後発医薬品の回収騒ぎで色々と思うこと

大変久しぶりの投稿です。

タイトルのとおり、先日より、後発医薬品の回収騒ぎが起きています。

下記のリンクの記事に記載のとおりなのですが・・・

共和クリティケアが受託製造するソフトバッグ製剤に環境モニタリング試験の不備

が事の発端のようです。

なぜか、共和クリティケアの問題なのに、複数メーカーの製品が影響を受けています。

どうやら、後発医薬品のうち、ソフトバッグ製剤をこちらに生産を任していたようです。

今回、委受託生産の後発医薬品について問題が出ていますが、私なりにいくつか疑問(問題点?)があったので、書いていこうと思います。

1)製造場所は委託していても記載しない?

影響を受けている側の添付文書やインタビューフォーム等をいくつかの製品に関して確認をしてみたのですが、製造が共和クリティカルケアとは一切記載されていません。後発品、こんなことで良いのですかね?

食品でも、明らかに自社生産では無い場合でも、製造場所を記載していないので、そういうルールが医薬品にもあるんでしょう(私の調査不足でよくわかりませんでした・・・)。

でも、安定供給やら、製造工程とかの内容に関わるので、製造がどこでしているのかぐらいは医薬品なので記載しておいて欲しいですね・・・。

2)委受託生産時の確認?

後発医薬品の受託生産に関して、少し調べてみました。

下記リンクに医薬品品質フォーラムシンポジウムの資料が掲載されています。

医薬品品質フォーラムシンポジウムは国立医薬品食品衛生研究所の管轄で行っているものなので、怪しくはないです(恥ずかしながら、私も本日調べていて初めてしりました・・・)

本資料は、委受託生産の課題について調査した内容(なぜ中止したか、なぜ導入したか、導入に際して何を気にしているかなど)を記載されています。この中で、品質管理部門が監査するということが度々述べられています。つまり、委託しているメーカーは医薬品の品質管理を行っているはずなんです。

下記リンクには、直近の回収(今回の共和クリティカルケア絡みのが掲載されています。7月27日、28日、29日のソフトバッグ製剤がほとんど該当)に関して記載されています。

リンクの内容を確認すると、

ソフトバッグ製剤の薬液充填エリアなどで環境モニタリング試験に不備がある事が判明致しました。
全てのロットで出荷判定試験に適合していることは確認しておりますが、製品品質への影響がないことを
完全に否定することができないことから、自主回収いたします。(7月27日掲載の沢井製薬分)

と記載されています。つまり、出荷前の段階は確認していて問題なかったけど、途中のことはわからんので、影響無いとは思うけど、回収しますってところでしょうか・・・。

監査がされているはずなのに、出口の部分しか確認されていないってことなんですよ。

しかも、期間が2017年内からなので、数年単位、出口の製品しか見られていないってことですよね?

複数メーカーが委託しているのに、同じような状況ってことですね・・・。

医薬品のことなので、あえて厳しくいいますが、これって問題じゃないですか?後発品メーカーさん、こんなことで良いんですかね?

3)問題のあったメーカーの回収が後出し

これもどういう経緯なのかは分かりませんが、下記リンクをみると

7月27日には沢井製薬、東和が回収の情報を出しているにもかかわらず、当の本人である、共和クリティカルケアは後出しで28日に回収情報が出ています・・・。なんか事情があったのか、出口の確認では問題ないことから、他メーカーが回収を出すとは思わなかったのか良く分かりませんが、正直印象は良く無い・・・。

後発品メーカーに思うこと

後発品メーカーは、企業努力で、非常に薬価の安いものまで世に供給してくれているので、大変素晴らしいとは思っています。

しかし、現在までも供給が不安定になったり、急に販売を中止してみたり、今回のような製造工程の不備による回収など、何回も困らされています。代替薬(先発品含む)が手に入らない場合も多数あり、本当に現場の医療機関は困ります。

値段が安いのは重々分かりますが、安かろう悪かろうではなく、安くて良いものを安定して供給をして欲しいと、医療現場の一薬剤師からお願いしたいと思います。

切なる思いです・・・。


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