スコアの書き方が統一されてない問題
スコアの書き方はバラバラ
スコアをつけ始めようとするのに、最大のネックとなるのが、いろんな書き方があって、どの書き方をすればいいのかわからないということだ。
実は、スコアは絶対にこう書かなければならないというルールはない。スコアの書き方の本によっても書き方がちがうし、チームや団体によっても見解が異なることがある。
まずはスコアの現状の一部を紹介しよう。
早稲田? それとも慶応?
スコアシートの日本でのフォーマットは大きく二つに分かれる。早稲田式と慶應式だ。
上の画像が早稲田式のスコアシートの一部。こちらが一般的なスコアシートで、スポーツ店などで手軽に入手できる。スコアのつけ方の本などで説明されているのが、この早稲田式だ。ボールカウントを記入する細い長方形が左側にあるのが早稲田式の特徴。
一方こちらが慶應式。NPBの公式記録はこのフォーマットで記録される。ボールカウントの長方形が上にあるのが慶應式。私は慶應式の正確な書き方を以前から知りたかったのだが、なかなか情報を得られなかった。しかし最近になってNPB公式サイトで慶應式のスコアの付け方が紹介されたため、その内容を知ることができた。(野球の記録について)
一般的なのは早稲田式なので、初心者は早稲田式でいいだろう。
報道機関ではどう?
報道機関ではどんな書き方をしているのか。
日刊スポーツでは、記者が使用しているスコアブックを一般に販売している。
スコアブックに挟まれている使用例がこの上の画像。早稲田式のフォーマット。ストライクが○、ボールがー、ファールがVで表現されている。
私は、ある通信社で1度だけ甲子園での高校野球のスコアをつける仕事をしたことがある。そこで以前の大会のスコアブックを見せてもらって勉強したのだが、その書き方早稲田式と慶應式のハイブリッドな書き方になっていた。打者アウトは慶應式に近い記号で書き、ヒットは早稲田式で記入する。ややこしいようだが、実はこれが非常に見やすい書き方だった。
ストライクはX、ボールは●、ファールは△で記入した。
成美堂出版
スポーツ用品店で購入できるスコアブックは、ほとんどが成美堂出版のものだ。スコアブックのデファクト・スタンダードといって良い。そこに載っているスコアブックの記入法でスコアのつけ方を覚えた方も多いだろう。
ストライク、ボールの記号の書き方を2種類載せている。ストライクが○、ボールがーのパターンと、ストライクx、ボール●のパターンだ。このスコアブックを買った人は、どちらにするべきか迷ってしまうのではないか。
全日本野球協会のマニュアル
そんないろいろなスコアのつけ方がある中で、これぞ決定版的な書籍がでた。
これは全日本野球協会(BFJ)責任編集となっている。はじめにの一部を抜粋する。
日本の野球界全体で記録に関する規則を正しく理解し、かつスコア記入法が同じになることを目指して、日本野球の記録の専門家で構成される日本野球協議会オペレーション委員会「記録部会」が監修に携わり、全日本野球協会(BFJ)が推奨するスコア記入法をマニュアル化し、ここに紹介できることになりました。
BFJの推奨するスコア記入法がマニュアル化されたということで、これからスコアを覚える方は、この書籍を参考にしたほうが良いと思う。
ボールカウントの記号の書き方は、ストライクがX、ボールが●、ファールが△で、これは慶應式のNPBの公式記録の記号とも一致している。
この本のいいところは、タイブレークのときのスコアの書き方を説明していること。わたしはタイブレークをどうやって書こうかと迷っていたので、役に立った。
そして、公認野球規則の9.00記録に関する規則の解説がなされているところ。ルールの中で最も難しい、自責点の解説もされているので、非常に助かる。
自分の趣味なら自分でわかれば良い
スコアをつけるひとは様々だ。公式記録員、チームのスコアラー、スポーツ記者などは、情報を共有する必要があるので、ルールに則った書き方をしなければならない。
だが、個人的な趣味でスコアをつける人は、自分の好きなようにつければよい。私は早慶ハイブリッドなつけ方がわかりやすいと思っている。
スコアを趣味にしている方が、どのようなスコアの書き方をしているのか、とても興味がある。
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