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薄紅

これまで沢山のアイドルと生きてきた。応援したいと思って追いかけたひと、今も一緒に生きているひと、ここまでねと見送ったひと、いろんなひとと、いろんな暮らしがあった。

ついつい「落ちる」という言葉を使ってしまうけど、これほどまでに訳も分からず、気づいたら落ちてしまっていたのは、この人が初めてだったように思う。

というのも、これまでの私の「落ちる」タイミングは「出会った瞬間」だった。典型的な一目惚れタイプ(前回のジウンさんも一目惚れでしたね)。
昔から知っていた人だったとしてもアイドルとしてのその人に初めて出会ったりした瞬間に落ちてた。だから、昔から知っていてアイドルしての姿を見ていたのにどうして今?という落ち方はしたことなかった。




JO1 川西拓実くん。きっと出会うはずではなかった、私の人生の想定外の話をします。


彼のことは5年前のオーディションの時から知っていて、番組も見ていたし(もちろん違う人に投票していた)、それから幼馴染の影響で一緒に音楽番組諸々沢山見てきた。私の中でJO1は、大切な幼馴染と一緒に生きているひとたち。いつも幸せそうにしている彼女をみて、幼馴染をこんなに幸せにしてくれてありがとうJO1…だった。
グループ全員の顔と名前もいくつか曲も知ってる。MVを見たり、バラエティを見たり、でも遠くから眺めているだけでファンではなかった。幼馴染がもう身内のような子だから、JO1も親戚の子たちだった(違いますよ)。
だから半年前別の友人に「このひと好きじゃない?」と名指しで勧められても、ピンとこなかったどころか刺さらなすぎて、たぶん、他のメンバーの方が私好きそうじゃないかな…と思ったりしていた。そう、この時名指しされていたのが川西拓実くんだったわけなんですが。

ジウンさんと出会ってから、なぜか友人はものすごい勢いで私に拓実くんを勧めてきた。友人曰く「ジウンさんが好きなら拓実も好きだと思う」。と言っても勧めるどころの騒ぎではない、何としてでも私に好きになってほしい勢いの凄さ。友人は私と一緒に追いかけたかったそう(こうやって聞くとかわいいけどね)(今ライン見返しても大笑いしてしまう、毎日のように送られてくる川西拓実。私はゼロベースワンの話をしているのに、矢継ぎ早に「それが好きならこの拓実も好きでしょ」が返ってくる本気)

友人に教えてもらっていなければ私は拓実くんに出会い直すことはなかったので、今となっては本当に感謝。なんで最初から名指しで勧めていたのかについては「凪には拓実しかいなかった」と語っていました。私でも私に初手拓実くんは勧めないので、友人の先見の名というか、わたしのことを完全に理解っているところ、完敗。

「グループの中だったら拓実くんがいちばん好き」
「友人と一緒にライブに行きたいから私も好きになりたい」と、友人のために見ていた彼を、自分のために見るようになったのはいつからだっただろうか。

どうして好きになったか、を説明できない。それを何年先にも残しておくために私は私に「好きな人ができたらブログとファンレターを書く」ことを課しているのに、彼に出会って好きになった理由がいちばんわからない。(ファンレターは母国語がおんなじひとじゃないと書けないけど…だから今回は書けてしまいますね)

たぶん新曲のMVだとは思うんだけど、明確にそのタイミングだと言えない。本当はずっと前から好きになっていたような気もするし、新曲よりもう少し後だったかもしれない。

好きになってしまったかもしれないと思った私が次に考えたことは、でも、まだ戻れると思う、だった。
これ以上大切なひとやものが増えてしまうことが怖かった。やっぱりまだ、あの日のことを何も消化できていない。世界で一番好きな人が、世界で一番好きなグループを離れると言った日のこと。貴方たちだからついて行きたい、ずっと一緒に生きていきたいんだよと泣いた夜のこと。大切なものが増えていけばいくほど、今年の私みたいに手放すときが来てしまう。

この時の私は進むのか戻るのかを自分で決めることができたんだと思う。一目惚れではなかったから。いつもみたいな落ち方をしてしまえば、もう自分で決めることはできないので覚悟を決めて一緒に生きていくのみだから。あと、ほんの少し悔しかったりもした。好きにならないと思っていた彼を、こんなに好きになってしまったこと。好きかもしれないと思うとき、大抵はもう好きになっているんだと思う。

どうするのか決めなきゃいけないと思いながら、あなたのことばかり考えてしまっていたし、知りたくてあなたの名前ばかり目につくようになってしまう。沢山の姿を、パフォーマンスを見たい。どんな人なのか気になってしまう。感電のような出会いではなく、少しずつ気になってしまう恋のようだった。

そうやって、このままこの人のことを好きになってもいいのかなと悩み始めた。もうとっくに落ちてしまっている合図だと思った。
こんなことを悩んでいる私に幼馴染は電話をかけてきて、安心して飛び込んでおいでと笑った。アイドルへの信頼とか、信じていたものとか、永遠とか、そういうもの全てはもう分からないけれど、彼女は「拓実は凪のことを幸せにしてくれるひとだよ。私が言うんだから、私のことを信じればいいよ」と言った。怖いとか考えてるよりも、安心して好きになっていいんだよ、と背中を押してもらったみたいで。それから自然と彼のことを好きと言えるようになった。彼女たちは、こんなことで悩んでいるよりも今を楽しんだ方が絶対にいいと強く言ってくれた。

好きだと覚悟を決めてからはあっという間だった。自分でも面白くて笑ってしまうほど、拓実くんのことがもうすっかり大好きだった。好きになってからは何を見ても何を聞いても私を楽しくしてくれたし、笑わせてくれて、もっと好きにさせてくれた。

でもなんで好きになったかは分からない。この人をこの先一生好きで居続ける自信も、一生着いていくよと言い切れる気持ちも、なんにも手元にないんだけれど。それでも、もう大好きだった。この先の彼を知らずに生きていくことはもうできなかった。


アイドルって出会い直しがある。それもまた、ひとつの運命なのかもしれない。
拓実くんは私の人生でたったひとりの想定外のひとかもしれない。少なくとも、今のところはそう。長年この生活をしていて、こんなに想定外だったのは初めてで、やっぱりこういう出会いがあるから人生って何が起きるか分からなくて楽しい。

「人は出会うべき時に出会うべき人に出会う」
大好きな先輩にもらった言葉を大事に抱きしめているのだけれど、多分、これに当てはまらないひと。
私が好きな人たちの、誰とも重ねられないひと。

この春ジウンさんと出会った時に「きっとこれが運命のひとなんだな」って、すとんと落ちてきたような感覚、拓実くんに対して全くない。笑ってしまうくらい、清々しいほど、ない(書いていて自分でも笑ってしまう)

だから分からなくて、分からないのにどんどん好きになってしまう。
きっとこれからももっと好きになれる余地ばかりのひとなんだろうなと、ぼんやり思っている。きっと私の暮らしも楽しくなる。そんなことを思えて嬉しい。

生まれ変わっても拓実くんと出会うだろうなとは思わない。多分、今の私が今だからこそ出会い直して、その魅力に気づいて魅せられていると思うから。今だけでもいい。このお暇の間だけでもいいから、JO1で笑う拓実くんのことを見つめていたい。

訳も分からないまま私のことをこんなに夢中にさせてるんだから、本当恐ろしいひとですよ、拓実くんって。そんな彼を追いかけてみたら、もっと面白いことが起こりそうで、私も知らない私に出会えそうな気がしています。

というわけで、思いがけず私の人生に飛び込んできてくれた、たったひとりの想定外。川西拓実くん。
この先のことなんてなんにも誰も分からないけれど、よかったら私にも拓実くんとJO1の旅路を共にさせてください。

まさか、2ヶ月連続で書くと思わなかったね。5年ぶりに新しくアイドルを好きになった時点で自分に驚いていたのに、なぜか拓実くんまで。こんな人生誰が予測できたんでしょうか。わたしの暮らし、失くしてばっかりじゃなかった。きっとまだまだこれから楽しくなる余地ばかりだね。

2024.5

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