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J3第1節 盛岡vs愛媛

こんにちは。今回は3月5日に開幕したJ3リーグのいわてグルージャ盛岡と愛媛FCのマッチレビューになります。
普段は主にエスパルス関連の試合のレビューをしていますが、今シーズンは松原監督がどんなサッカーをするのか興味がありグルージャの試合を追っかけたいと思います。
まだ選手の顔と背番号とポジションが一致していませんが、グルージャサポの皆さんどうぞ宜しくお願いします。
ではまずは両チームのフォーメーションです。

対戦相手の選手名は省きます

こちらはセットした時の守備の基本フォーメーションです。グルージャが442、愛媛が4231でした。(間違いあったらスミマセン)
そしてグルージャがボールを持った時は

このように433の形で、ビルドアップは基本的にGKとCBとアンカーの4人で行っていました。
では主に得点シーンを見ながら試合を振り返ります。(選手の敬称は略します)

セットプレーの狙い

試合は前半6分にグルージャがCKからいきなり先制します。このCKはしっかりとデザインされていて

このようにゴール前にわざとスペースを空けてドウグラスや桐が囮になって、そのスペースに宮市がマークを振り切ってフリーで飛び込めるように設計されたものでした。

愛媛としてはどうしても先に動くドウグラスや他の選手に釣られてしまうので、ボールも良かったですし、分かっていても止めるのが難しかったと思います。
そしてグルージャの3点目と4点目もセットプレーから。この2得点はほぼ同じで、FKの位置は多少違いますが愛媛のディフェンスの大外に2人置く形にして(ポイントとなる選手以外と愛媛の選手の並びは適当です)、

3点目
4点目

そこから宮市がフリーでヘディングできるように田代が相手DFを引き付けます

4点目

3点目は宮市が落としたボールからゴール前で田代が押し込んで、4点目は宮市がそのままヘディングを叩き込みました。
愛媛のマークの仕方がよく分かりませんでしたが(しかも2回とも同じ)、CKもこのFKも狙い通りの得点だったと思います。

ボール保持と攻撃の狙い

次にグルージャがボールを持った時の狙いを見ていきます。これは2点目と5点目に表れていて、グルージャの方はGKからボールを繋いで攻撃をスタートさせます。DAZNの実況によると今年のグルージャはパスを繋ぐサッカーを目指しているとの事でした。
パスを繋ぐサッカーというと細かく華麗なパスワークで相手を崩していくイメージですが、グルージャの狙いはそれとは少し違ってボールを動かす事で相手を動かして、空いたスペースを使っていきます。
2点目のシーンですが

2点目

左サイドでボールを動かして一旦下げます。そして愛媛がプレスに来てディフェンスラインが上がったとこを狙います。

2点目

この相手を動かしてその裏のスペースに長いボールを入れていくのは2点目の前にも何回かあって、先制点も宮市が下がってSBを引き付けてその裏にドウグラスが走り込んで得たCKからでした。
後ろでパスを回して詰まった時はドウグラスや宮市にポストプレーをさせるロングボールもありますが、それを起点に攻撃するというよりは裏を狙う方をチームとしては狙っていると思います。
5点目は新保の直接FKでしたが、そこまでの流れは

5点目

GKからボールを繋いで愛媛のプレスを剥がしていきます。

5点目

最初は低い位置にいた新保が上がっていって桐が降ります。ここから

5点目

愛媛のSBが桐を捕まえに行って空いたスペースへ新保が走り込みます。ここから中央へ折り返したところを愛媛がファウルしてFK獲得というものでした。
上記の図を見てもらうと桐と新保の位置だけでなく中盤の3人もポジションを移動していること、またCBが開いてGKとボランチと4人でパスを回しやすくしている事、また愛媛のディフェンスが1人で2人を見なければならない状態になっている事が分かるかと思います。
愛媛の守備がちょっと良くないんですが、それでもグルージャの方はしっかりとチームとしての意図を持ってボールを回す事ができていました。

プレスの仕方

だいぶ長くなってしまいましたが、最後にグルージャがどんなプレスをしていたか見ていきます。
GKまでプレスに出ることもありましたが、基本的にはミドルゾーンでセットして相手CBがボールを持ったところから制限を掛けていきます。

(桐と和田の位置が間違いで逆です)

愛媛の左CBがボールを持ったらドウグラスが寄せてきます。和田が相手ボランチを抑えていますが、右のCBにボールが出たらボランチへのコースを切りながらプレスを掛けます。ここで後ろも連動して相手を捕まえて苦し紛れで出したボールを回収します。これは特に前半かなり効果的にできていました。
このプレスが上手くいったのは愛媛の方にも問題があって、愛媛の左SBがビルドアップに加わっているんですが、CBやドウグラスに近い場所にポジションを取るのでドウグラスがこの左SBとCBを両方見れる形になっていました。もし左SBがもっと開いていて後ろでボールを回してグルージャの守備を揺さぶっていたら

このように宮市を引っ張りだすことができて前進できていたのではないかと思います(偶然な感じで1回ありましが)。

雑感


これまで見てきたようにグルージャは準備してきた事とチームの狙いのほぼ全てが上手くいった試合だったと思います。
選手達もやろうとする事を迷いなく出来ている感じで、開幕戦にして素晴らしいチームになっているなぁと思いました。

松原監督は以前に「前からプレスに行きたい」とコメントしていたのでどうなるのかと思っていましたが、いい意味で予想を裏切ってくれました。「ポゼッションをしたい、前から奪いにいきたい」と言って失敗するのはエスパルスOB監督あるあるで、昨年はそれでチームを降格させたユースの監督がいたので最初はその二の舞になるかと思っていましたが、そんな事は全く無かったです(笑)

まだ開幕の1試合だけですし他のチームの事は分からないですが、これからもグルージャの試合を見るのを楽しみにしたいと思います。
(最初ということでかなりボリュームが大きくなってしまいましたが、次からはもっと文字数減ると思います)

では今回はこの辺で、読んでいただき有難うございました。


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