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2023.8.1 理科 力学を学ぶ意義

 力学を学ぶと、どんな良いことがあるのでしょうか。
「物理学入門」(板倉聖宣 江沢洋 著)(P37~38)の記述を元に、少し考えてみたいと思います。
例えば、木片は地上では下に落ちますが、水の中に入れると浮き上がります。この現象をどうとらえるか。
 「自然とはそういうものだ」とありのままに受け入れれば、力学は必要ありません。そういう自然観を持っている人は、様々な社会現象も「社会とはそういうものだ」とありのままに受け入れてしまいます。そういう社会観が支配している社会では、差別問題、貧困問題、戦争など様々な社会問題が存在しても「社会とはそういうものだ」と認識し、「よりよい社会に変えていこう」という考えは生まれません。
 一方、力学の立場は違います。
様々な自然現象の中から、普遍的なもの、根源的なものを取り出して法則化し、その法則を使って自然現象を「物体間の相互作用」ととらえて説明していきます。
そういう自然観を持った人は、社会問題に対しても「普遍的なもの、根源的なものは何か」と思考し、「それがどのようなしくみ(相互作用)で問題化しているのか」と考えを進め、「どうしたらその問題を解決できるか」と解決策を提案することができます。いくつかの解決策がそろえば、それを予想ととらえ、「では実験して確かめてみましょう」となります。
 時の権力者にとって、どちらが都合がいいか。
ガリレオ ガリレイの宗教裁判を見ると明らかですね。


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