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カンパーニュ、焼きました。

カンパーニュ。田舎パン。
これを、どかんと1個、焼けるようになるのが、ちょっと夢だった。

某大手パン教室にもいったし、本を読みあさったり、試行錯誤して、何度も作って失敗して(笑)
最近になってようやく納得がいくカンパーニュが焼けるようになったかな。

何度もトライしてわかったことは、
「美味しいカンパーニュは時間かけなきゃ作れない」
ってこと。
だから「2時間」とか時間が限られちゃうパン教室では、美味しいカンパーニュの焼き方を教えてもらうのは難しいかもしれない。でも発酵の見極めとか、基礎がわかってないともっとできないから、パン教室でひととおりは習ったほうがいいと思うな、うん。

いりあが焼いているカンパーニュは、ナショナルデパートの「四季のカンパーニュとライ麦のパン」のレシピをアレンジしたもの。
半日かけて発酵種を起こして、それを配合した中種と外種をそれぞれ別に捏ねて1次発酵。丸めた中種を平たくのした外種に包んで成形して2次発酵・・・という流れ。

「発酵種」といっても材料は小麦粉と塩とイーストとお湯。
それを混ぜるだけ。
あ、このカンパーニュは砂糖とかバターなどは全く入っていないんですよ。
砂糖はイーストが膨らむためのごはんになるのだけど、それが全く入っていないから、発酵種を配合してブースターにしているのだと思っています。

こちらは、朝、作った発酵種。
粉は準強力粉のトラディッショナルで。

それが夕方にはこんな感じ。しっかりイーストも香ってる。
このくらいになっていれば発酵種はOK。

まずは中種から。
半量の小麦粉と、イーストと発酵種と塩。
実にシンプル。
これにお湯を足してゆるめていく。

ゆるめた中種にレーズンとローストしたクルミを混ぜ込んでいく。
レーズンは二種類。赤いのはジュエリーレーズン。普通のレーズンよりちょっと酸味があるから、味も見た目もアクセントになる。

よく混ぜたら、更に半量の粉を足して。
後はひとまとめにしたら台に出して「捏ねる」のではなく、打ち粉をしながら2つ折りに「たたんで」いく。
たたむ度に生地をくっつけるように上から押さえて、
90度回転させて、またたたんで、を3~4回。
これで、「捏ね」は終了。
1次発酵は季節によるけど、40℃40~50分ぐらい。

外種の生地も同様に。
小麦粉の量は中種の生地の半分だからひとまわり小さいし、
クルミなどの混ぜ物もないからもっと簡単。
ぱぱっとまとめたら、中種の生地の発酵と同時進行で発酵させていく。
で、1次発酵終わった状態がこんな感じ。

クルミなどが入った中種は軽くガス抜きしたら丸めなおして。
外種はめん棒で円形にのしていく。
そこに綴じ目を上にした中種を置いて、包んでいく。
割と大雑把。それでも大丈夫(笑)


粉ふっておいた発酵ザルに綴じ目を上にして入れて2次発酵へ。
こちらもじっくりゆっくり発酵。40℃ 35~40分ぐらいかな。
まあ、1.5倍ぐらいなっていればヨシ。こんなもん。

2次発酵が終わったら、クッキングシートをかぶせてひっくりかえす。
天板の上に出して、発酵ザルをとりはずすと、ザルの模様が浮き出ている。

クープでカッコよく十字な切り込みを入れて、
ぱりっと焼き上げるために、全体に霧吹きをする。
焼成220℃40分。途中20分で、奥と手前入れ替え。

焼き上がりをオーブンから出すと、ぱちぱち歌を歌っていました。
何度もいいますが、美味しいパンは歌を歌うんですよ。
録画してみたから、あとで耳を澄まして聞いてみて。

翌日の朝、外側の皮を爪ではじくと、こんこんといい音。
しっかり冷めたのを見計らって、カンパーニュ、開腹。
おお、よい感じ。クラム(気泡)も上手に入っている。
ずっしり、重い。「田舎パン」って感じ。

砂糖はまったく入っていないけれど、だからこそ、レーズンの甘さ、ジュエリーレーズンの甘酸っぱさが引き立ちます。
このまま食べてもいいけれど、軽く焼いてクリームチーズのせて食べてもスペシャルな感じでよいかも。

そういえば最近は、ぱんだのぱんやさんだったり、誰かにプレゼントするために焼いたりすることが多くて「自分が美味しく食べるため」に焼いてなかったな」と、カンパーニュをもぐもぐしながら、しみじみと思ったり。

練習でもなく、純粋に自分が食べるために焼いたパン。
それって「きまぐれパン職人いりあ」の原点だったな。

うん。これからも楽しくパンを焼いていこうと思いますよ。

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