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【Raspberry Pi Advent Calendar 2024】中華通販でラズピコ互換ボードを買ってみた

これは Raspberry Pi Advent Calendar 2024 20日目の記事です。


お前は誰

皆さん、ご安全に! arkwです。大学を卒業し、4月から僻地の製造業で勤務中…詳細は X (旧Twitter)ウェブサイト 見て、どうぞ。Misskey (ActivityPub) もやってます。過去のRaspberry Pi Advent Calendarでは ジャンクスキャナを使う話7セグLED+タクトスイッチの話 をしました。
家にはRaspberry Pi 1 Model B+とOrange Pi Zero (ラズパイの中華パチモン) が各1台あります。いい加減リプレースしろって?それはそう…

はじめに

2021年初頭に登場したマイコンボード、Raspberry Pi Pico。通常のRaspberry Piと比べ「Linuxが動かない」「安い」「低消費電力」などの特徴があります。

搭載するチップはRaspberry Pi Foundation独自開発の「RP2040」。TSMC 40nmプロセスで製造されたデュアルコア Cortex-M0+ ARMマイコンです。264KBのRAMも内蔵しますが、プログラムROMは持たないためボードにフラッシュメモリが外付けされています。

そしてこのチップ、実は単体でも買えます。チップ単体で買えるということは…中華通販に互換ボードが売られているのでは?

あ り ま し た
純正品の半値以下でゴロゴロ転がっています。オリジナルが十分安くArduino系と比べお得感には欠けますが、まとめ売りや小型版など商品展開は他マイコンのボードと似たような感じです。

試しに買ってみる

手っ取り早く動作を検証するため、液晶付きのWaveshare製「RP2040-LCD-0.96」を注文しました。購入時点で974円+送料414円の計1,388円。スイッチサイエンスや千石電商も扱っていますが、AliExpressならほぼ半額で購入できます。

配送はアリババグループの独自ネットワークCainiao→ESP→ヤマト運輸が順番に担当。なんと注文から9日、再配達を含め10日で届きました。中国の経済成長とSHEINやTEMUなど一般人向け越境ECブームのおかげで配送時間が大幅短縮されており、ありがたい話です。もはやブラックフライデー需要でパンクする南大阪EC小口オペレーション支店 (関空内のヤマト営業所) が最大の遅延要因になっています。

とは言え、梱包は相変わらずの黄色封筒です。中身も申し訳程度の発泡スチロールと静電気防止機能が無さそうなジッパー袋で雑。

Arduino IDEで動作確認

動作確認には使い慣れたArduino IDEを使用。こちらのブログを参考にセットアップしました。予め設定画面のAdditional boards manager URLsに「https://github.com/earlephilhower/arduino-pico/releases/download/global/package_rp2040_index.json」を入力し、RP2040のボード情報をインストールするところまでは同じですが、プリセット「Generic RP2040」が廃止されているため、代わりに本機専用の「Waveshare RP2040 LCD 0.96」を選択します。

#include <Adafruit_GFX.h> 
#include <Adafruit_ST7735.h>
#include <SPI.h>

#define TFT_DC      8
#define TFT_CS      9
#define TFT_SCLK    10
#define TFT_MOSI    11
#define TFT_RST     12

Adafruit_ST7735 tft = Adafruit_ST7735(&SPI1, TFT_CS, TFT_DC, TFT_RST);

void setup(void)  {
  SPI1.setTX(TFT_MOSI);
  SPI1.setSCK(TFT_SCLK);
  tft.initR(INITR_MINI160x80_PLUGIN);
  tft.fillScreen(ST77XX_BLACK);
  tft.setCursor(0, 0);                   
  tft.setTextSize(2);
  tft.setRotation(3);
  tft.setTextColor(ST77XX_YELLOW);
  tft.print("Hello, world!");
}

void loop() {
}

Hello, world! のソースコードはこんな感じ。画面表示には同じ液晶を使用するAdafruit製ボードのライブラリ「Adafruit GFX Library」「Adafruit ST7735 and ST7789 Library」がそのまま使えます。Uploadボタンを押してから30秒程度でビルドが完了し、基板上のボタンを操作することなくマイコンへ書き込まれました。一瞬だけUSBドライブとして認識、エクスプローラを表示する挙動がラズピコっぽい。

ちなみに接続端子は本家と同じMicroUSBでなく、USB Type-Cを採用しています。BIG LOVE…

まとめ

以上、中華ラズピコのレビューでした。RP2040は133MHzのデュアルコアCPUを搭載しており、7~8年前に一世を風靡した (?) 偽Arduino UNOのカスみたいな性能と比べて隔世の感があります。Wi-FiやBluetoothを内蔵しない分、技適ガチャに怯えず済む点もポイント。STM32やESP32と並ぶ中華マイコンボードの搭載チップとして、今後の更なる低価格化やバリエーション展開に期待しています。

今年11月にESP32の開発元、Espressif本社 (中国・上海) を巡礼しました

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