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エスパルスユースvsサガン鳥栖U‐18

こんにちは、今回は10月8日に行われたユースの試合のレビューになります。
まず両チームの基本(守備の時の)フォーメーション。

ボールを持った時はお互い形が変わるので、あまりこの表記に意味はないかもしれませんが、守備の時はお互い4-4-2でした。


エスパルスの攻め手

ではここからは両チームの攻め方を見ていきます。まずエスパルスの方ですが

後ろでボールを持ったらそこから繋いで崩していくという事はあまりせずに、最終ラインから長いボールを前線に入れてそれをFWが収めるかこぼれ球を拾ったところを起点にそこから展開するか、直接SHに長いボールを送ってSHの突破力を生かしたりSBとの連携でサイドから攻めようとします。
エスパルスのSHやFWの選手の能力は高くボールを収める事ができ、それを強みにしてゴールを狙う意識がチームとしてあったと思います。また鳥栖が前からボールを奪おうとする姿勢でしたので、鳥栖の最終ラインと中盤の間にスペースが出来やすく、そこを上手く使う事ができていました。
ただ鳥栖の戻りも早く1対1の場面で少し時間が掛かったりして相手の守備が揃うので、クロスまではいけますがシュートまでは行けず。
おそらく同点ゴールの30分くらいまでシュートゼロだったと思います。

サガン鳥栖の攻め方


サガン鳥栖ですが、こちらはエスパルスとは対象的に後ろからボールを繋いでエスパルスの守備を動かして崩そうとします。
先制点に至るまでの経緯を見ていくと


エスパルスの守備はFWの2人がボランチを交互に見ながら相手CBにプレスを掛けるようにしていました。しかし鳥栖はGKもビルドアップに参加するのである程度余裕を持ってボールを回せます。そしてここでエスパルスの守備に問題があって

鳥栖の選手がCBに戻そうとするとボランチに付いていたFWが離れてCBに向かってしまい、鳥栖のボランチがフリーにで前向ける状態になってしまっていました。
鳥栖の先制点もこの形から

鳥栖のCBがボールを持っている所からサイドに展開、エスパルスのFWの1人はボランチを捕まえています。そこから

鳥栖のSBが空いているCBにボールを戻そうとするフリをするとボランチについていたFWがそちらに向かおうとしてボランチが空いてフリーに。ここから

右サイドのスペースに出してマイナスの折り返しから鳥栖が先制点をあげます。
このボランチを離してしまうのはこの後もしばらく続いていて、エスパルスがチームとしてどのようにプレスをしようとしていたのか疑問。

エスパルスのプレスの変化と鳥栖の対応

鳥栖に先制されたエスパルスですがシュートまではいけないものの特にSHがチャンスを作れていて、鳥栖のPA手前のハンドで得たFKから同点に追いつきます。
同点に追いついた後、エスパルスが前線の守備の仕方を変えてきます。それまでFW2人で鳥栖のボランチとCB(とGK)を見ていたのが

図のようにFWの1人は固定してボランチを見てもう1人が片側を切りながらCBに向かうようにしてきます。FWが間に合わない時には

SHが前に出てCBにプレスに向かいます。これによって鳥栖のビルドアップはボランチへ出せなくなったのと片側に押し込められる形になって、エスパルスが何度も高い位置でボールを奪います(10分間で4回くらい)。しかしCKを取ったりもしましたが、シュートまでは持ち込めません。
逆に鳥栖の方はこのエスパルスの守り方に対応していきます

鳥栖の方はボランチから展開できなくなりましが、相手FWが1人で2人のCBをみているのでSBとSHの位置でエスパルスの守備の注意を引き付けてCBからボールを配給。上の図のようにエスパルスの守備の変化に対応して前半の終わりにかけてチャンスを作ります。
しかし鳥栖の方も決定機もありましがゴールは奪えず前半終了します。


鳥栖の2点目と後半

後半も引き続き鳥栖が最終ラインからボールを繋いでいく展開の中で2点目を奪います。最終的にエスパルスのディフェンスの中央を割る形になったこの2点目ですが、そこに至るまでの過程はそれまでと同じで鳥栖がエスパルスの守備の形を見てゴール前までボールを運んだことで生まれました。

序盤と違いFWがボランチについているのでCBが空きます。そして途中からSBが高い位置を取って相手SHを押し下げてCBがフリーでボールを持ちます。そして

エスパルスの守備がスライドしてきたところをサイドチェンジして高い位置で起点を作ります。
ここから中央を崩して2点目を奪いました。

その後エスパルスは右のSHが絶妙なトラップで相手を抜き去ったところから同点に。
またエスパルスの方は前の選手を交代して鳥栖の最終ラインからの繋ぎに対して2度追い3度追いを行い決定機を作ると共に、替わって入ったSHも積極的に仕掛けます。
鳥栖の方は終盤でも繋いでいく意思はあるものの前半程は動けず、また守備でも前から奪いに行く意思はあるものの、それがエスパルス側にスペースを与える結果となってしまっていました。
その様な終盤の中、お互い3点目はPKでしたが鳥栖は後ろからボールを繋いで、エスパルスはトランジションから中盤で粘ってSHに預けてからと、お互いの特徴が出た得点でした。

結果は3-3の引き分けとなりましたが、攻撃の部分で両チームがそれぞれの強みとチームとしてやろうとしたことが表れた試合となったと思います。
では今回はこの辺で。読んで頂き有難うございました。



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