サハラマラソン挑戦記vol.6
@marathondessables
2023.4.24 夜編
〜砂漠に届くメッセージ〜
■2nd Stage後
何のために走りにきたのか、それを見失った僕はテントの中、静かに横になっていた。
ぐるぐると思考が巡る。
日本人一位
世界への挑戦
@tomomi_challenger のゴールシーン撮影
このままでは何一つできないまま終わってしまうのではないか。
サハラに行って、走って完走して、それだけ。
確かに、走る前は「【所詮】マラソンでしょ?」と。
1日3〜40kmパーっと走って終わるんじゃないか?と舐め切っていた。
現実はどうか。
世界の強さに打ちのめされ、
日本人の中でも勝てず、
当然ゴールシーンも撮れない。
自分は何者か、今のままで何者になれるのかわからないでいた。
真っ黒なテントをも突き抜けてくる日差しに暑さを感じながら、レース前日の夜を思い出していた。
@boksoon.d と @ask.jam と話した夜。
森田さんは言っていた「荷物を整理して余白を作る」ことが大事だと。
偶然にも、僕も「余裕」が大切だと常に思っていた。
持てているかはさておき、意識することが大事だと。
僕のサハラマラソンには「余白」も「余裕」もなかった。
「しなければならない」ことでいっぱいだった。
大きく深呼吸する。
目の前の真っ黒なテントしか見えていなかった視界が少しだけ広がった気がした。
◆この日の昼は、 @yama_messi_yuka の「肉の卵とじごはん」
ゆかさんに頼んで【特濃】にしてもらった。
濃い味が疲れた心と体に沁み渡る。
ご飯が食べれる、それだけで嬉しかった。
ちなみに夜は焼きそばをお湯で戻して食べた。
ご飯もいいけど、主食の種類を変えることも食べ続けるためには必要だった。
毎晩18時頃に、テントスタッフのフランス人女性ドミニクが、みんなからの【メッセージ】を持ってやってくる。
家族や高校時代からの友人、
朋トレのみんな、さやパンのメンバーたち
色んな人がメッセージをくれた。
レースの状況を見てくれていた人たちからは、心配してくれる声もあった。
毎晩みんなからのメッセージで涙が止まらなかった。
メッセージは印刷された紙で渡される。
そのアナログな感じが、より涙を誘う。
本当に僕は水の貴重な砂漠の中で、涙ばかり流していた。
溜めて被り水にでもすれば、なんてくだらないことを思う余裕はその時の僕にはなかった。
みんなからのメッセージのおかげで「明日こそ頑張ろう」そう思えた。
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