一行取引をおすすめしない理由。先々まで考えたお付き合いをしよう
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
「うちは〇〇銀行さん(〇〇信金さん)とずっと取引しているよ。
だからお宅とは新しく取引を始めるつもりはないんだ。」
私自身、銀行員時代に新規営業を行なっていた際に良く言われた断り文句です。
〇〇銀行さんと長く付き合っているのに、他の銀行を使うなんて裏切るような気持ちになってしまう経営者を見かけます。もちろん、これは素晴らしいことですが、一行取引をしていて本当に良いのでしょうか?
今回は、一行取引をおすすめしない理由とともに、先々まで考えたお付き合いの仕方を紹介します。
一行取引とは
まずは、一行取引がどのようなものを指すのが解説します。
1つの銀行との融資取引をすること
一行取引とは、1つの銀行に絞って融資取引をすることです。1つの銀行とだけ取引をすることで、融資交渉や審査の申し込みも1回で済みます。
「ずっと付き合ってきた銀行さんだから…」と一行取引をしたくなる気持ちは分かりますが、長く経営を続けていくのであれば複数の銀行と関係を持つのがおすすめです。
一行取引のメリット・デメリット
一行取引のメリットとしては、融資交渉や審査の申し込みを複数回する必要がない点が挙げられます。長く付き合いを続けていけば、融通が利きやすくなるのもメリットです。
一方、一行取引にはデメリットもあります。融資の選択肢が狭まるため、適切な内容の融資が受けられない可能性があるでしょう。また、大手銀行であっても、予想できない事態が起こるケースもあり、注意が必要です。
一行取引について私が考えること
私が銀行員時代にこの関係を覆すためには一定の条件が必要でした。
定期的に訪問し何とか信頼関係を勝ち取る
友人や親戚と繋がりがある
業績が悪化してきて銀行との信頼関係が揺らいだ
(経営者が不安に思ってきた)
3番の例の通りなのですが、不安になって初めて銀行を増やそうと思うのです。果たしてそれは、今まで筋を通してきたと思っている経営者のやるべき行動なのでしょうか?
「本当に困ってきたから新しい〇〇銀行さん何かできる?」と新たな銀行に相談しても、無理があります。経営が安定しているときから、2~3行の金融機関と取引をしていれば…と思ってからでは遅いのです。
バランスの良い銀行取引を目指しましょう。それぞれの銀行の担当者には、融資残高などノルマがあります。自分で出来るなら、自分で融資実行をしたいはずです。そういう営業をしてきます。
一行取引が絶対にダメなわけではありませんが、これからの経営を見据えていくのであれば、2~3行の金融機関と関係を築いておくのがおすすめです。
一行取引をおすすめしない理由
一行取引をおすすめしない理由としては、以下のようなものがあります。
一定の融資額を超えると融資が受けにくくなる
メインバンクの動向に左右されやすい
借入条件の交渉がしづらい
それぞれの内容を解説します。
一定の融資額を超えると融資が受けにくくなる
1つの銀行のみと取引をしている場合は、一定の融資額を超えると融資が受けにくくなる可能性があります。
そのため、追加融資を受けたいと思っても審査が通らなかったり、思っていた金額が借りられなかったりするケースもあるでしょう。
メインバンクの動向に左右されやすい
一行取引をしている場合、担当者変更や方針の転換などメインバンクの動向に左右されやすくなります。また、リスクを分散できない点も大きなデメリットです。
複数の銀行と取引があれば、リスクを分散させながら安定した取引を行うことができます。何らかの事情でメインバンクからの融資がストップしても、別の銀行に乗り換えることが可能です。
借入条件の交渉がしづらい
融資を受ける際には、借り入れ条件の交渉をします。しかし、一行取引をしていると他の銀行と比較ができず、交渉材料もありません。
そのため、銀行が提示してきた借り入れ条件をそのまま受け入れることになります。より良い条件で融資を受けるためにも、やはり複数の銀行と関係を築いておくのがおすすめです。
複数の銀行と関係を築こう
各行の取引シェアを維持しつつ、今も将来も安定した銀行取引を目指すためには、普段の営業活動に邁進している経営者が全てを行なうのはなかなか無理があります。
安定した銀行取引をしたいと考えている場合は、ぜひ一度ご相談ください。初回30分は無料で相談可能です。密なコミュニケーションを取りながら、将来を見据えた関係を構築していきましょう。
相談に関する「よくある質問」については、以下の記事に詳しく記載しています。
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