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銀行融資における金利相場~妥当な水準と金利交渉をするために~

こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。

自社の銀行融資の金利はどうなのか気になっていても、経営者仲間に「金利どのくらいで借りている?」とは聞きにくいものです。
今回は、どんな金利水準で借入ができていたら普通なのか、はたまた高いのかなどについて解説を行っていきます。

融資にお悩みの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
(※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください)


銀行の貸出金利の決め方は?

銀行の貸出金利の決め方は?

貸出金利とは、銀行が顧客に貸出しを行う際の利子率のことです。 利子を上乗せして貸し出すことにより、銀行は利益を得ています。

  • 格付け

  • 他行状況

  • 取引振り

  • 将来性

  • 借入残高

金利を決定するに当たって上記のようなキーワードがあります。
一つずつ見ていきましょう。

格付け

企業の格付けは、金利を決める際の基本です。格付け毎に、基本となる金利表が銀行内にあります。
格付けが上がれば金利は下がりやすく、交渉も行いやすくなります。

他行状況

A銀行の金利に対して、B銀行が頑張って低い金利提示を行ってきたとします。A銀行としては、今後の取引維持を図るためB銀行の金利になるべく近づける、またはそれ以上に引き下げる対応を行うことがあります。

1行取引よりも、複数の銀行と付き合った方が良い理由もここにあります。
1行取引については、以下の記事でも詳しく解説しています。

取引振り

融資取引だけではなく、預金取引や社長個人における預金、投資信託や保険、住宅ローンなど複合取引を行っていると、総合的に判断して金利を通常よりも低めに対応をしてくれます。
融資取引だけではなく、こういった様々な取引を行うことで有利な借入条件を引き出せる可能性があります。

将来性

決算書の情報だけではなく、近い将来に売上利益が順調に推移することが見込まれ、他行に先駆けて優良な条件で取引を盤石にしたいといったような
思惑があった場合に、有利な条件提示を受けられる可能性があります。
自社の近い将来性について、しっかり伝えることも重要です。

「近い将来性」と書きましたが、数年後は不確実と銀行は捉えることから、直近の融資に影響を与えるのは数か月後から長くて1年後くらいの情報と考えておきましょう。

借入残高

最後に借入残高について解説します。
銀行はとにかく薄利多売のビジネスなので、できればたくさん貸出を行いたいのです。
また、貸出500万円の企業に1%を切るような融資を行っても、銀行は5万円しか利息収入がありません。逆に、貸出1億円の企業であれば、1%で貸しても100万円の利息収入があります。

このように、ある程度の貸出残高がないと、低金利の提案を受けることは難しいです。残高も大事と覚えておきましょう。

金利の考え方

金利の考え方

ここでは、金利の考え方を紹介します。
自社の金利が安いか、高いかを判断する基準として参考にしてみてください。

ゼロ%台での融資は優秀

「0.〇〇%」などゼロ%台で融資が受けられているのは、とても優秀な企業だと思います。金利がこれだけ低いと、かなりの好条件です。
ほぼタダのような金利なわけですから、銀行からすると金庫にお金を入れておくくらいなら、当社に預けようといった意味合いになります。

ゼロ%台を目指している経営者の方々、そういう目線で見た時に御社はいかがでしょうか。

保証会社の保証料も実質金利として含めて考える

金利について考える際は、単純な金利だけではなく保証会社の保証料も実質金利として含める必要があります。
融資を受ける際、保証協会の保証付き融資というケースもあるはずです。

例えばですが、
「社長!今回の金利は0.8%にしておきます。」
と担当者から言われたとしましょう。
実際には保証料が0.5~1%程度かかっているので、実質金利は1%中盤から後半ということになります。

それじゃだめじゃないか!
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、保証付き融資の良いところはそこそこの金利で超長期の融資期間を取れることです。
プロパー融資の場合は長くて5年が限度と言われていますが、保証付き融資の場合は7年、場合によっては10年の融資期間を取ることができます。
会社のことを考えるのであれば、金利よりもキャッシュフローを意識して頂きたいです。

最近は融資手数料やコベナンツ手数料がある

最近では、融資実行の際に融資手数料やコベナンツ手数料といわれるものが設定される機会が増えてきました。
これは、銀行内で収益を意識した取り組みです。
この手数料を交渉して無くす、もしくは減らすことを目指すのも長期的に重要です。

しかし、目先の融資については、手数料まで加味して実質金利を計算することも大事ではないでしょうか。

中小零細企業は実質金利3%に納まっていれば適正

結論が、こちらになります。保証料や手数料を加味して、3%に納まっていれば適正だと私は思います。
通常の保証付き融資については、金利2%+保証料1%前後のイメージです。

金利を下げるためのイメージ

金利を下げるためのイメージ

ここでは、金利を下げるイメージについて解説します。

業績及び財務の良化

業績という部分では、常に増収になる必要はありません。
一定の売上を維持しつつ、毎期安定して利益を出し続けることが重要です。
この際に、銀行格付けはキャッシュフローが最重要なので、前年の決算書よりも預金残高が増えていることを確認できるとより良いでしょう。

財務としては、

  • 社長や関連会社などへの貸付が発生していない

  • 不明瞭な支払いや取引がない

  • 融資金が本業以外に利用されていない

といったことが挙げられます。

融資利用金額

業績や財務が素晴らしくとも、例えば1,000万円しか(あえて「しか」といいます)借りてくれない企業に0.5%で融資はしません。

それはなぜか?
御社の事業に当てはめてみて頂きたいのですが、1,000万円の0.5%は5万円です。銀行は1,000万円の稟議も1億円の稟議も、基本的にはやることは同じなので、金額が大きい(利息が多くもらえる)融資を優先して行います。

一定の融資金額を利用しないと、このような低金利での提案は難しいと思っておいてください。

融資のお悩みは弊社にご相談ください

自社の融資条件は客観的にどうなのだろうか?
これだけ借りている中でどうして金利が下がらないのだろうか?
銀行の取引条件を良くするために今できることは何だろうか?

こういったご相談は常に頂いております。
まずはご相談頂けると幸いです。

相談に関する質問については、以下の記事でお答えしています。

お問い合わせは、DMもしくは問い合わせフォームからお願い致します。

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主に銀行融資関係(資金調達)のコンサルを行っています。

資金調達が出来た際の成功報酬は基本的に頂いておりません
理由としては・・・
・1度融資を利用する企業は、その後、2回目、3回目と利用があります。
・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

お客様によりますが、御社での私の名刺を作ってもらい、銀行対応全般をお任せ頂いております。
銀行対応において、代表者や責任者の方にご同席頂くのは、基本的に初面談時と契約時のみです。
融資実行までの中間の交渉は、全て私がお引き受けします。
(金融機関や個別対応でお受けできない場合もあります。)
CFO的な立ち位置で長きに渡りお役に立てればと思います。
創業融資のお問い合わせも多く頂いております。(R3年実績30社程度)

創業計画書の書き方にお悩みではないでしょうか?
大口の資金調達のコーディネートも行います。
これから事業が大きく成長する中で、どのように銀行と付き合おっていくべきかお悩みではないでしょうか?
収益物件購入、不動産業者、保険営業マンからのご相談もあります。

ご自身では分からない銀行のこと、たくさんあります。
銀行内には独自のルールや文化が満ちあふれています。

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