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虎の翼に向かい風 はて?の風はアゲンスト 物語の3分の1を総括だ その1

今日のOP:映画「プリティ・リーグ」より

皆様、おはこんばんちは。
寅に翼も、全体の3分の1を消化し、これから裁判官編ですね。


今日のOP

Madonna " This Used To Be My Playground"

この曲を選んだのは、
第2次大戦を時代背景とする、代用としての女性の活躍を描いた
映画「プリティ・リーグ」の主題歌だから。

女子メジャーリーガーは、野球のパフォーマンスだけではなく、
お色気要素や愛嬌も必要だし、家庭を優先しなければならない。
時代や国が違えど、結局、女性が抱える問題は同じだな、と感じました。

男性メジャーリーガーが徴兵されて欠員だらけになり、
女子プロ野球リーグが、代用として創設される。

多数の女子選手がスカウトされ、
自分のプレーが評価された!
プロ選手として野球で食べていけるんだ!
と喜んだのも束の間。
入場者数が伸び悩んだらリーグは1年で廃止、と脅されます。

露出の高いミニスカート姿のユニフォームを押し付けられ、
むき出しの脚ではスライディングなんてできない、と抗議しても、無駄。
お色気振りまいて集客につなげよ、との厳命。
プロ野球選手としてのプライドはいずこ?

故障で選手生命を絶たれた元スター選手の男性監督は、
オンナが野球かよ、とやる気無しで飲んだくれる、トン野郎。

最初は、お色気サービスを強要されてうんざりする女性選手達。
でも、野球を続けたいから、やるっきゃない!
試行錯誤を繰り返すうちに、
これくらいなら許容できるかな、という落としどころなども、
発掘、発見、開拓、実践だ!

そのうち、チラリズムを意図的に演出する余裕なども身に付ける。
観客へのアピールもだんだん堂に入ってきて、人気も上昇。
動員数も増え、観客の大声援の中、
水を得た魚のようにプレーを楽しむ女子リーガー達。

監督も、手ごたえを感じ始めると、
野球大好き人間の本能が再び目覚め、本気モードのスイッチON。
エンジンの回転数は上昇、酒量は適正に。

リーグは大盛況だ。

しかし、夫が負傷で復員したヒロインは家庭復帰を優先し、
家庭と仕事との板挟みという女性ならではの現実も突き付けられる。

みんなで一丸となって盛り上げた結果、リーグの継続は決まり、
女性のチカラが未来を切り開いた、という内容の映画でした。

史実では、戦争の終結に伴う男性メジャーリーガーの復帰により
女子リーグの観客数は減少。
1954年に、その使命を終えます。

一方、虎に翼。
弁護士になった寅子は、赤紙を受け取った轟から、
男性不足の中、女性が活躍しなければ、と発破をかけられた。

しかし、妊娠してしまえば体調も悪化。
善意からではあるものの、今でいう妊娠アウティングもされ、
退職を余儀なくされる。

おなかの子を大事しなければならないことは、もちろんわかっている。
でも、あれだけ努力して弁護士になったのに、
妊娠したら否応なく戦力外だ。

夢破れた寅子と、歌詞とがオーバーラップしますね。

序章が終わった虎に翼

猪爪家の男性3人がこの世に次々と別れを告げ、
悲しみに打ちひしがれる寅子。

父のカメラを売ったお金で憂さ晴らしして来い、と
母はるに背中を押されたものの、闇市の焼き鳥は喉を通らない。
見かねた女性店主が、持ち帰れるように新聞紙に包んでくれた。
購入した焼き鳥は2本。
無意識のうちに優三の分も買ってしまった。

優三とおにぎりを分け合った思い出の河原でしょんぼりと新聞紙を開くと、日本国憲法の内容を紹介する記事が目に飛び込む。

無我夢中の顔をして、自分の生き方を貫いて欲しい

優三の励ましが、甦る。

すべての国民は尊重され平等、という法の精神に触発され、
曇っていた瞳に意志の輝きが戻る。

家に帰った寅子は、はる、花江、直明の夢を確認し、
法律の世界で自分が稼いで大黒柱になり、みんなの夢を支える、
と宣言する。
そこから、第1話の映像にループする。

説得材料の書類を準備した寅子は、司法省の人事課にアポなし突撃。

決死の形相の寅子の目の前には、
竹もとのふかし芋を今まさに頬張らんとして
あーーんとご機嫌に口を開けた桂場が・・・。
桂場はバツが悪そうに、芋を包装紙で隠す。

いつものこととはいえ、なんという間の悪さ。

それでも、寅子はもう、くじけない。
キッパリと、堂々と、自分の裁判官任用を願い出る。
そこで、ドラマOPスタート。

ここから、翼を得たかのごとき寅子の快進撃が繰り広げられるわけか、
と感じた5月末日。

寅子は法曹界における女性ファーストペンギン、
ガラスの天井に阻まれながらも、
きっと男ですら成しえなかったことを、達成していくのだろう。

これからだ、寅子、頑張れ、寅子。
暗い夜が終わり、日の光差す朝が来たのだ。
子持ちのハンディキャップをも乗り越え、
希望と微笑みと自信を届けておくれ~。

視聴者は元気を送るから。

アニメ「ドラゴンボール」 第156話予告

でも、その前に。
2カ月9週分を振り返って、自分の思いを書き連ねたい。 
自分の見込み違いの伏線について、悔しさとともに語りたい。

翼は、向かい風で揚力が生じ、追い風で失速する。

私の楽しみにしていた伏線回収はどこ行った、の気持ちすら
揚力に変換して高く羽ばたいて欲しい。

だから、タイトルは「寅の翼に向かい風」。
エールを受けて舞い上がれ
朝ドラのヒロイン、
あさが来たファーストペンギン寅子よ。

というわけで、はじまり、はじまり~。

はて? ファイブウィッチーズは悪口なのか?

ファイブウィッチーズは、ナイスネーミングでは?

明律大学法学部では、女子部出身の5人組は、
ファイブウィッチーズ、と級友の男子から陰口をたたかれていた。

でも、法衣って基本黒色だし、魔女服に似てるよね?
だから、一学年上級の女子部の先輩は、魔女部と揶揄されていたわけだし。

でも、先輩方が着用しておられたのはそもそも、法衣のレプリカ。
だったら、法衣を纏った男性の裁判官、検察官、弁護士に、
「魔女みたい」なんて口を叩けるものなら、叩いてみやがれってもんだ。
そんな馬鹿、いるわきゃぁ無いのである。

要は、相手を見てころころ態度を変えて、
こいつは口答えしないだろうって相手に
くっっだらない嫌がらせしてるだけの、
小学生並みのいじめっ子だ。

そんな奴らには、
「真っ黒の法衣って、確かに魔女っぽいね。
あたしら5人全員合格したら、法衣着てずらっと並ぶんだ。
まさに魔女5人組だよね。
法理を駆使して魔法をかけたみたいに裁判をひっくり返すの。
うらやましいかっ、へへーん。」
と威勢良く、言い返してやれば良かった。

5人が全員合格して、法衣に袖を通した姿を見たかった。
さぞかし颯爽として、絵になっただろう。
本当に残念。

個性的な4人が試験に合格しなかった無念

寅子のモデルの三淵嘉子さんの紹介番組では、
三淵さんを含めて、女性初の合格者は3人と放送されていた。

はにかみ屋の朝鮮人留学生も、
麗しき美貌を持つ華族のお嬢様も、
子持ちで面倒見の良いおばさまも、
ガラスのハートを持つ男装の毒舌家も、
史実を尊重すると、みんなみんな受からないんだろうな、
と予想はしていた。

脇役ラインナップの個性の豊かさは、架空人物ゆえか・・・。
あれだけのバラエティに富んだ女性との間で
友情を育んでいるサマが微笑ましかったのに。

受験すら叶わずに物語から退場する人が続出して、
あまりにも、あっという間だった。

彼女たちの学生生活が楽しければ楽しいほど、
架空の人物が、史実との辻褄合わせのためにあっけなく一掃されるのが、
勿体なくて、勿体なくて、しょうがなかった。

出来れば、枯れ葉が舞い落ちるような、
ひとりひとり余韻のある退場を、今でも希望する。
実際のドラマでは、ドミノのように倒れていって、
バタバタという印象が残ったのが残念だった。

はて? ヒャンちゃんはもっと早く帰国すべきでは?


最初に去ったのは、ヒャンちゃん。
お兄さんと一緒に朝鮮から留学してきた異邦人。

私の中のヒャンちゃん

女子部に入学した1932年春は、関東大震災からたったの8年半後。
震災時の朝鮮人虐殺の噂を耳にしていただろうから、
さぞ不安だっただろうな。
差別されたり、誰も相手にしてくれなかったらどうしよう、って。

同性の友達ができて、何のわだかまりもなく接してくれて、
心底ほっとしたに違いない。

でも、どうしてみんなヒャンちゃんの本名を、
帰国の間際まで気にしなかったのだろう?
本名を訊くのは、タブーだったのか?
帰国が決まったギリギリのタイミングでようやく、
訊くことができたのか?
創氏改名(1939年)にまつわる強制力って、
実際はどの程度だったのだろう。

竹もとでお茶しながら、子供時代のこと語り合ったりしなかったの?
涼子様からは、華族の生活。
ヒャンちゃんからは、朝鮮のこと。
梅子さんからは、子育ての苦労、現在の主婦業と学生生活との両立。
和気あいあいと訊いちゃいそうだけど。

何も聞いてないのは、ちょっと不自然に感じました。

身の安全を犠牲にして奉仕することを、安易に美談にしないで欲しい

ヒャンちゃんのお兄さんは、特高に目を付けられて先に帰国した。
自分は2度目の高等試験を受けられなくとも、
みんなの勉強を手助けしたいと、日本に一人で居残っていた。
竹もとに住み込みで手伝いながら。

でも、そんな悠長なこと望めるほど、余裕はなかったはず。
朝鮮人というだけで、特高の扱いがどれだけエスカレートするか、
ドラマでも示唆されていた。

身の安全を賭けてまで友達に奉仕するという設定は、
さすがに美談にもほどがあると感じた。

こんな展開はどうだろう?

特高に追われたお兄さんは、行方不明。
ヒャンちゃんは、事情を知る竹本夫妻のご厚意で、居候させてもらう。
兄がまだ日本に滞在している分、
竹本夫妻のリスクは高く、
特高のヒャンちゃんへの警戒は、より執拗だ。

兄の無事を祈りながら、みんなと勉強を続ける日々。
そこへ、久しぶりに姿を現す兄。
恰好はボロボロだが、
決意溢れる瞳がヒャンちゃんを見据えて、宣言する。

これから帰国するから、お前も連れていく。
日本はもう、安全じゃない。
俺たちの居場所はこの国には、もう無い。

みんなもヒャンちゃんに帰国を勧める。
だけどお兄さんに頼んで半日の猶予をもらい、
最後の思い出作りに、海岸へと向かう。

私の妄想

こういう「べた」な展開はありがちだけど、
やっぱりスリリングで盛り上がると思う。

はて? 涼子様のお父上は世間知らずなのか?

涼子様は、桜川男爵家の一粒種のご令嬢。
桜川家の跡取り娘としての宿命に反発して、弁護士を目指す。

華族のプライドだけが拠り所の母の寿子は、
大学進学で娘の婚期が遅れることを、快く思っていない。

涼子の美貌は、マスコミの注目の的。
しかし、偉ぶることなく庶民の寅子たちと、分け隔てのない友情を築く。

2度目の高等試験を控えて勉強にいそしむ中、
かねてから妻に不満があった父の侑次郎が、芸者と駆け落ちしてしまう。
涼子は、空っぽの母を見捨てることもできず、
桜川家存続のために結婚を決め、準備のために高等試験を断念する。

これじゃあ、侑次郎は、
高慢ちきな妻への当てつけで芸者と駆け落ちしただけの、
何にも考えていない、いじけた入り婿じゃないか。
イタチの最後っ屁おやじだよ、ホント。

侑次郎って、妻を煙たがる一方、
そんな妻の期待を一身に受けるサンドバッグ状態の涼子を、
不憫に思っている風情だったが。
そんな父が、高等試験を控えた時に駆け落ちなんてするだろうか?
さすがにそこまでは、世間知らずではないだろう。
いくら何でも、試験の後までは我慢するはずだ。
愛しくかけがえのない、不憫な涼子を慮って。

筆記試験で全力を出し切ってホッとしたのも束の間、
父が芸者と駆け落ちというスキャンダルが飛び込む。
涼子は、筆記試験には合格したものの、
結婚のために口述試験は辞退する。

マスコミは、エドワード8世に引っ掛けて
「法衣を賭けた恋」と無邪気にはしゃぐ。

涼子の本心を知る者は、数少ない友達だけ。

私の妄想

というシチュエーションの方が、泣けないか?
私はそっちの方が絶対、心をえぐられたと思う。

余談 お付きの玉さん

涼子お嬢様にぴったりと付き添ううちに
授業を耳にし、お勉強会を傍観していた玉さんは、
相当の法律知識を習得していた。
門前のお嬢さん、習わぬ法律を知る。

玉さんには、受験資格がない。
涼子様に付き添っていただけで、正式な生徒ではないから。
高等試験ではきっと、
大学卒業者、またはその見込みの者とか、
教養課程修了程度の受験資格が要求されただろう。

でも、現在の司法試験には予備試験というものがあるわけで、
学歴のない者でも司法試験の門を叩くことが、
劇中でもいずれは可能になるはずだ。

玉さんが涼子の意志を継いで法律家を目指す、なんて展開は・・・
流石に無いか。

終戦によって1947年に貴族制度は廃止されたはずだが、
桜川男爵家はどうなったのだろう。
不本意な結婚を受け入れた涼子に、逆転の日は来るのだろうか。
あのお母さんは、重い。重すぎる。

個人的には、両の脚で大地にすっくと立つ涼子の再登場を願います。

たくさん書いて疲れたから、次号へ続く。

以上

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