならテレビ」、めっちゃ面白いからエレパレ見て楽しかった人は是非見てほしいです。

あー、いいもん観たな~。
こういう作品をYouTubeで発表したニューヨークはすごい!

この映画に出てきた人みんなが夢を叶えられますように!

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